職人魂を持つボウブランドにとって重要なのは「本物である」ということ長い歴史を持…
職人魂を持つボウブランドにとって
重要なのは「本物である」ということ
長い歴史を持ち、それに付随した文化を持っている。イギリスというのは、興味深い国だ。
昨年、EUから離脱ということになったが、元々イギリス人は“ヨーロッパの一国だという意識が低い”傾向にあるのだという。さまざまな理由があってのことだが、四方を海に囲まれているという立地的側面もあるだろう。日本と同様、“島国”というのは、文化の交流がしにくい。その一方で、独自の文化を生み出す特徴もある。伝統を重んじるという文化というのも、両国の共通項と言えるだろう。
今回、ご紹介するのは「ボウブランド(BOW BRAND)」のオーバー・グリップテープである。
その前に、皆さんは「ボウブランド」がどんなブランドかをご存知だろうか? イギリスに拠点を置く100年以上という歴史を持つ伝統のストリング・ブランドである。ナチュラル・ガットやウィンブルドンでオフィシャル・ストリンギングを長年務めるなど、テニスの歴史も長いのだが、何より同社が知られているのは、ハープの弦(ストリング)のメーカーとして。業界では7割強というシェアを持つブランドである。
テニス用のナチュラル・ガットは、ハープの弦で培った技術を生かして作られている。まず素材は地元スコットランドの牛の腸で、屠殺してから24時間以内のものしか使用しない。さらに腸の中でも、良質の部分だけを使うため、16頭分の腸から1張しかできないのだという。製品の1本1本に熟練した職人の目が行き届き、それを手造りで行う。頑固な職人ゆえだろう。残念だが、現在は納得できる原材料が入手できないため、テニス用ストリングの製造は中止となっている。これだけこだわりを持って作られているからこそ、知る人ぞ知る“本物のナチュラル”だという認知されているわけだ。
技術・工夫に長けた日本の“職人”が
作り上げたオーバーグリップテープが
ボウブランドのお墨付きをもらう
話をオーバーグリップ・テープに戻そう。現在発売となってボウブランドのオーバーグリップ「BOW003」は、日本で企画され、日本で作られているというおもしろい背景を持っている。それの歴史は、1970年台後半にまで遡る。
若いプレーヤーにとっては、当たり前のギアであるオーバーグリップ・テープだが、初めからあったわけではない。今みたいに質の良いシンセティック・レザーもなかったため、いわゆる“元グリ”もレザーが当たり前。汗で滑るのを防ぐために、包帯のようなものを巻くプロやポケットに入れたオガクズを使うプロなんかもいた。
そんな中、1970年台後半にアメリカで“オーバー・グリップ・テープ”というものが発明された。当時はビヨン・ボルグ(スウェーデン)がウィンブルドン5連覇を果たしたテニスが特に熱かった時代。いち早く日本でも販売したのがアジアワースという会社だった。“FURREX (ファーレックス)”という製品をまず普及版として販売していくと、同社にいた大松氏は、「最高のものを作り、ボウブランドの名前を付けて売り出したい」と、日交加工材(当時)の清水氏に掛け合う。
"ボウブランド"の名はダテではない
冒頭でも紹介したとおり、ボウブランドはクラフトマンシップ(職人魂)を持つ会社。だからこそ、同社の承認を得るまでの過程は大変なものだったという。しかし、日交加工材もまた職人としての意地がある。そこから試行錯誤を始め、結果的に、当時最高級と言われていたデュポン社の不織布、最も温度差に強い最高級ウレタン塗料、接着性の強い純性樹脂を使ったものに行き着いた。そのウレタンの浸透時間を変えたり、温度を変えたりなど調節していき、数多の試作品を作った結果、ボウブランド側が10タイプのオーバーに合格を出した。それを日本のプロや学生にテストしてもらい、評価の高かった5つのものが市販されることに。1983年から、数年間、まず販売を続けると、実績や選手をはじめとする意見を集約して「No.3」こそが、日本人プレーヤーにとって最高のものだと判断。「BOW003」と銘打って発売に至っている。



トップ・オブ・トップと言っても過言ではない
ボウブランド「BOW003」
“本物”を味わってみてほしい
「グリップ性能、耐久性ともに段違いで良い」「滑りの良さと粘りを併せ持った不思議に絶妙なグリップ」「シーズンを通して使うことができる」「耐久性が高いので、実質コストは変わらない。コストパフォーマンスに優れている」「ウェット感が長く続くというのが最大の長所」「しっかり吸い付いてくれる」「グリップエンド部分もシワになりにくい」というのがエンドユーザーの声だ。0.7mmと少し厚めでムニッムニッという弾力感が長続きするというのが、一つの特徴だが、ウェットタイプながら吸汗性も高く、暑い夏場でも使用できるというのは、興味深いところだ。
尾﨑里紗(江崎グリコ)選手も「BOW003」愛用者だ
オーバーグリップ・テープは、もちろん世界各地で発売となっている。だが、その質にかけては日本製に勝るものはないという。そのトップ・オブ・トップと言うべきものが、「BOW003」である。というのも、製造工場は今では上場企業となり、企業理念から同じ質のものを他ブランドで作らないと決めているからだ。アメリカやヨーロッパに逆輸出を行っており、高い人気を誇っているというのも、うなずける話である。
ちなみに近年となって「ボウブランド」は、もう一つその名前を冠することを許可している。それが「BOWBRANDレザーグリップ(日本製・特殊技術加工品)」である。通常1回のなめしだが、同製品はグリップ本体に柔らかくジャストフィットする様に再度クロムなめしの工程を加え、表面にはディンプル加工を施している。滑りにくく、伸縮性もあり、耐久性も高いため、本物を愛するプレーヤーに高い評価を得ている。
“本物” を使う者だけが得られる使い心地。あなたもぜひ“本物”を味わってみてほしい。