1月25日より発売中の最新号、『月刊バスケットボール2021年3月号』のス―パースター漫画ヒストリー”第19弾は、レジェンド版第3弾としてアジア人選手のパイオニア、ヤオ・ミンを紹介する。    中国・上海市に生まれたヤオは出生時…

 1月25日より発売中の最新号、『月刊バスケットボール2021年3月号』のス―パースター漫画ヒストリー”第19弾は、レジェンド版第3弾としてアジア人選手のパイオニア、ヤオ・ミンを紹介する。

 

 中国・上海市に生まれたヤオは出生時の体重が5000gを超えるとんでもない大きさだった。この体重は平均的な日本の新生児の約2倍に当たる重さで、この時点で既に将来有望だったヤオ。元バスケットボール選手の両親のDNAをしっかりと受け継いだ(ヤオの父は身長208cm、母も188cm)。

 

 その後もすくすくと成長し、12歳の頃には身長2メートルに到達。ただ、長身に釣り合わないほどに細く、周囲からは「まるで箸のようだ」と言われることもしばしば。それでもバスケットの面でも順調に成長し、特に父からはポストアップの極意を学んだそうだ。

 

 中学時代は世代別の代表チームにも選出されると、17歳にして地元の上海シャークスと契約し、若くしてプロ選手に。ちなみに引退後にはシャークスのオーナーを務めた時期もあった。一躍中国が誇る未来のスター候補生となったヤオは2000-01シーズンにはリーグMVPを受賞。20歳の頃だった。

 

 勢いそのままに2002年のNBAドラフトではロケッツからいの一番で指名され、アジア出身選手史上初のドラフト1位指名選手としてNBA入り。ヤオ自身もアキーム・オラジュワン時代のロケッツのファンだったそうで、この入団はまさに運命的。

 

オールスター戦も含め、シャキール・オニールとのマッチアップも大注目だった

 

 229cmの圧倒的高さに加え、フックシュートやターンアラウンドジャンパー、フリースローなども器用に沈め、長身選手の概念を打ち破る活躍を見せたヤオは中国の地元ファンの後押しもあり、1年目からオールスターに選出。ヤオの活躍がアジアのバスケットボール界を一段階高みへ押し上げたことは間違いなく、現在は日本からも八村塁(ウィザーズ)、渡邊雄太(ラプターズ)の2人がNBAのコートに立っている。

 

 ヤオ自身のキャリアは最終的にはケガによって無念のリタイアを余儀なくされたが、彼の残した功績は、NBAで過ごした10年という時間と打ち立てた数々の功績以上の重みを持つものだった。そんなヤオのキャリアを今月もkira_mineさんのイラストとともに紹介。最新号をお楽しみに!

 

(月刊バスケットボール)