第97回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は13年ぶりとなる駒澤大学の逆転優勝で幕を閉じた。波乱の展開となった今大会で自分の持つ実力を箱根路に適応させながら発揮させることができたのは、どこの大学・選手だったのだろうか?(文=REAL S…

第97回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)は13年ぶりとなる駒澤大学の逆転優勝で幕を閉じた。波乱の展開となった今大会で自分の持つ実力を箱根路に適応させながら発揮させることができたのは、どこの大学・選手だったのだろうか?

(文=REAL SPORTS編集部)

自分の力を箱根路で発揮できた大学・選手は? 10000mの記録を箱根駅伝区間に換算

今年の箱根駅伝は、昨年11月の全日本大学駅伝で8区間中4区間で新記録が生まれていたこともあり、“史上最速”の高速レースも期待されていた。だがふたを開けてみれば、1区からファンや識者も驚くスローペースになり、優勝候補と目された大学が大きく出遅れ、代わりに創価大学が躍進を果たした。こうした波乱の展開となったレースの中で、出場した選手たちはいったいどれだけ自分の力を発揮することができたのだろうか?

そこで今回、大会前に発表された10000mの公認最高記録を箱根駅伝の区間距離に換算し、実際の区間記録とのタイム差を比較するランキングを作成した。このタイム差がより低いほど、箱根路に適応させながら自身の持つ実力を発揮できたといえるだろう。

ランキング作成にあたり集計方法は以下の通り。
・集計対象は、12月10日に関東学生陸上競技連盟が発表したチームエントリー、20チームとする(関東学生連合は対象外)。
・チーム内の集計対象者は、今回の箱根駅伝で走った10人とする。
・10000mの公認最高記録(以下、自己タイム)をそれぞれ実際に走った箱根駅伝区間距離に換算したタイム(以下、換算タイム)と、今大会での区間記録(以下、箱根タイム)のタイム差を算出する。このタイム差でランキング化する。
・自己タイムは、12月10日のチームエントリーに記載の記録を使用する。ただし自己タイムがチームエントリーに記載されていない場合には、ランキング対象外とする。

1区:“史上最も遅い”といわれた展開でタイム差1位は意外にも…

区間ごとに換算タイムと箱根タイムのタイム差が少ない上位5人のタイム差を見ていきたい。まずは1kmの通過タイムは3分33秒で「史上最も遅いのでは?」と言われた1区からだ。
※()内の順位は、左が自己タイム、右が箱根タイムのもの。以下同

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1.日本体育大学 藤本珠輝(2年) タイム差-0:01:02(19位/8位)
2.東洋大学 児玉悠輔(2年) タイム差-0:00:22(18位/9位)
3.神奈川大学 呑村大樹(3年) タイム差+0:01:24(14位/4位)
4.専修大学 高瀬桂(2年) タイム差+0:01:35(17位/19位)
5.拓殖大学 合田椋(3年) タイム差+00:01:48(13位/11位)
6.国士舘大学 山本龍神(1年) タイム差+00:02:04(16位/18位)
7.法政大学 鎌田航生(3年) タイム差+00:02:11(11位/1位)
8.山梨学院大学 新本駿(1年) タイム差+00:02:40(15位/20位)
9.青山学院大学 𠮷田圭太 (4年) タイム差+00:02:41(9位/6位)
10.東京国際大学 丹所健(2年) タイム差+00:02:42(12位/14位)
11.城西大学 砂岡拓磨(3年) タイム差+00:02:50(7位/7位)
12.帝京大学 小野寺悠(4年) タイム差+00:02:52(10位/13位)
13.創価大学 福田悠一 (4年) タイム差+00:02:56(5位/3位)
14.國學院大學 藤木宏太(3年) タイム差+00:03:01(8位/12位)
15.東海大学 塩澤稀夕(4年) タイム差+00:03:08(1位/2位)
16.早稲田大学 井川龍人(2年) タイム差+00:03:13(2位/5位)
17.駒澤大学 白鳥哲汰(1年) タイム差+00:03:37(3位/15位)
18.明治大学 児玉真輝(1年) タイム差+00:03:40(6位/16位)
19.中央大学 千守倫央(2年) タイム差+00:04:06(4位/17位)
- 順天堂大学 三浦龍司(1年) (-/10位) ※10000mの自己タイムがチームエントリーに記載されていないためランキング外
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タイム差ランキング1位、2位になった日本体育大学・藤本珠輝、東洋大学・児玉悠輔は、換算タイムより実際に走った箱根タイムのほうが速くなった。自己タイムはトラックで計る上に、走る距離も箱根駅伝の場合は約2倍となるため、通常であれば換算タイムに比べて箱根タイムは遅くなるものと考えられるが、この2人は自分の実力をより発揮できたといえるだろう。

箱根タイムで区間1位となった法政大学・鎌田航生は、自己タイムでは11位だったが見事に躍進してみせた。

1区で大きな注目を集めていた東海大学・塩澤稀夕は、自己タイムで1位、箱根タイムでも区間2位に入ったが、タイム差ランキングでは15位となった。同様に、自己タイムで2位の早稲田大学・井川龍人、3位の駒澤大学・白鳥哲汰、4位の中央大学・千守倫央、6位の明治大学・児玉真輝は、それぞれタイム差ランキングで下位に沈んだ。彼らは28分台前半の自己タイムを持つ選手だったが、「史上最も遅い」といわれるスローペースの展開で自分の実力を発揮できなかったことがよく分かる結果となった。

全日本大学駅伝1区で新記録を出し区間賞に輝くなど、今回の箱根駅伝でも大きな注目を集めていた順天堂大学のスーパールーキー三浦龍司は、チームエントリーに10000mの自己タイムが記載されていなかったためランキング外とした。参考までに、1区でハーフマラソンの自己タイムが記載されていた16人でランキングしたところ、自己タイムでは1位だったものの、箱根タイムで区間10位、タイム差ランキングでは15位となった。この悔しさをばねに、これからの活躍に期待したい。

2区:圧巻の速さを見せつけたY・ヴィンセントは何位?

続いては、各校の注目選手が走った「花の2区」だ。

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1.神奈川大学 井手孝一(4年) タイム差-0:00:26(18位/9位)
2.順天堂大学 野村優作(2年) タイム差+00:01:44(14位/10位)
3.東京国際大学 Y・ヴィンセント(2年) タイム差+0:01:58(1位/1位)
4.青山学院大学 中村唯翔(2年) タイム差+0:02:02(15位/14位)
5.東海大学 名取燎太(4年) タイム差+0:02:25(9位/8位)
6.明治大学 加藤大誠(2年) タイム差+00:02:30(17位/17位)
7.日本体育大学 池田耀平(4年) タイム差+00:02:37(7位/3位)
8.帝京大学 星岳(4年) タイム差+00:02:48(11位/12位)
9.拓殖大学 J・ラジニ(2年) タイム差+00:02:55(5位/5位)
10.専修大学 茅野雅博(4年) タイム差+00:02:58(19位/20位)
11.創価大学 P・ムルワ(2年) タイム差+00:02:59(4位/6位)
12.城西大学 菊地駿弥(4年) タイム差+00:03:12(8位/11位)
13.国士舘大学 R・ヴィンセント(3年) タイム差+00:03:15(2位/2位)
14.駒澤大学 田澤廉(2年) タイム差+00:03:18(3位/7位)
15.法政大学 河田太一平(2年) タイム差+00:03:24(16位/19位)
16.早稲田大学 太田直希(3年) タイム差+00:03:46(6位/13位)
17.國學院大學 中西大翔(2年) タイム差+00:03:52(10位/15位)
18.中央大学 森凪也(3年) タイム差+00:04:06(12位/16位)
19.山梨学院大学 森山真伍(4年) タイム差+00:04:33(13位/18位)
- 東洋大学 松山和希(1年) (-/4位) ※10000mの自己タイムがチームエントリーに記載されていないためランキング外
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2区ではケニア人選手が4人走った。4人とも自己タイムは27分台で自己タイム上位に名を連ねていたが、実際に箱根の区間順位でも全員がほぼ同じ順位でフィニッシュしていた。その中でも区間新記録を出した東京国際大学のイェゴン・ヴィンセントは前評判通りの強さを見せつけ、タイム差ランキングでも3位に入った。

2区には他に駒澤大学・田澤廉(自己タイム3位)、早稲田大学・太田直希(同6位)、日本体育大学・池田耀平(同7位)の3人が27分台の自己タイムを持っていた。池田は区間3位と好成績を残すことができたが、田澤、太田はタイム差ランキングで14位、16位と思うような結果を残すことができなかった。

タイム差ランキング1位に輝いたのは神奈川大学・井手孝一。自己タイムでは18位だったものの箱根タイムでは区間9位、換算タイムより26秒速い快走を見せた。

3区:タイム差1位は換算タイムより大幅に記録を縮めた1年生

相模湾沿いを走り、強い向かい風が選手の行く手を阻む3区は以下の通り。

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1.東海大学 石原翔太郎(1年) タイム差-00:04:14(20位/1位)
2.創価大学 葛西潤(2年) タイム差-0:00:33(17位/3位)
3.駒澤大学 小林歩(4年) タイム差+0:01:04(6位/2位)
4.東洋大学 前田義弘(2年) タイム差+0:01:21(14位/8位)
5.山梨学院大学 島津裕太(1年) タイム差+0:01:27(19位/16位)
6.國學院大學 臼井健太(4年) タイム差+0:01:41(13位/7位)
7.帝京大学 遠藤大地(3年) タイム差+00:01:46(5位/4位)
8.東京国際大学 内田光(4年) タイム差+00:01:57(11位/9位)
9.日本体育大学 岩室天輝(4年) タイム差+00:02:03(15位/11位)
10.順天堂大学 伊豫田達弥(2年) タイム差+00:02:06(7位/5位)
11.神奈川大学 川口慧(3年) タイム差+00:02:46(9位/10位)
12.法政大学 松本康汰(2年) タイム差+00:02:47(10位/12位)
13.専修大学 金久保遥(3年) タイム差+00:03:13(18位/20位)
14.青山学院大学 湯原慶吾(3年) タイム差+00:03:17(8位/14位)
15.国士舘大学 清水拓斗(3年) タイム差+00:03:30(16位/19位)
16.明治大学 小袖英人(4年) タイム差+00:03:44(3位/12位)
17.早稲田大学 中谷雄飛(3年) タイム差+00:03:47(1位/6位)
18.拓殖大学 新井遼平(3年) タイム差+00:03:53(12位/18位)
19.城西大学 菅原伊織(4年) タイム差+00:04:25(4位/17位)
20.中央大学 吉居大和(1年) タイム差+00:04:48(2位/15位)
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1区、2区では区間順位で中位の選手がタイム差ランキングで1、2位を占めていたが、3区は区間順位で上位の選手がタイム差ランキングでも上位となる結果となった。区間1位の東海大学・石原翔太郎、2位の駒澤大学・小林歩、3位の創価大学・葛西潤はそれぞれ自己タイムで20位、6位、17位。石原と葛西は換算タイムを上回り、特に石原はなんと4分14秒も速く走ったことになる。昨年11月の全日本大学駅伝4区で大学駅伝デビューし、新記録で区間賞を飾るなど、ルーキーながら存在感を示すシーズンとなった。

27分台の自己タイムを持ち、全日本大学駅伝で3区区間賞の早稲田大学・中谷雄飛(自己タイム1位)、1年生ながら日本学生陸上選手権(インカレ)5000mで優勝した中央大学・吉居大和(同2位)は、十分に力を発揮することができず、タイム差ランキングで下位に沈んだ。今後の活躍に期待したい。

4区:創価大学がトップに躍り出た区間でタイム差1位になったのは…

平地区間では一番距離が短いものの、5区につなぐ重要な区間としてレースの展開に大きな影響を与える4区。換算タイムを上回る選手は現れなかったが、創価大学が往路トップに躍り出る印象深いレースとなった。

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1.創価大学 嶋津雄大(3年) タイム差+0:02:09(12位/2位)
2.法政大学 清家陸(3年) タイム差+0:02:21(18位/12位)
3.山梨学院大学 P・オニエゴ(3年) タイム差+0:02:41(3位/1位)
4.青山学院大学 佐藤一世(1年) タイム差+0:02:44(10位/4位)
5.順天堂大学 石井一希(1年) タイム差+0:03:01(11位/5位)
6.国士舘大学 木榑杏祐(3年) タイム差+00:03:02(17位/14位)
7.早稲田大学 鈴木創士(2年) タイム差+00:03:08(5位/3位)
8.東洋大学 𠮷川洋次(4年) タイム差+00:03:16(8位/6位)
9.東京国際大学 宗像聖(2年) タイム差+00:03:24(14位/9位)
10.帝京大学 中村風馬(3年) タイム差+00:03:39(7位/9位)
11.駒澤大学 酒井亮太(2年) タイム差+00:03:45(9位/11位)
12.神奈川大学 西方大珠(3年) タイム差+00:03:55(6位/10位)
13.拓殖大学 佐藤広夢(3年) タイム差+00:04:03(16位/16位)
14.中央大学 三須健乃介(4年) タイム差+00:04:06(4位/8位)
15.城西大学 梶川由稀(4年) タイム差+00:04:32(15位/18位)
16.明治大学 櫛田佳希(2年) タイム差+00:04:39(1位/7位)
17.日本体育大学 福住賢翔(4年) タイム差+00:04:50(13位/17位)
18.専修大学 国増治貴(2年) タイム差+00:05:17(19位/20位)
19.國學院大學 河東寛大(4年) タイム差+00:05:22(2位/15位)
- 東海大学 佐伯陽生(1年) (-/19位) ※10000mの自己タイムがチームエントリーに記載されていないためランキング外
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タイム差ランキング1位に輝いたのは、創価大学・嶋津雄大だ。自己タイムでは12位だったが箱根タイムで区間2位の快走を見せ、往路優勝の立役者となった。

また1年生の青山学院大学・佐藤一世、順天堂大学・石井一希は、タイム差ランキングでそれぞれ4位、5位に入った。チームは往路前半戦で苦しんだが、ルーキーながら気を吐く走りを見せたといえるだろう。

28分台前半の自己タイムで同1位、2位の明治大学・櫛田佳希、國學院大學・河東寛大はそれぞれ箱根タイムで区間7位、15位と十分に力を発揮し切れず、タイム差ランキングでは16位、19位と苦しい結果となった。

東海大学・佐伯陽生は10000mの自己タイムがチームエントリーに記載されていないためにランキング対象外としたが、全日本大学駅伝1区で区間新を記録するなど、今回の箱根駅伝でも期待されていた。残念ながら区間19位に終わったものの、まだ1年生。これからの活躍に期待したい。

5区:「激坂最速王決定戦」王者が強さを見せた山上り

往路最大の難所、山上りがある5区。気温変化も激しく、自己タイムを計るトラックとはまったく異なる環境で、選手の走りに大きな影響が出る予想のつかない区間だ。実際、換算タイムと箱根タイムの差が、他の区間に比べて大きく出ていた。

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1.創価大学 三上雄太(3年) タイム差+0:09:15(17位/2位)
2.帝京大学 細谷翔馬(3年) タイム差+0:10:05(12位/1位)
3.法政大学 古海航(4年) タイム差+0:10:56(19位/12位)
4.城西大学 山本唯翔(1年) タイム差+0:11:15(13位/6位)
5.國學院大學 殿地琢朗(3年) タイム差+0:11:35(14位/8位)
6.拓殖大学 石川佳樹(4年) タイム差+00:11:56(7位/5位)
7.東洋大学 宮下隼人(3年) タイム差+00:12:37(3位/3位)
8.国士舘大学 孝田拓海(4年) タイム差+00:12:42(16位/14位)
9.東京国際大学 荒井雄哉(4年) タイム差+00:12:49(10位/10位)
10.駒澤大学 鈴木芽吹(1年) タイム差+00:13:40(1位/4位)
11.東海大学 西田壮志(4年) タイム差+00:13:40(4位/7位)
12.山梨学院大学 星野一平(2年) タイム差+00:13:46(15位/15位)
13.順天堂大学 津田将希(3年) タイム差+00:14:00(8位/13位)
14.明治大学 鈴木聖人(3年) タイム差+00:14:04(2位/9位)
15.神奈川大学 北﨑拓矢(4年) タイム差+00:14:05(6位/11位)
16.日本体育大学 村越凌太(2年) タイム差+00:14:41(11位/16位)
17.専修大学 野下稜平(1年) タイム差+00:15:28(18位/20位)
18.中央大学 畝拓夢(4年) タイム差+00:15:29(9位/18位)
19.青山学院大学 竹石尚人(4年) タイム差+00:15:59(5位/17位)
- 早稲田大学 諸冨湧(1年) (-/19位) ※10000mの自己タイムがチームエントリーに記載されていないためランキング外
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タイム差ランキング1位は、昨年11月に行われた上り坂のみのコース「激坂最速王決定戦2020」で王者となった創価大学の三上雄太だった。自己タイムでは17位も、箱根タイムでは区間2位の快走を見せ、創価大学史上初となる往路優勝のテープを切った。

初の5区で区間賞を獲得した帝京大学・細谷翔馬も自己タイム12位ながら山上りで強さを見せつけ、タイム差ランキングで2位に入った。

前回大会は故障で出場を辞退し、留年して今大会に臨んだ青山学院大学・竹石尚人は、タイム差ランキングで19位となった。卒業後は静岡のテレビ局に就職することが決まっており、原晋監督から「全力を尽くした者の挫折は次へ向かうばねになる。本当の悔しさを知るからこそ、アスリートに寄り添った番組を作れる」とエールを送られた。

6区:区間歴代3位の駒澤大学・花崎はタイム差で何位?

復路最初の関門となる山下りの6区。下りのスピードがあるため他の区間に比べて箱根タイムが換算タイムよりも速くなる傾向があり、今回21人中20人が換算タイムを上回った。

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1.駒澤大学 花崎悠紀(3年) タイム差-00:03:36(11位/1位)
2.専修大学 南里樹(2年) タイム差-00:03:27(20位/16位)
3.国士舘大学 曽根雅文(4年) タイム差-00:03:10(18位/9位)
4.創価大学 濱野将基(2年) タイム差-00:02:53(16位/7位)
5.城西大学 野村颯斗(1年) タイム差-00:02:30(15位/11位)
6.中央大学 若林陽大(2年) タイム差-00:02:30(12位/5位)
7.山梨学院大学 日影優哉(4年) タイム差-00:02:04(10位/10位)
8.青山学院大学 髙橋勇輝(3年) タイム差-00:02:03(3位/3位)
9.法政大学 須藤拓海(4年) タイム差-00:01:47(17位/15位)
10.東海大学 川上勇士(2年) タイム差-00:01:33(4位/5位)
11.順天堂大学 清水颯大(4年) タイム差-00:01:31(1位/2位)
12.早稲田大学 北村光(1年) タイム差-00:01:25(6位/8位)
13.國學院大學 島﨑慎愛(3年) タイム差-00:01:13(2位/4位)
14.日本体育大学 菅沼隆佑(4年) タイム差-00:01:02(14位/17位)
15.神奈川大学 宇津野篤(1年) タイム差-00:00:54(5位/12位)
16.明治大学 前田舜平(4年) タイム差-00:00:40(7位/13位)
17.帝京大学 三原魁人(3年) タイム差-00:00:29(19位/20位)
18.東洋大学 九嶋恵舜(1年) タイム差-00:00:27(8位/14位)
19.拓殖大学 佐々木虎太郎(2年) タイム差-00:00:13(13位/18位)
20.東京国際大学 芳賀宏太郎(3年) タイム差+00:00:34(9位/19位)
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この区間で総合2位に浮上させた駒澤大学・花崎悠紀が、タイム差ランキングで1位となった。自己タイムは11位だったが、換算タイムを3分36秒も上回る快走で区間歴代3位のタイムをたたき出した。

その花崎に1分13秒を縮められた創価大学・濱野将基だったが、自己タイム16位に対して箱根タイムは区間7位、タイム差ランキングでは4位だった。花崎の快走が目立った山下りだったが、濱野も自分の実力を存分に発揮していたことが分かる結果となった。

7区:シード権争いの大学が上位に。白熱の展開

山おろしの風と時間とともに強くなってくる日差しで気温変化の激しい7区は、優勝争いだけでなくシード権争いも白熱する展開となった。

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1.帝京大学 寺嶌渓一(3年) タイム差+0:00:14(20位/10位)
2.東京国際大学 佐伯涼(4年) タイム差+0:00:20(15位/1位)
3.國學院大學 徳備大輔(4年) タイム差+0:01:18(16位/7位)
4.創価大学 原富慶季(4年) タイム差+0:01:48(6位/2位)
5.東海大学 本間敬大(3年) タイム差+0:01:54(13位/6位)
6.城西大学 藤井正斗(2年) タイム差+00:01:57(17位/13位)
7.青山学院大学 近藤幸太郎(2年) タイム差+00:02:20(5位/3位)
8.中央大学 中澤雄大(2年) タイム差+00:02:20(9位/5位)
9.日本体育大学 森下滉太(4年) タイム差+00:02:57(7位/9位)
10.拓殖大学 吉村陸(2年) タイム差+00:03:10(12位/16位)
11.山梨学院大学 木山達哉(2年) タイム差+00:03:10(18位/19位)
12.駒澤大学 花尾恭輔(1年) タイム差+00:03:12(4位/4位)
13.法政大学 田辺佑典(4年) タイム差+00:03:21(14位/18位)
14.国士舘大学 荻原陸斗(3年) タイム差+00:03:31(10位/14位)
15.専修大学 成島航己(2年) タイム差+00:03:34(19位/20位)
16.順天堂大学 小島優作(3年) タイム差+00:03:44(8位/15位)
17.神奈川大学 落合葵斗(3年) タイム差+00:03:50(11位/17位)
18.早稲田大学 宍倉健浩(4年) タイム差+00:04:07(2位/8位)
19.明治大学 手嶋杏丞(3年) タイム差+00:04:28(3位/11位)
20.東洋大学 西山和弥(4年) タイム差+00:05:07(1位/12位)
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箱根タイムで区間1位の東京国際大学・佐伯涼は、自己タイム15位ながらも会心の走りを見せ、タイム差ランキングで2位。同大学史上初の2年連続シード権獲得に大きく貢献した。

タイム差ランキング1位は、帝京大学・寺嶌渓一。自己タイムは最下位だったものの、換算タイムとほぼ同じ記録で区間10位となり、自分の実力を存分に発揮してみせた。

ここ最近けがによる不調が続いていた東洋大学・西山和弥は、最後の箱根を7区で力走。結果として区間12位、タイム差ランキングでは20位となった。本人としては納得のいく結果ではなかったかもしれないが、最終的に東洋大学の総合3位返り咲きに貢献したといえるだろう。

8区:駒澤大学と創価大学のトップ争い、タイム差ランキングでも…

序盤は海岸沿いの追い風と日差しが体力を奪い、湘南新道に入ってからは9km続く上り坂が追い打ちをかける8区。

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1.駒澤大学 佃康平(3年) タイム差-0:00:04(20位/4位)
2.創価大学 永井大育(3年) タイム差+0:01:32(15位/8位)
3.國學院大學 伊地知賢造(1年) タイム差+0:01:52(14位/9位)
4.東洋大学 野口英希(4年) タイム差+0:02:19(18位/2位)
5.法政大学 糟谷勇輝(4年) タイム差+00:02:22(18位/12位)
6.明治大学 大保海士(4年) タイム差+00:02:36(2位/1位)
7.神奈川大学 安田響(3年) タイム差+00:02:43(10位/11位)
8.青山学院大学 岩見秀哉(4年) タイム差+00:02:49(4位/3位)
9.早稲田大学 千明龍之佑(3年) タイム差+00:02:50(8位/5位)
10.東京国際大学 熊谷真澄(4年) タイム差+00:03:03(12位/14位)
11.順天堂大学 西澤侑真(2年) タイム差+00:03:04(9位/10位)
12.国士舘大学 清水悠雅(2年) タイム差+00:03:10(16位/16位)
13.拓殖大学 江口清洋(2年) タイム差+00:03:18(11位/13位)
14.帝京大学 鳥飼悠生(4年) タイム差+00:03:20(5位/6位)
15.城西大学 新井颯人(1年) タイム差+00:03:29(19位/19位)
16.専修大学 水谷勇登(1年) タイム差+00:03:46(13位/18位)
17.山梨学院大学 篠原楓(2年) タイム差+00:04:13(17位/20位)
18.中央大学 三浦拓朗(3年) タイム差+00:04:30(1位/7位)
19.東海大学 濵地進之介(2年) タイム差+00:04:52(6位/15位)
20.日本体育大学 大内宏樹(3年) タイム差+00:05:26(3位/17位)
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タイム差ランキング1位は、駒澤大学の佃康平。換算タイムを上回る走りで、トップの創価大学に1分29秒差まで縮めた。最終的に総合優勝を手繰り寄せる快走を見せたといえるだろう。

トップを走っていた創価大学・永井大育は、タイム差ランキングで2位に入った。自己タイムは15位だったものの、区間8位の力走。難しい区間で自分の力を存分に発揮したといえるだろう。

明治大学の大保海士は、歴代2位のタイムで区間賞を獲得、タイム差ランキングでも6位に入った。1年時から期待されながらけがに苦しめられてきたが、最後の箱根でその名を刻んでみせた。

9区:トップでたすきをつないだ創価大学・石津はやはり…

優勝争い、シード権争いが激しく繰り広げられた9区。

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1.東海大学 長田駿佑(3年) タイム差-00:03:23(20位/9位)
2.創価大学 石津佳晃(4年) タイム差+0:00:05(16位/1位)
3.早稲田大学 小指卓也(2年) タイム差+0:00:50(18位/4位)
4.國學院大學 高嶌凌也(4年) タイム差+0:02:31(17位/12位)
5.帝京大学 橋本尚斗(3年) タイム差+0:02:42(5位/3位)
6.拓殖大学 竹蓋草太(3年) タイム差+0:02:42(19位/15位)
7.青山学院大学 飯田貴之(3年) タイム差+00:02:45(4位/2位)
8.東洋大学 小田太賀(4年) タイム差+00:02:47(10位/7位)
9.中央大学 手島駿(3年) タイム差+00:02:48(9位/7位)
10.日本体育大学 野上翔大(4年) タイム差+00:02:51(7位/5位)
11.城西大学 宮下璃久(3年) タイム差+00:03:21(13位/13位)
12.東京国際大学 加藤純平(4年) タイム差+00:03:52(11位/14位)
13.駒澤大学 山野力(2年) タイム差+00:04:00(2位/6位)
14.順天堂大学 鈴木尚輝(3年) タイム差+00:04:08(3位/11位)
15.明治大学 富田峻平(2年) タイム差+00:04:23(1位/10位)
16.専修大学 辻海里(4年) タイム差+00:04:27(15位/16位)
17.法政大学 川上有生(2年) タイム差+00:05:04(8位/17位)
18.国士舘大学 三代和弥(3年) タイム差+00:05:29(12位/19位)
19.山梨学院大学 遠藤悠紀(4年) タイム差+00:06:02(6位/18位)
20.神奈川大学 高橋銀河(1年) タイム差+00:06:38(14位/20位)
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9区の区間賞を獲得した創価大学・石津佳晃は、同じく9区を走った前回よりも1分半速いタイムで走り、トップをキープして10区にたすきをつないだ。自己タイムでは16位だったが区間記録にあと13秒と迫る快走で、タイム差ランキングで2位となった。

連覇を狙いながら往路で出遅れた優勝候補の青山学院大学は、9区の飯田貴之が区間2位を収め、総合4位へと順位を上げた。

タイム差ランキング1位は、東海大学・長田駿佑。自己タイムでは20位だったが、全日本大学駅伝では6区で区間賞、今回の箱根では区間9位だったが、自己タイムを大きく上回ってみせた。

10区:大逆転を演出した駒澤大学・石川のタイム差は? 意外な1位は…

これまで9人がつないできたたすきを胸に最後の区間を駆け抜ける10区。駒澤大学の劇的な逆転優勝を飾り、まさにドラマが生まれた区間となった。

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1.神奈川大学 佐々木亮輔(1年) タイム差+0:02:11(13位/2位)
2.東海大学 竹村拓真(2年) タイム差+0:02:19(19位/8位)
3.法政大学 中園慎太朗(2年) タイム差+0:02:45(20位/15位)
4.帝京大学 山根昂希(4年) タイム差+0:02:48(18位/11位)
5.駒澤大学 石川拓慎(3年) タイム差+0:03:03(4位/1位)
6.専修大学 服部友太(3年) タイム差+00:03:24(17位/14位)
7.中央大学 川崎新太郎(4年) タイム差+00:03:29(9位/5位)
8.東京国際大学 杉崎翼(4年) タイム差+00:03:30(14位/12位)
9.青山学院大学 中倉啓敦(2年) タイム差+00:03:44(6位/4位)
10.国士舘大学 綱島辰弥(2年) タイム差+00:03:45(15位/16位)
11.拓殖大学 工藤翼(2年) タイム差+00:03:57(10位/13位)
12.順天堂大学 原田宗広(4年) タイム差+00:04:22(7位/6位)
13.東洋大学 清野太雅(2年) タイム差+00:04:22(8位/9位)
14.山梨学院大学 渡邊晶紀(3年) タイム差+00:04:33(16位/18位)
15.國學院大學 木付琳(3年) タイム差+00:04:48(2位/3位)
16.城西大学 雲井崚太(4年) タイム差+00:05:23(11位/19位)
17.明治大学 長倉奨美 (4年) タイム差+00:05:29(3位/10位)
18.創価大学 小野寺勇樹(3年) タイム差+00:05:39(12位/20位)
19.日本体育大学 名村樹哉(2年) タイム差+00:05:52(5位/17位)
20.早稲田大学 山口賢助(3年) タイム差+00:05:56(1位/7位)
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大逆転を演出してみせた駒澤大学・石川拓慎が区間賞を獲得、タイム差ランキングでも5位となる快走を見せた。

タイム差ランキング1位は、神奈川大学・佐々木亮輔。箱根タイムでも区間2位に輝くなど、ルーキーながら素晴らしい力走を見せた。4年ぶりのシード権獲得とはならなかったが今後の躍進に期待したい。

レース後に倒れ込んだ創価大学・小野寺勇樹は区間20位、タイム差ランキングでも18位となった。だがこれも死力を尽くした結果に他ならない。これからの挽回に期待したい。

総合ランキング:1位はやはり、波乱の箱根を象徴するあの大学…

最後に総合ランキングを発表したい。

各区間のタイム差ランキング1位に20pt、2位に19pt、……、19位に2pt、20位に1ptを付与し、大学ごとに10選手の平均ポイントでランキング化した。
(※各区間のタイム差ランキングで対象外となった4選手の所属大学(順天堂大学、東洋大学、東海大学、早稲田大学)は、9選手の平均ポイント)

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1.創価大学 15.2pt
2.東海大学 13.4 pt ※
3.帝京大学 12.9 pt
4.法政大学 12.4 pt
5.駒澤大学 12.2 pt
6.青山学院大学 12.0 pt
7.東京国際大学 11.9 pt
8.東洋大学 11.8 pt ※
9.國學院大学 11.1 pt
10.神奈川大学 10.8 pt
11.国士舘大学 10.5 pt
12.順天堂大学 10.4 pt ※
13.拓殖大学 10.0 pt
13.山梨学院大学 9.6 pt
15.城西大学 9.6 pt
16.専修大学 9.3 pt
17.日本体育大学 8.8 pt
18.早稲田大学 7.9 pt ※
19.中央大学 7.4 pt
20.明治大学 6.7 pt
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トップは総合2位の創価大学。タイム差ランキングで1位となった4区の嶋津雄大(3年)、5区の三上雄太(3年)をはじめ、3~9区の計7選手がトップ4入りを果たし、2位以下を大きく引き離した。いかに全員が自分たちの持っている力を精いっぱいに出し切ったかがよく分かる結果となった。残念ながら10区で逆転を許したものの、多くの人たちの胸に突き刺さる素晴らしい走りを見せたといえるだろう。

4位には総合17位の法政大学が入った。タイム差ランキングで1位となった選手こそいないものの、4区・清家陸(3年)が2位、5区・古海航(4年)、10区・中園慎太朗(2年)が3位、8区・糟谷勇輝(4年)が5位となっていた。残念ながら3年ぶりのシード権とはならなかったが、選手たちは自分の持つ力を精いっぱい出し切っていたことがよく分かる結果となった。

総合優勝の駒澤大学は5位に。前評判も高く、そもそも自己タイムが速かったことから今回のランキングでは5位になったが、実際に総合優勝を成し遂げることができたのは、その実力を存分に発揮した選手たちの頑張りに他ならない。タイム差ランキング1位の6区・花崎悠紀(3年)、8区・佃康平(3年)をはじめ、全ての選手に最大級の賛辞を贈りたい。

<了>