テレビドラマの人気ですっかり定着し、今もトレンドワードになっている「バイプレーヤー(脇役)」。サッカーの世界にも、チーム…

テレビドラマの人気ですっかり定着し、今もトレンドワードになっている「バイプレーヤー(脇役)」。サッカーの世界にも、チームになくてはならない名脇役がいる。今回は日本代表で活躍した、とっておきのバイプレーヤーを紹介する。

 日本代表では攻撃への志向が強い中田英寿とボランチを組んだので、福西はバランサーとしての役割を要求された。磐田のようなスター軍団のなかで、あるいは中田と組んで「バイプレーヤー」としての役割を果たすには、福西くらいの強烈な個性を持つ選手でなくては務まらなかったことだろう。


W杯予選で大活躍し、日本の初出場に貢献した北澤豪

 photo by AFLO

日本をW杯初出場へ引っ張った

北澤 豪 
MF/国際Aマッチ58試合出場3得点(1991-99年)

 日本代表のピンチを救った「バイプレーヤー」である。

 1997年秋、日本代表は翌年行なわれるフランスW杯最終予選を戦っていた。2002年大会の自国開催を控えて「予選突破」は至上命題だったが、日本代表は苦戦の連続。アウェーのカザフスタン戦が引き分けに終わると加茂周監督が解任され、コーチだった岡田武史が監督に就任した。

 遠征を終えて帰国した岡田は、新たに北澤をメンバーに加えてチームを立て直し、アジアの第三代表決定戦でイランを破ってワールドカップ出場を決めた。豊富な運動量を誇る北澤が、中盤のダイナモとして停滞気味だったチームに勢いを与えたのだ。

 そして、沈滞気味だったチームに明るさをもたらしたのも、「元気」を前面に押し出す北澤の人間性だった。

 当時、ある試合の前日練習を取材に行った時、わざわざ歩み寄ってきた北澤が僕の腕をつかんで「後藤さん、大丈夫です。やりますよ」と力強く語った一言を、僕はいまだに忘れることができない。

<名バイプレーヤーの共通項は、優れた献身性と人間性>

「バイプレーヤー」としてピッチ上で要求されるのは、周囲の選手との関係性だ。

 強烈なエゴを発揮する「主役」たちと良好な関係を築き、彼らがその才能を発揮できるようにサポートする。そして、重要なのはたった一度のスーパープレーではなく、どんな状況のなかでも常に一定のパフォーマンスを発揮することだ。

「計算できる選手であること」。それこそが、監督が「バイプレーヤー」に対して求めるところだろう。5人の選手を取り上げたが、いずれも常にチームのためを思って全力を尽くす献身性を持っている。そして、チームメイトと良い関係性を築き上げる誠実な人間性を持っている点も共通している。

「主役」を張る選手は「周囲にどう思われようと結果を出せばいい」という"オレ様キャラ"でもいいのだが、「バイプレーヤー」はキャラクターとしては様々であっても、誰にでも好かれ、誰からも信頼される人間性を持つことが必須条件のように思える。