新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、開幕延期が発表されたラグビートップリーグ。

昨シーズンは、W杯直後で大いなる盛り上がりが期待された中、新型コロナウイルスの影響によりシーズン途中で中止に。

今シーズンも複数チームでコロナウイルス感染者が発覚し、開幕が延期になるなど、先行きが不安な状況が続いている。

そんなラグビー界を明るく盛り上げるべく、元フジテレビアナウンサーでスポーツアンカーの田中大貴さんが様々なスポーツ選手・解説者等を迎えてトークを広げるYouTubeチャンネル「田中大貴のアスリートチャンネル」では、ゲストにラグビー元日本代表で現在はアメリカ・メジャーリーグラグビーにて活躍する畠山健介さん、トップリーグ・NECグリーンロケッツに所属する川村慎さんを迎え、日本ラグビー のプロ化やセカンドキャリア、さらには日本ラグビーが抱える様々な問題について、徹底解説した。

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ラグビープロ化への道


畠山さんと川村さんはトップリーグ選手会の新旧選手会長。畠山さんは、3期間選手会長を務めたのち、後任に川村さんを指名。その理由についてこう語った。

「誰が適任かという話になった時に、選手会の事務局の中でも代表クラスなど影響力のある人がいいのではという話も出ました。でも僕は、これからラグビー界をプロ化するにあたって、選手がどうなっていくのかということを協会とコミュニケーション取れる人が適任なのではと思いました。そうなった際に、選手会の立ち上げから携わり、経緯を把握しつつ協会ともコミュニケーションが取れるのは川村しかいないと思い、指名しました。」

そんな中、日本ラグビー は今シーズンを最後に、新リーグへの移行が予定されている。

その目的について、現選手会長の川村さんは、このように述べている。

「選手ではなく、まずはスタッフや経営陣など支える側が、今後事業化していくにあたり、プロになりましょう。そこから組織が事業化できるようになった上で、ゆっくり移行していき、最終的にはプロになった方がいいんじゃないかという考えです。」

これに対し畠山さんは

「アハ体験ですよね。気づいたら変わっていたみたいな。僕はそのアハ体験を待っていられない人間ですが・・・。
まあでも、そもそもプロ化って何っていう話なんですよ。選手が思っていることと、現場のスタッフ、ファンの方など、人によってその定義が少しずつずれているんですよね。そこをどういう風に見て、どう発表していくかが重要になってくると思います。そういった意味でいうと、まだまだ露出が少ないですよね。」

と、ユニークな例えを交え新リーグへの移行さらにはプロ化にについて言及した。

リーグに求められる「価値」とは

女子サッカー界やソフトボール界など、多くのスポーツがプロ化を目指すなか、2016年にはバスケットボール「B.LEAGUE」が設立され、日本のバスケ界は大きく変わった現状がある。それを踏まえ、チャンネルナビゲーターの田中は「ラグビーも早くプロ化した方がいいのでは?」と問いかけると、川村さんはこう答えた。

「個人的な意見としては、もちろんスピード感はあった方がいいと思います。ただ、全世界的に見ると、トップアスリートレベルでプレーしながら、ラグビーを辞めた後の人生がある程度選べる環境にあるということは、凄く恵まれているんですよ。いわゆる有名企業が集まっていて、辞めた後そこに入れるわけですから、それを捨てたくないなっていう選手は多いんですし、最初は社員選手で入りたいですっていう学生さんも多いんですよね。ただ、そうじゃない人もいる中で、どう舵をきっていくか。協会と企業の方々との意見としては、そういう人がいるなら、手助けしながら一緒に盛り上げていけばいいんじゃないという感じなんですよね。」

よりそのスポーツを発展させていくためにはプロ化が大きな近道となるが、一方で、田中は「プロになると、選手を切らなければいけない状況になる」と言及。

これに対し畠山さんは、こう述べている。

「僕はリーグ主導である程度その辺を指導していくべきだと思います。もちろん決定するのは選手なので、リーグとしてちゃんと責任をシステムとして導入すればいいのではと思います。MLBの年金制度まではかなりフェーズはかかりますが、現役時代に選手にお金をしこたまあげて、その使い方まで指導しないと自己破産する選手が出てきちゃうんです。引退したあとは私たち知りませんよという態度をとってしまうと長い目で見た時にその競技の価値を損ねちゃうと思います。現役の時は輝いているけど引退したあと自己破産してるじゃんとなると結局競技の価値を損ねちゃう。そのためにもリーグ側がセミナーを開いて指導するなどすればいいと思います。
よくセカンドキャリアって言いますけど、僕はセカンドの前にファーストキャリアでしこたまお金がもらえるリーグじゃないといけないと思っています。」

さらに畠山さんはこう述べた上で、リーグが持つ価値についてこのように語っている。

「競技をやっている以上怪我もしますし、そりゃあ体も痛いですよ。それで現役中に全然お金がもらえないんだったらサラリーマンしといた方がいいよなって普通考えればわかるんですよ。じゃあなんでラグビーをやるかというと、ラグビーを頑張ったらもしかするとそれ以上のお金がもらえたり。もしかしたら自分がやりたいことの実現が近づくからという価値をリーグが生み出さないといけないと思います。」

W杯にとどまらず、さらにラグビー旋風を巻き起こすことができるか。

ジャパンラグビーの今後に注目していきたい。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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