インディアンス、レッドソックスなどで活躍したマニー・ラミレス外野手(44)が8日(日本時間9日)、独立リーグ・四国アイランドリーグ(IL)plusの高知と契約合意に達した。メジャー555本塁打を誇る強打者は自ら日本でのプレーを希望。長期間の…

インディアンス、レッドソックスなどで活躍したマニー・ラミレス外野手(44)が8日(日本時間9日)、独立リーグ・四国アイランドリーグ(IL)plusの高知と契約合意に達した。メジャー555本塁打を誇る強打者は自ら日本でのプレーを希望。長期間の交渉を経てこの日、1年契約で合意に達した。メジャーを代表する超大物スラッガーとの交渉の舞台裏はどのようなものだったのか。現地で交渉にあたった高知の北古味鈴太郎オーナーに話を聞いた。

■“史上最強級”助っ人はなぜ四国IL高知に? 舞台裏と描く野望

 インディアンス、レッドソックスなどで活躍したマニー・ラミレス外野手(44)が8日(日本時間9日)、独立リーグ・四国アイランドリーグ(IL)plusの高知と契約合意に達した。メジャー555本塁打を誇る強打者は自ら日本でのプレーを希望。長期間の交渉を経てこの日、1年契約で合意に達した。メジャーを代表する超大物スラッガーとの交渉の舞台裏はどのようなものだったのか。現地で交渉にあたった高知の北古味鈴太郎オーナーに話を聞いた。

 今回、米フロリダでの交渉を行ったのは北古味オーナー、北古味潤副社長、そして同球団に所属するザック・コルビー内野手と通訳だった。昨秋、同球団がアメリカでトライアウトを行ったのをきっかけにラミレス側がその存在を知り、“逆オファー”してきたという。その後の交渉で大きな役割を担ったのがコルビーだった。この1か月弱の間、ラミレス本人や代理人とコルビーが電話でやり取りするようになり、交渉を継続。今回の話し合いにも加わったという。

 初の直接交渉となったこの日は現地のバッティングセンターで待ち合わせて交渉を実施。ラミレスが打撃練習をしながらの話し合いとなり、3~4時間に及んだという。

「彼自身もすごく野球をやる場所を探しているようでした。とにかくを野球がやりたいんだという印象を受けました。本当に野球少年のようで、最初は野球の話しかしませんでした。ここまで来てくれてありがとうと感謝されました」

■研究熱心な一面も、「駒田さんは打ち方を教えてくれるよね?」

 北古味オーナーはそう振り返る。本人は44歳になった今もプレーすることに多大な情熱を持っており、飽くなき向上心も伝わってきたという。

「彼はうちの20代の選手(コルビー)に、どうやって打ったらいいのか聞いていましたよ。『足を上げて打ちたいんだが、どう打てばいいと思う?』と。『駒田さん(駒田徳広・高知監督)は打ち方を教えてくれるよね?』とも真剣に聞いていました。日本の野球ではコーチなどが打ち方などを指導するということを分かってるみたいで、日本の野球文化について把握しているようでした。研究熱心な一面を垣間見ましたね」

 2011年を最後にメジャーの舞台から遠ざかったラミレスは13年に台湾リーグでプレー。翌年にカブスとマイナー契約を結んだが、その後、プレーからは遠ざかっていた。北古味オーナーによると、これまでとは「違う環境で野球に打ち込みたい」との思いがあったとのことで、和食を好むなど親日家であることも日本でのプレーを希望した理由の一つだったようだ。今回の入団ではフリアナ夫人ともに来日する予定で、本人は家族と日本に滞在しながらプレーすることを楽しみにしているという。

 契約条件については「オープンにしていない」(北古味オーナー)というが、契約期間は1年。ただ、その中で大きな目標がある。ラミレスが高知で活躍し、NPB球団へと羽ばたくことだ。

■北古味オーナー「本人に実際に会ってみてかなり練習しているという印象」

 四国ILの前期リーグが行われる予定の4月、5月で日本の野球に順応し、活躍すれば、NPB球団の注目も浴びる。オファーを受け、7月末までに選手登録が完了すれば、2017年シーズン中にNPBでプレーすることも可能だ。「本人ともそういう話をしています。まずは4月、5月で日本の野球に馴れて活躍してほしいですね」。北古味オーナーはそう語る。

 ラミレス自身は「すぐにでも日本に行きたい」との希望を持っているが、ビザなどの関係もあり、現時点で来日は3月になる予定。

「本人に実際に会ってみてかなり練習しているという印象を受けました。私たちとしても期待しています。優勝に向けて活躍してほしいし、そのための環境を整えたい。こちらとしても日本が好きになってもらえるようにがんばります」

 北古味オーナーはそう期待を込める。同オーナーらは現地9日(10日)にアメリカを経ち、帰国する予定。MLB通算2302試合の出場で打率.312、555本塁打、1831打点と好成績を収めてきたメジャー屈指のスラッガーはレッドソックスで世界一も経験しており、米野球殿堂入りも取り沙汰されている。その実績はこれまで来日した助っ人の中でも最強クラスと言っていい。超大物打者の復帰だけに日本だけでなく世界からも熱視線が送られるに違いない。