今オフFA市場の目玉の1人とされていたエドウィン・エンカーナシオン内野手が、昨季のリーグ覇者インディアンスを3年契約を結んだ。4年目にはチームが選択権を持つオプションが付き、オプションが行使されない場合に補償される500万ドル(約5億850…

今オフFA市場の目玉の1人とされていたエドウィン・エンカーナシオン内野手が、昨季のリーグ覇者インディアンスを3年契約を結んだ。4年目にはチームが選択権を持つオプションが付き、オプションが行使されない場合に補償される500万ドル(約5億8500万円)のバイアウトを含めると、契約の総額は6000万ドル(約70億2100万円)に上るという。だが、米スポーツサイト「ファンラグスポーツ」のジョン・ヘイマン記者によると、この契約には面白い条件で発生するボーナスがついているという。

■深刻な入場者減に悩むインディアンスが画期的な契約を提案

 今オフFA市場の目玉の1人とされていたエドウィン・エンカーナシオン内野手が、昨季のリーグ覇者インディアンスを3年契約を結んだ。4年目にはチームが選択権を持つオプションが付き、オプションが行使されない場合に補償される500万ドル(約5億8500万円)のバイアウトを含めると、契約の総額は6000万ドル(約70億2100万円)に上るという。だが、米スポーツサイト「ファンラグスポーツ」のジョン・ヘイマン記者によると、この契約には面白い条件で発生するボーナスがついているという。

 3年総額6000万ドル。一見すると、よくある大型契約に見えるが、実は興味深いボーナスが付いていた。ヘイマン記者は「エンカーナシオンはインディアンス本拠地観客動員が200万を超えるとボーナスがもらえる。観客動員ボーナスは毎年100万ドル(約1億1700万円)」とツイート。昨季ア・リーグ打点王にはチームの勝利の他に、観客動員数アップの期待がかけられていることを明かした。

 米スポーツ専門局「CBSスポーツ」公式サイトによれば、エンカーナシオンは500万ドルの契約ボーナスに加え、今季1300万ドル(約15億2100万円)、18年は1700万ドル(約19億9000万円)、19年は2000万ドル(約23億4000万円)を手に入れる。だが、本拠地での観客動員が200万人に達すれば、毎年100万ドルずつ上積みされるというわけだ。

■すでにシーズンチケットは売り上げ好調

 インディアンスにとって、観客動員は大きな課題だ。記事によれば、リーグ優勝を果たした昨季でも、本拠地での観客動員数は159万1667人でメジャー30球団中28位。だが、2012年の約160万人(30球団中29位)以降、2015年まで動員数は右肩下がりで、29位と30位を行ったり来たりの状態が続いていた。最後に200万人を超えたのは2008年のこと。近年は球場に閑古鳥が鳴く状況が続いていた。

 そこで期待されるのが、大砲エンカーナシオンの集客力だ。エンカーナシオンは2012年から5年連続で34本塁打以上を記録。同期間では、2014年こそ98打点だったが、残り4年は100打点を超えている。持ち前のパワーを生かした豪快なホームランが魅力で、最近のインディアンスにはいなかったタイプの打者だ。チームはその破壊力ある打撃に、打線を牽引することはもちろん、ファンを魅了することも期待しているというわけだ。

 ボーナスが手に入るかもしれない兆候は、早速現れているようだ。地元紙「クリーブランド・プレインディーラー」電子版によれば、すでにシーズンチケット購入の電話が殺到しているという。エンカーナシオンとの契約合意のニュースが広まったのが昨年12月22日の夜。球団は翌23日はクリスマス休暇にする予定だったが、一報が伝わった後で問い合わせの電話が相次ぎ、急遽休みを返上してチケットオフィスを開けたところ、1日で約200組のシーズンチケットが売れたそうだ。

 観客動員が増えれば、チームはもちろんエンカーナシオンも恵比寿顔。果たして200万人という大台を突破できるのか。すべては新主砲の打撃に掛かっていると言えそうだ。