今季のクラブチーム日本一を争う、第24回全国クラブラグビーフットボール大会が1月8日に開幕した。全国的な寒気で酷寒の中、熊谷ラグビー場Bグラウンドでおこなわれた文の里クラブ(近畿代表)対北上矢巾ブレイズラガー(東北代表)は、全国初出場の文…

 今季のクラブチーム日本一を争う、第24回全国クラブラグビーフットボール大会が1月8日に開幕した。全国的な寒気で酷寒の中、熊谷ラグビー場Bグラウンドでおこなわれた文の里クラブ(近畿代表)対北上矢巾ブレイズラガー(東北代表)は、全国初出場の文の里が2回戦に駒を進めた。
 開始直後の自軍キックオフ後のターンオーバーでボールを奪った文の里が、SO野村大地が蹴り込んだキックからWTB佐々木悠人が先制トライ。「開始直後まで固かったが、思わぬ形での得点で波に乗ることができ」(文の里・田中智也代表)、幸先よいスタートとなった。

 北上矢巾はミスからなかなかペースがつかめなかった。8分に自陣でのキックを文の里にチャージされ、試合を通して何度もゲインしたCTB高倉和起、SO野村からFL猪村優陽へボールが渡り、トライを奪われてしまう。その後も自陣でのプレーが続き、またもや文の里WTB佐々木にトライを許し、0-19と大きくリードを許した。
 このままでは終われないと、陣地挽回のキック合戦から得たクイックスローからのチャンスをFB高橋和幸が駆け抜けてトライ。7-19となり反撃開始といきたかったが、引き寄せた流れで得点を重ねることはできなかった。

 後半は文の里の強烈なタックルが目立ち、5分にPR北田健太郎がトライ。後半も文の里ペースかと思われたが、17分過ぎから北上矢巾は敵陣ゴール前に進む。しかし文の里の必死の防御にあい、優位に立っていたスクラムで痛恨のミス。そこから文の里は自陣深くから駆け出したWTB佐々木が独走しトライ。それ以降試合は文の里に傾き、終盤もNO8貞方準、入替で入ったBK吉田圭吾がトライを重ね、43-7で文の里が圧勝した。

 敗れた北上矢巾・大郷祐司監督は「立ち上がりのキック処理から失点し、それを引きずってしまった。エリアの取り方も雑だった」と悔やんだ。チーム4度目の全国大会出場も、東北勢としての全国大会初勝利は遠かった。
 文の里クラブは1952年に大阪市立文の里中学校ラグビー部OBにより結成された歴史あるクラブ。表舞台から遠ざかっていたものの、2003年に再結成されOB以外も受け入れている。田中智也代表は「出場までの道のりが長かった分、皆大会が来るのを楽しみにしていた。2回戦は関西(京都)での試合。サポートしてくれる地元の多くの人たちに恩返しできるよう、今までやってきたことを見せたい」と意気込んだ。

 また、同日おこなわれた豊田運動公園球技場での2試合はRKUラグビー龍ケ崎・ドラゴンズが名古屋クラブを43-7、調布三鷹オールカマーズ(首都圏)がRED WING(東海北陸・愛知)を22-3で破り、2回戦に進出。
 1月9日に佐賀・ベストアメニティスタジアムでおこなわれた2試合は昨年の覇者、神奈川タマリバが川南クラブ(九州南・宮崎)を52-24、初出場の玖珠クラブ(九州北・大分)が岡山クラブを42-26で破り2回戦に進出。
 2回戦からはシードチームが登場。1月22日(日)に4試合がおこなわれる。(文/根古徹)



★全国クラブ大会 2回戦組み合わせ(1月22日)
□熊谷C
北海道バーバリアンズ - 玖珠クラブ(12:00)

□福岡・レベルファイブスタジアム
福岡かぶと虫クラブ - RKUラグビー龍ケ崎(12:00)

□京都・宝が池
神奈川タマリバ - 文の里クラブ(12:00)
六甲ファイティングブル - 調布三鷹オールカマーズ(14:00)