ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、試合中にあまり観衆の応援を得られない…
ノバク・ジョコビッチ(セルビア)は、試合中にあまり観衆の応援を得られない。そんな彼がロジャー・フェデラー(スイス)のような人気選手と対戦する時にいつも直面してきた問題を避けるためには、アンディ・マレー(イギリス)の真似をして「キャラを演じる」ように、との助言が飛び出した。英Express紙が報じている。【動画】観客の声援がすごいジョコビッチvsフェデラー2019年ウインブルドン決勝ハイライト
フェデラーやマレー、そしてラファエル・ナダル(スペイン)に怪我や年齢による陰りが見える中で、世界ランキング1位のジョコビッチは大きな成功を収めている。にもかかわらず、コートでブーイングを受けるのはいつものことだ。2019年の「ウィンブルドン」決勝で対戦したフェデラーが常に観衆の大きな声援を受けるようなことは、ジョコビッチにとって苦しい状況になりかねない。
この問題への一つの処方箋として、ジョコビッチはコート上でもっと人柄を見せるべきだと、元世界ランキング6位のジル・シモン(フランス)は考えている。なぜなら、ジョコビッチのプレースタイルは決して刺激的とは言えないからだ。
シモンは、フェデラーへの称賛は素晴らしいと思っていると認めた上で、選手たちが皆テニスに多くを捧げてきたことを思えば、他の選手も同じような敬意で迎えられるべきだと考えている。
「みんなにフェデラーの素晴らしさを売り込むのは構わないよ。彼はたくさんの意味で称賛に値するからね。でも、ノバク・ジョコビッチのような人物だって称賛に値する。彼については、フェデラーとは別の選手なのだということを特に意識しておくべきだろう。ロジャーに史上最も偉大な選手であって欲しいと誰もが望んでいる。なぜなら、観客はまずプレーを見て選手を好きになるからだ。それから、そのイメージを選手の人柄に投影する。フェデラーの場合、すべてがぴったりはまる。ジョコの場合はそうはいかない。彼のプレーは人に夢を見させる類のものではないからね」
「だから彼は苦労している。フェデラーとの“ウィンブルドン”決勝で観客全体が彼の敵になったみたいにね。彼にとっては辛い状況のはずだ。たぶん、彼は彼のキャラを徹底的に演じるべきだったんじゃないかな。アンディ・マレーが自己犠牲という面でそうしたようにね。それが痛みを伴うものだとしても、絶対に消えないものに太刀打ちするにはそれしかなかったんじゃないかな。ジョコビッチの場合は、“俺の見栄えのしないテニスで全員打ち負かす。以上”みたいな、いけ好かない役回りを引き受けていれば逆に人気が出たかもね」
(テニスデイリー編集部)
※写真は「ATP1000 ウェスタン&サザンオープン」大会前練習時のジョコビッチ
(Photo by Peter Staples/ATP Tour via Getty Images)