パンデミックは収まるどころか勢いを増す中、3週間遅れでの開催を決めた「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/2月8…

パンデミックは収まるどころか勢いを増す中、3週間遅れでの開催を決めた「全豪オープン」(オーストラリア・メルボルン/2月8日~男子21日・女子20日/ハードコート)。チャーター便で新型コロナウイルス陽性者が出たせいで一部の選手により厳しい隔離が課されたり、食事の内容や練習時間の遅れなど、選手からは多くの不満の声が出ている。【関連記事】全豪でまたもトラブル...練習時間が大幅に狂う

そんな中で、大会ディレクターのクレイグ・タイリー氏は、同大会に出場する約500人の選手たちに明確なメッセージを伝えた。豪ニュースサイトnine.com.auが報じている。

タイリー氏と大会の組織委員会は、18日の夜に500人の選手たちとビデオカンファレンスを行った。そしてタイリー氏は、開幕日2月8日の変更はない、男子シングルスの試合が5セットマッチから3セットマッチに変更されることはないと明言している。

「500人の選手たちとグループチャットを行いました。誰もが質問をして、不満を言うこともできました。組織委員会はチームとして会議に臨みました。ずいぶん耳の痛いことも言われました。でも賞賛や感謝の言葉をくれた選手たちもいました」

「私が最も耐え難かったのは、不満があるなら私を責めて欲しいということです。SNS上でスタッフやメルボルンのコミュニティ、オーストラリアを責めるのはやめて下さい。文句があるなら私のところへ来て言って下さい」

「スタッフも、市や国の関係者も、この大会の実現のために身を粉にして働いているのです。彼らが非難されるのは耐えられません」

一方でタイリー氏は、選手らの不満の中には筋の通ったものもあることを認めた。例えば、数名のトップ選手たちはメルボルンよりも規制の緩いアデレードに滞在し、練習環境もより恵まれているようだ。

「それをひいきのように感じている選手たちもいるようです。でも、彼らは世界のトップ選手です。一般的に言って、トップ選手であれば、またグランドスラムチャンピオンであれば、より良い扱いを受けるのは当然のことです」

タイリー氏の印象では、「完全隔離」されることになってしまった選手たちも、最初のショックが過ぎると、状況を受け入れ始めているようだと言う。

またタイリー氏とスタッフは、本当に大会を開催すべきかどうか迷った時もあったと明かした。「 “本当にやるべきなのか、できるのか?”と迷ったこともありました。でも我々の国民性は、“やってみよう”という姿勢です。それは素晴らしいことだと思っています」

こんな大きな大会は、ウイルスを広めてしまうリスクがあることも認めた。それでも開催すると決めた理由について、以下のように語っている。

「世界にこう発信することができます。メルボルンは世界のイベントの中心地であると。“全豪オープン”と前哨戦の成功は、メルボルンが世界のスポーツイベントの中心地であると伝えることになるのです」

「パンデミックのせいで、今大会ほどたくさんの選手と観客を集める大会はまったく行われていません。でもメルボルンでは、今はかなり良い状況です。そして今大会の成功が、“オリンピック”も開催できるという希望につながって欲しいのです」

さらにタイリー氏は、完全隔離となった選手たちの隔離後についても語った。「もちろん完全隔離となった選手たちは他の選手たちよりずっと不利です。私はコーチをしていたことがあるのですが、十分な準備をするには、少なくとも2週間はかかるものです」

「完全隔離となった選手たちには、できる限りの救済策を取りたいと思っています。スケジュールや練習用コートなどを見直して、彼らを優先するつもりです」

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年「全豪オープン」の会場

(Photo by Cameron Spencer/Getty Images)