全国高校選手権(インターハイ)の男子フィギュアスケートで、昨年優勝の佐藤駿(埼玉栄高)は2位に入った。悲願の連覇は果たせなかったが、大技4回転ルッツを今季の公式戦で初成功させた。演技後に日下匡力コーチがインタビューに応じ、「怪我の影響で練習…

全国高校選手権(インターハイ)の男子フィギュアスケートで、昨年優勝の佐藤駿(埼玉栄高)は2位に入った。悲願の連覇は果たせなかったが、大技4回転ルッツを今季の公式戦で初成功させた。演技後に日下匡力コーチがインタビューに応じ、「怪我の影響で練習を再開したのは最近だった」と愛弟子の苦闘を明かした。

佐藤は股関節の痛みで、昨年12月の全日本選手権後から正月明けまでを思い切って休養に当てた。試合が続くシーズン中の離脱に、日下コーチも「勇気ある決断だった」と振り返る。そんな不安の残る状況だっただけに、短期間の練習で臨んだインターハイでの4回転ルッツの成功は日下コーチを驚かせた。「4回転ルッツは全日本選手権が終わってから1ヶ月間練習をしていなかった。久しぶりに一発跳んでみたら、一発目で成功した。もちろん4回転をイメージした練習はしていたが、イメージと実際跳ぶのとでは大きく違う。素直にすごいと思います」と褒め称える。
佐藤にとって“4回転”は特別な思い入れがある技だった。日下コーチは「最初のジュニアグランプリシリーズに出るための選考会で失敗して、選考から漏れてしまった。それが本人にとってすごく悔しい体験だった。グランプリに行けなかった分チャレンジして4回転を成功させた」と語る。今後はシニアの舞台での活躍を見据え、「ジャンプだけでなく、プログラムの表現面やスケーティングについても重視して練習していく」という。コーチと共に怪我を乗り越え、大舞台で実力を発揮した佐藤。取り戻した“自信”を胸に、次のステージへ飛躍する。

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