日本ハムからFAで巨人に入団した陽岱鋼。台湾で圧倒的な人気を誇り、入団会見には複数の現地メディアが来場。会見の模様は球団公式フェイスブックなどで現地向けに生配信された。さらに、昨年末には台湾・台北市内で2度目の入団会見が行われるなど、台湾の…

日本ハムからFAで巨人に入団した陽岱鋼。台湾で圧倒的な人気を誇り、入団会見には複数の現地メディアが来場。会見の模様は球団公式フェイスブックなどで現地向けに生配信された。さらに、昨年末には台湾・台北市内で2度目の入団会見が行われるなど、台湾の野球ファンの注目度の高さがうかがえる。

■台湾ファンから注目浴びるプロ野球

 日本ハムからFAで巨人に入団した陽岱鋼。台湾で圧倒的な人気を誇り、入団会見には複数の現地メディアが来場。会見の模様は球団公式フェイスブックなどで現地向けに生配信された。さらに、昨年末には台湾・台北市内で2度目の入団会見が行われるなど、台湾の野球ファンの注目度の高さがうかがえる。

 郭俊麟投手、呉庭念内野手の台湾出身2選手が所属する埼玉西武ライオンズでは、昨年4月に2度目となる「台湾デー」を開催。同7月には台湾プロ野球チーム「統一セブン-イレブンライオンズ」の主催試合で「埼玉西武ライオンズデー」を現地で開催するなど、台湾との友好関係を深めている。

 こうした取り組みの結果、台湾人旅行客が西武のファンクラブに入会していくケースが増えているそうだ。西武ライオンズ事業部の吉田康治さんは「池袋のライオンズストアで、ファンクラブに入会していく台湾人旅行者の方が増えています。入会特典に内野指定席の引換券がついていますので『チケットだけ購入するよりグッズもついているファンクラブに入会した方がお得だ』と調べて来てくださる方が多いです」と話す。会報誌の海外発送には対応していないが、それでも昨年は約150人の台湾人を中心にアジア系の海外ファンが入会した。

■西武では海外からもチケットが購入できるシステムを導入

 パシフィックリーグマーケティング(PLM)では、「パ・リーグTV」で試合を配信。また、「FOXスポーツ台湾」に放映権を販売しており、台湾では台湾人選手が所属する球団の試合を中心に放送されている。

 そのため、台湾人のファンは日本の野球をよく知っており、郭、呉のグッズを買い求める旅行客も多いという。池袋駅にいるコンシェルジュは、台湾人観光客に「ライオンズストアはどこですか」と聞かれることが増えたそうだ。

「台湾の方々はライオンズのことをよく知っています。郭は台湾代表にも選ばれていますので『彼らは台湾ではすごく有名な選手だよ』と言っていかれる方が多いですね」

 西武では、海外からでもチケットが購入できる「チケットビス」のシステムを昨年から導入。球団公式HPは繁体字にも対応しており、台湾人観光客が試合会場に来場しやすい環境を整えている。現在、セ・リーグの試合は台湾では放送されていない。巨人は陽の入団を機に、台湾人ファンをこれまで以上に獲得していくことが出来るか。今後の取り組みに注目だ。

篠崎有理枝●文 text by Yurie Shinozaki