◆先週の血統ピックアップ ・1/24 アメリカJCC(GII・中山・芝2200m)  好位を追走したアリストテレスが残り200mで先頭に立ち、ヴェルトライゼンデ、ラストドラフトの追撃を抑えて1番人気に応えました。昨年秋の菊花賞ではコントレ…

◆先週の血統ピックアップ

・1/24 アメリカJCC(GII・中山・芝2200m)
 好位を追走したアリストテレスが残り200mで先頭に立ち、ヴェルトライゼンデ、ラストドラフトの追撃を抑えて1番人気に応えました。昨年秋の菊花賞ではコントレイルの三冠制覇に最後まで抵抗し、結果的にクビ差及ばなかったものの、名ステイヤーの片鱗を感じさせる見事な走りを披露しました。

 父エピファネイアは芝2500m以上で連対率39.1%と抜群の成績。ハーツクライやステイゴールドが強かったこのカテゴリーは、いずれエピファネイアのものになるのではないかと予感させます。800mの距離短縮となった今回は、最終追い切りで遅れたように目一杯の仕上げではなく、水分をたっぷり含んだ馬場コンディションも初めてだったので、人気ほどの信頼性はなかったのですが、地力でねじふせました。

 母の父にディープインパクトを持ち、なおかつサドラーズウェルズのクロスを持つエピファネイア産駒は、38戦20連対(連対率52.6%)と圧倒的な成績を収めています。芝2000m以上に限ると11戦9連対(連対率81.8%)。この配合パターンは鉄板です。現時点で天皇賞・春の最有力候補と言えるのではないかと思います。

・1/24 東海S(GII・中京・ダ1800m)
 インティの逃げを3番手でマークしたオーヴェルニュが最後の直線で先頭に立ち、アナザートゥルース以下の追撃を抑え、初の重賞挑戦でいきなり金星を挙げました。芝3000mの万葉Sを勝ったヴォージュの半弟で、父はナカヤマフェスタからスマートファルコンに替わりました。地味な種牡馬から複数の活躍馬を出した母ギュイエンヌ(現役時代3勝)は素晴らしい活力を秘めています。

 父スマートファルコンはダートの大種牡馬ゴールドアリュールの代表産駒の1頭で、帝王賞、東京大賞典、JBCクラシックなどダートのビッグレースを勝ちまくり、重賞を計19勝しました。種牡馬としては地方競馬で数頭の重賞勝ち馬を出していますが、中央競馬ではこれが初めてです。社台スタリオンステーションからレックススタッドに移動して種付け頭数が大幅に減ったのですが、この勝利を機に盛り返してくるかもしれません。母方にブライアンズタイムを持つパターンはほかにアシャカダイキ、ワンダーウマスなどが出ています。

 (文=栗山求)