3年ぶりの“V奪回の使者”として迎えられた陽岱鋼。果たして入団1年目から期待通りの活躍を見せられるか――。■重圧かかる伝統球団の重圧、陽岱鋼は期待に応えられるか FA権を行使して日本ハムから巨人に移籍した陽岱鋼外野手。新天地では、定まらなか…
3年ぶりの“V奪回の使者”として迎えられた陽岱鋼。果たして入団1年目から期待通りの活躍を見せられるか――。
■重圧かかる伝統球団の重圧、陽岱鋼は期待に応えられるか
FA権を行使して日本ハムから巨人に移籍した陽岱鋼外野手。新天地では、定まらなかったセンターのポジションを任されることが濃厚で、大きな期待が寄せられている。2013年には47盗塁で盗塁王のタイトルも獲得するなど脚力も武器で、1番打者としても機能するだろう。
高橋由伸監督は3番や5番などのクリーンアップを任せたい考えももっており、打順のどこに座るかで攻撃のリズムは変わってくる。昨年、首位打者を獲得した坂本勇人内野手とともに打線のキーマンとなりそうだ。
3年ぶりの“V奪回の使者”として迎えられた陽岱鋼。果たして入団1年目から期待通りの活躍を見せられるか――。
これまでも優勝請負人として巨人という伝統チームに加入した選手は多いが、プレッシャーに押しつぶされた者も多数存在する。今回は最近10年で加入した野手で、1年目に打率3割、2桁本塁打、そしてリーグ優勝を同時にクリアした選手を振り返ってみたい。
■前球団時代と変わらない活躍を見せた主砲は…
○谷佳知外野手
オリックスからトレードで2007年に加入。右へ左と打ち分けて、移籍1年目からリーグ3位の打率.318を記録。本塁打は10本も勝負強い場面でアーチを描き、初年度から優勝に貢献した。主に2番を任され、現監督の高橋由伸との1、2番で強烈なインパクトを残した。谷は巨人在籍7年間で5度(07、08、09、12、13年)のリーグ優勝に貢献している。
○小笠原道大内野手
今回の陽岱鋼と同様、日本ハムからFA移籍で加入。移籍した2007年は、2002年から遠ざかっていたリーグVに向け、優勝請負人として期待された。巨人1年目の2007年は打率.313で谷に続くリーグ4位。また31本塁打、88打点を記録し、移籍しても変わらぬ活躍を見せた。ストイックな姿勢も巨人には好影響を与え、早い時間から個人練習をするアーリーワークの意識を若手に植え付けていった。
○アレックス・ラミレス外野手
2007年オフにヤクルトを自由契約となり加入。移籍1年目の2008年は打率.319、45本塁打、125打点。最初は5番を務めていたが、シーズン途中から4番に入り、打点王に輝いた。セ・リーグのMVPにもなり、巨人の連覇に貢献。小笠原、ラミレスの3、4番は「オガラミ砲」と呼ばれ、相手球団の脅威となった。
■自身は活躍もリーグV逃した選手も
それ以前にも、2004年にダイエー(現ソフトバンク)から加入した小久保裕紀内野手(現WBC日本代表監督)が移籍1年目で打率.314、41本塁打をマーク。しかし、チームはリーグ優勝には届かず、3位に終わった。2006年にはロッテからアジアの大砲、イ・スンヨプがロッテから加入し、打率.323.41本塁打を放ったが、この時もリーグ優勝は逃している。こう見ていくと、巨人移籍1年目に打率3割、2桁本塁打、リーグ優勝の3つをクリアした選手は意外にも少ない。
陽岱鋼は1軍に定着した2007年以降、打率3割をマークしたことはないが、リーグ優勝は4度経験している。谷、小笠原、ラミレスらのような1年目の成績に並ぶのは高いハードルだが、フロント、監督が求めるのは、これまで通りのパフォーマンスを見せることだろう。
昨季のような成績(130試合、打率.293、14本塁打)で、チームの力となることが求められる29歳。日本ハム時代と同様の活躍を見せることができれば、巨人のリーグVの可能性は高まってくる。