今オフにレンジャーズからフリーエージェント(FA)となる見通しのダルビッシュ有投手。FAとなれば争奪戦となる可能性が高いだけに、その前段階で球団側がどのような引き留め策を見せるのかが注目されている。そんな中、地元記者が球団側の今後の動きを予…
今オフにレンジャーズからフリーエージェント(FA)となる見通しのダルビッシュ有投手。FAとなれば争奪戦となる可能性が高いだけに、その前段階で球団側がどのような引き留め策を見せるのかが注目されている。そんな中、地元記者が球団側の今後の動きを予測。「(レンジャーズは)30歳の投手に無茶はしない」と長期に及ぶ大型契約に否定的な見解を示している。
■ダルビッシュの引き留めに米記者が一転否定的な見解
今オフにレンジャーズからフリーエージェント(FA)となる見通しのダルビッシュ有投手。FAとなれば争奪戦となる可能性が高いだけに、その前段階で球団側がどのような引き留め策を見せるのかが注目されている。日本ハムからポスティングを経て渡米した際には6年総額5600万ドル(約65億円)で契約。米メディアの間では次の契約について年俸3000万ドル(約35億円)規模となる予測も出ている。そんな中、地元記者が球団側の今後の動きを予測。「(レンジャーズは)30歳の投手に無茶はしない」と長期に及ぶ大型契約に否定的な見解を示している。
そのような分析を掲載したのはレンジャーズの地元紙「ダラス・モーニング・ニュース」電子版。レンジャーズの番記者を務めるエバン・グラント氏が読者の質問に回答する形式で特集を組んだ。その中で寄せられた質問が、「今季で6年契約が満了するダルビッシュをレンジャースは失ってしまうのでは? 球団は彼を引き戻すオファーを出すと思うか」というもの。これに関して、グラント記者は以下のように回答している。
「彼は最低、5年契約で年俸3000万ドルの価値がある。レンジャーズは30歳の投手にそんな金額をコミットするほどの無茶はしない。むしろ、彼らはもっと若いショウヘイ・オオタニの獲得に力を注ぐのではと私は考えている」
同記者は昨年10月に行われた専門家による対談企画の中で「この球団(レンジャーズ)はここ数年で投手の有望株をトレードに出しており、現在ローテーション上位に近いうちに食い込んでくる候補はいない。だから、向こう3年、4年間のことを考えれば、チャンスのあるダルビッシュがベストの選択肢となるはず」と言及。右腕との契約延長がレンジャーズの最優先事項となると指摘していた。さらにその後の特集記事でも、右腕の引き留めに要する資金として「6年、2億ドル(約234億円)近くになるだろうと思っている」と予測し、先手を打って交渉をすれば、契約延長は可能との見解を示していた。
■実力はメジャー屈指、「今年サイ・ヤング賞争いを演じるだろう」
しかし新年を迎えたタイミングでは一転、レンジャーズがダルビッシュに巨額の条件を投じることに否定的な見方を示し、むしろ、将来的なメジャー移籍の可能性が持ち上がっている大谷翔平投手(日本ハム)に資金を投入すると予測。また、「レンジャーズが新たな選手に1億5000万ドル以上を投資する意思があるように思えない」との考えも示しており、その理由として過去、秋信守やプリンス・フィルダーとの大型契約が奏功しなかったことに触れている。
ただ、同記者はダルビッシュの実力がメジャー屈指であることを認めており、「ダルビッシュが次の契約期間でメジャー最高の投手になるかわからないが、今年も含めて、少なくともその1人となると私は確信している。彼は今年サイ・ヤング賞争いを演じるだろう。レンジャーズが開幕までに契約延長しなければ、彼はFAとなり、クレイジーな移籍市場の中心に位置することになる」との見解も示している。
日本人右腕は2012年の入団以降、トミー・ジョン手術で長期離脱も経験したが、3シーズンで2桁勝利を挙げ、2013年には奪三振王(277奪三振)、サイ・ヤング賞投票2位と躍進。登板しなかった15年を除く4シーズンで計100試合に先発、645回2/3を投げ、46勝30敗、812奪三振、防御率3.29の成績を収めてきた。手術から復帰2年目の今季はさらなる飛躍が期待されている。メジャーで注目を浴びる30歳に対し、レンジャーズがどのような動きを見せるのか。今後の動向から目が離せない。