南米大陸南端ケープホーンを回航し、最終の大西洋レグに入った世界一周ヴァンデ・グローブ。トップグループはフィニッシュまで6000マイルを切り、順調のように見えますが、選手たちはトラブルと戦っています。(BHM編集部)

フィガロの経験を生かしてヴァンデ・グローブ初出場を果たしたイザベル・ヨシュカ(仏・独、43歳)。出場する6名の女性スキッパーのひとりでトップグループ(女子1位)で戦っていました。写真は1月5日にケープホーンを通過したイザベル・ヨシュカ選手

 1月9日、イザベル・ヨシュカ〈MACSF〉のキール油圧システムの故障(シリンダー破損)からボート制御が不能に。30から35ノットの荒れた海のなかメインセールをおろして避航しています。

 ヴァンデ・グローブで使用される60フィート艇(IMOCA)は可動式のカンティングキールが設置されています。巨大なセールからくるパワーをたった一人で抑え込んで走らせられるのは、カンティングキール、ダガーボード、ラダーといった水面下のボードでバランス(揚力)を保っているからです。

〈MACSF〉は2007年に進水したVerdier – VPLP製の第2世代IMOCA(旧名:Quéguiner、Safran)で、本大会のためにハイドロフォイルを追加するなど改造してヴァンデ・グローブに挑戦しています

 イザベル・ヨシュカ〈MACSF〉は、キールの故障によりパワーバランスを保てなくなり走行はむずかしい状態となっています。現在アルゼンチン沖の〈MACSF〉は低気圧を避けるため進路を北東へ向けて走らせています。

 〈MACSF〉は1月3日にキールの油圧シリンダーロッドが外れたため、カンティング(左右に移動させる)することができなくなりました。応急処置として垂直に固定させるロッドを取り付けましたが、このロッドが破損して船は不安定な状態にあります。

 〈MACSF〉のレース続行は不可能で、大会組織委員会はイザベル・ヨシュカの安全を最優先に、彼女ができるだけ早く港に到着できるようにサポートしています。