オーストラリア・ブリスベンで開催されている 「ブリスベン国際」(WTAプレミア/1月1~7日/賞金総額100万ドル/ハードコート)の女子シングルス2回戦で、第1シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)はプレーした3セットの間、世界1位…

 オーストラリア・ブリスベンで開催されている 「ブリスベン国際」(WTAプレミア/1月1~7日/賞金総額100万ドル/ハードコート)の女子シングルス2回戦で、第1シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)はプレーした3セットの間、世界1位らしく相手を圧倒した。

 相手は、2011年ウィンブルドン・ジュニアチャンピオンで、ワイルドカード(主催者推薦)で出場したアシュリー・バーティ(オーストラリア)。20歳のバーティの果敢なプレーの前に、ケルバーは一時、自らのサービスの不調に苦しめられたが乗り越えた。バーティは2014年の全米オープンを最後に、クリケット選手としてのキャリアを追求するため、2年近くテニスから離れ、昨年5月のITF大会から復帰した。

 ケルバーは5本目のサービスエースで、この試合を6-3 2-6 6-3で締めくくった。

 ケルバーの準々決勝の相手は第6シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)だ。スビトリーナは2016年にふたりのナンバーワン・プレーヤー(ケルバーとセレナ・ウイリアムズ)を倒した唯一のプレーヤーとして知られる。

 「オーストラリアに戻って来ることができて、すごくうれしいわ。ここは昨年私がブレークを果たした場所だから」とケルバー。

 「気分はいい。ここには昨年の経験からくる素晴らしい思い出があるから。もちろん今の状況は12ヵ月前とはまったく違っているけれど、ここに来て、ここで試合を始めるというのはいいものだわ。2016年とは違った年になると思うけど、準備はできていると感じている」

 前回、ブリスベンに来て以来、12ヵ月の間に、ケルバーは2つのグランドスラム・タイトルを獲得し、セレナから世界ナンバーワンの座を奪い取った。  昨年、この大会で決勝に進出し、“ブレークのシーズン”を始めたケルバーは、全豪オープンと全米オープンで優勝。リオ・オリンピックとウィンブルドンで決勝に進出した。そのケルバーのこの日の試合は、これまでのようにすべてがスムーズに進んだわけではない。彼女は第1セットで3つのブレークポイントをしのいだが、第2セットでは5度のダブルフォールトをおかし、バーティに2度ブレークされてセットを奪われることになった。

 ケルバーは第3セットでリズムを取り戻してエラーを減らし、同時にバーティの挑戦のほうも、やや燃料切れとなった。

 一方、今大会を湧かせていた16歳のデスタニー・アイアバ(オーストラリア)は、WTAツアーの本戦で勝利を挙げた初の2000年代生まれのプレーヤーとなった翌日、2回戦を戦い、グランドスラム優勝歴2回のスベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)に4-6 3-6で敗れた。

 「多くを学んだわ」とアイアバ。「私はこの世界に属しているのだと実感し、自分のテニスと自分自身に自信を得たと思う」と言い添えた。

 アイアバは故郷のメルボルンに戻り、そこで来週行われる彼女にとって最初のグランドスラム出場の準備をするために、エキシビションに出場する予定だ。彼女は全豪オープンにワイルドカード(主催者推薦)で出場することになっており、そこでもやはり、グランドスラムの本戦に出場した最初の2000年代生まれのプレーヤーとなることが予期されている。

 第5シードのクズネツォワは準々決勝で、全仏覇者で第4シードのガルビネ・ムグルッサ(スペイン)と対戦する。

 第2シードのドミニカ・チブルコバ(スロバキア)は、昨年末のWTAファイナルズ優勝以来、初の公式戦となる2回戦を戦い、第1セットを落としたあと、第2セットではワンブレークを許しながらも挽回してジャン・シューアイ(中国)を2-6 6-4 6-4で倒した。

 チブルコバの準々決勝の相手は、クリスティーナ・マクヘイル(アメリカ)を6-2 6-1で破って勝ち上がったアリゼ・コルネ(フランス)だ。(C)AP(テニスマガジン)