3月に開催される第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、メジャーリーガーの参加不参加が続々と報じられているが、今度はジャイアンツのエース左腕マディソン・バムガーナー投手が大会途中に参戦する可能性がリポートされている。■米…

3月に開催される第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、メジャーリーガーの参加不参加が続々と報じられているが、今度はジャイアンツのエース左腕マディソン・バムガーナー投手が大会途中に参戦する可能性がリポートされている。

■米国代表が代理人に途中出場の検討を打診と米報道

 3月に開催される第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、メジャーリーガーの参加不参加が続々と報じられているが、今度はジャイアンツのエース左腕マディソン・バムガーナー投手が大会途中に参戦する可能性がリポートされている。MLB.comのジョン・モロシ記者が「米国代表チームがマディソン・バムガーナーの代理人に接触し、第1ラウンド終了後にWBCロースターに加われないか打診」とツイートし、関係者の話として伝えている。

 4回目を迎えるWBCは、今大会から規定を変更。これまで故障者が出た時のみロースターの入れ替えが可能だったが、今回からは大会の会期中にロースター変更することが許可されることになった。6年連続2桁勝利、3年連続15勝以上、4年連続防御率2点台を記録するバムガーバーは、誰もが認めるメジャー屈指の左腕。アメリカ代表入りにも当然相応しい人物だが、懸念されていたのが6年連続で記録した投球回200イニング以上という働きぶり。昨季はリーグ最多34試合に先発し、4試合で完投しているだけに、WBC参戦で余計な負担を掛けたくないというのが、チームや代理人の本音だ。だが、WBC途中参加となれば、負担は軽減されるだけに、検討の余地は十分にある。

 これと同じ規定を日本が利用すれば、日本人メジャーリーガーの出場する可能性も広がってくる。現時点では、カブス上原浩治投手が球団の意向により出場を辞退。今季からアストロズでプレーする青木宣親外野手は、すでに先行発表された19人の侍ジャパン・メンバーに入っている。その他、岩隈久志投手(マリナーズ)、ダルビッシュ有投手(レンジャーズ)、田中将大投手(ヤンキース)、前田健太投手(ドジャース)、田澤純一投手(マーリンズ)、イチロー外野手(マーリンズ)、川崎宗則内野手(カブスFA)のWBC参加については決断が明らかにされていない。だが、トミー・ジョン手術から復帰2年目を迎えるダルビッシュに関しては、レンジャーズが出場させたくない選手リストに入れたと報じられている。

■新規定の利用でチームや代理人が懸念する“酷使”を回避

 WBCで国を代表して戦うことは大きな名誉。条件さえクリアになれば、誰しもが侍ジャパンの一員として闘ってみたいと思うはずだ。だが、今季エースとして先発陣を牽引することが期待される田中は、シーズン終了後に契約を破棄できるオプトアウトの権利を持っていたり、メジャー初年度は先発ローテを守り抜く大車輪の活躍だった前田には、メジャー2年目という未知の世界が待ち受けていたり、と、それぞれ理由は違えど、球団や代理人が選手をレギュラーシーズンに集中させたい理由がある。

 球団や代理人が懸念するのは、短期間の大会で選手が酷使されることだが、途中参加の規定を利用すれば、その心配はない。また、WBC期間中は例年オープン戦の時期にあたるため、もし決勝ラウンドからの参加となれば、直前まで所蔵球団での調整が可能で、チームも選手の仕上がり具合を把握できるだけに、出場に向けてのハードルはグッと低くなるだろう。

 バムガーナーが利用する可能性のある途中出場の規定があれば、侍ジャパンに限らず、他の代表チームにもさらに力強いメンバーが名を連ねるかもしれない。各出場チームがどういった形で利用してくるのか、注目が集まりそうだ。