ATP(男子プロテニス協会)が、試合における勝者と敗者のフォアハンドとバックハンドの割合を分析。その結果、試合に勝利するためには、よりフォアハンドでラリーを組み立てる意思を持たないといけないと…

ATP(男子プロテニス協会)が、試合における勝者と敗者のフォアハンドとバックハンドの割合を分析。その結果、試合に勝利するためには、よりフォアハンドでラリーを組み立てる意思を持たないといけないとしている。【実際の動画】ティームがフォアハンドでフェデラーを撃破!

ATPは2019年「ATP1000 インディアンウェルズ」以降の試合を分析。その結果、平均して敗者がフォアハンドで打つ割合は54%だったが、勝者は57%と3%の差があったという。

3%というとわずかな差にも見えるが、プロのテニスの試合はわずかな差が結果に反映され、総獲得ポイントの差が10ポイント以内ということも少なくない。バックハンドと比べるとフォアハンドの方が力強く速いボールが打てるが、改めてできるだけフォアハンドで攻撃することの重要性が数字に表れた。

またATPはよりフォアハンドで打とうとしている選手の例としてドミニク・ティーム(オーストリア)を挙げている。ティームは2019年「ATP1000 インディアンウェルズ」決勝で、ロジャー・フェデラー(スイス)を3-6、6-3、7-5で破り、初のマスターズ1000優勝を果たした。

この試合、フェデラーはフォアハンドの割合が51%だったのに対し、ティームは64%を記録したという。特に第3セットではティームは67%の割合でフォアハンドで打っていた。

また同大会の4回戦、6-4、6-3で勝利したイボ・カルロビッチ(クロアチア)との対戦では、ティームのフォアハンドの割合は驚異の91%に達していた。

2020年に「全米オープン」でグランドスラム22大会ぶりの王者となったティームの強さの一つが、フォアハンドで打つ意識の高さにあると言えるだろう。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2020年「全米オープン」でのティーム

(Photo by Matthew Stockman/Getty Images)