幌付き旧車オーナーの悩みのひとつに「駐車時の幌カバーがない」がある。ディーラーの在庫パーツもすでに“品切れ”で、サードパーティ製を探してもない。既存の自動車カバーもピッタリ合うものがない……。そこで3年前から自作を試みた。自作する前に決めて…
幌付き旧車オーナーの悩みのひとつに「駐車時の幌カバーがない」がある。ディーラーの在庫パーツもすでに“品切れ”で、サードパーティ製を探してもない。既存の自動車カバーもピッタリ合うものがない……。そこで3年前から自作を試みた。
自作する前に決めていたのは、「どこのホームセンターでも売ってる素材で、安価であること」「自宅のミシンで(家族が)つくれること」の2点。テント用などの丈夫な素材もあるけど、高いうえに、ミシンで縫えないというハードルがあったので、候補から外れた。
そんな条件のもと、どこまでもセコい中年記者が注目したのは、ブルーシート。ホームセンターに行くと、ブルーシートの陳列棚には、おなじみのブルーから、ホワイト、ブラックといろいろある。2015年、「黒い幌にマッチする」という小学生レベルの発想から、2度めの製作時に黒いシートを購入し、春から雨季を経て夏まで使用したところ、思わぬ事態に遭遇した。
千葉県の海辺という気象条件からか、潮と紫外線に負けて、シートが1年も持たなかった。秋には黒いインクがハゲ落ち、粉状になってボディに付着、おまけに強風と乾燥がいっぺんにやってきた日には、幌とシートの摩擦で静電気が発生し、シートを外したときにバチッとくる。乗り込むときにそのバチッだけでテンションが下がってしまうという始末。
そこで昨年、ホームセンターで見つけたのが、ブルーシートの棚で見つけた「UVシート」。一般的なブルーシートよりも若干、厚さがあるが、自宅にあるJUKI製の業務用ミシンで縫える程度。1.8メートル四方のサイズで、値段は千円前後。
シートのほかに用意するものは、3センチ幅ほどのゴムと、1センチ幅前後の布ヒモ。ゴムは捨てるパンツなどにつくもの、布ヒモは紙袋につくものを流用してもいい。
ミシンで加工するさいは、屋根の形状にあわせて台形をつくっていく。四隅にマチをつくり、縫い付けていく。マチをつけたさいに四隅に飛び出た余りは、ハサミでカットする。
次に、先ほど上げたゴムとヒモをつける。ゴムは、ドアミラーに引っ掛けるため、ヒモはドアヒンジに引っ掛けるためのもの。ドアミラーとドアヒンジの位置にゴムとヒモを縫い付けていく。取り付けるときは、ドアミラーにゴムを通したあと、ドアをロックさせてヒンジにヒモを引っ掛けるという具合。
もともと、ブルーシートには、ロープで固定するための穴が空いていて、その穴に金具が付いている。この金具がボディやガラスを痛めてしまうから、これをすべて外してしまおう。
素材をUVシートに変えて1年間、持ちこたえた。厚みがあるぶん、たたんでトランクにしまい込むときに、工夫と思いやりが要るが、紫外線に負けないこと、はがれた塗装粉が散らないこと、静電気があまり発生しないことを実感した。が、いずれにしても、乗るときにいちいち四隅のゴムとヒモをはずして、たたんで、やっとドライバーズシートに着くという動きは、この時代、カッコ悪いんだけど。
ポンコツ記者、ポンコツオープンカーの幌カバーを自作…3年間で3度《撮影 大野雅人(Gazin Airlines)》
ポンコツ記者、ポンコツオープンカーの幌カバーを自作…3年間で3度《撮影 大野雅人(Gazin Airlines)》
ポンコツ記者、ポンコツオープンカーの幌カバーを自作…3年間で3度《撮影 大野雅人(Gazin Airlines)》
ポンコツ記者、ポンコツオープンカーの幌カバーを自作…3年間で3度《撮影 大野雅人(Gazin Airlines)》