SP採点に不満だったプルシェンコ氏「最大限をやりました」 フィギュアスケートのロシア選手権は26日、女子フリーが行われ、アンナ・シェルバコワが合計264.10点をマークし、大会3連覇を達成した。一方、アレクサンドラ・トルソワは合計246.3…

SP採点に不満だったプルシェンコ氏「最大限をやりました」

 フィギュアスケートのロシア選手権は26日、女子フリーが行われ、アンナ・シェルバコワが合計264.10点をマークし、大会3連覇を達成した。一方、アレクサンドラ・トルソワは合計246.37点で3位となったが、4回転を2度決めた教え子にコーチのエフゲニー・プルシェンコ氏(いずれもロシア)は「君は昨日、誰にも負けなかった! 私たちは誰にも負けなかった!」などとSNSで称賛を送っている。

 トルソワはノーミスながらショートプログラム(SP)は4位発進。納得のいかないプルシェンコ氏はキス・アンド・クライで“ブーイングポーズ”を見せていた。逆転を狙ったフリーで、トルソワは冒頭の4回転ルッツ―3回転トウループの連続ジャンプを鮮やかに決め、続けてタノでの4回転ルッツも着氷。見事な滑りで会場を魅了した。演技後はプルシェンコ氏から笑顔で迎えられ、ハグをかわしていた。

 最終順位は3位だったものの、プルシェンコ氏はトルソワに最大限の称賛を送っている。自身のインスタグラムにトルソワの演技動画を公開。文面には「2つのクリーンで感情的な滑りを見せてくれた自分のチームのスケーター、アレクサンドラ・トルソワにとてもありがとうと言いたいです!」と記し、こう続けている。

「ケガにもかかわらず、サーシャは欠場せず、注射を打って滑り、今日自分ができる最大限をやりました。私はひとつ知っています、君は、その自分の力と強い意志、そして新しいものを学ぼうとする願望とともに、私たちのフィギュアスケートの世界で最も高い頂点を勝ち取る、ということを!」

タラソワ氏らの名前を出して激励「戦いは始まったばかり!」

 ロシアメディア「championat.com」によると、トルソワはフリーの演技後に国営放送の中継で「クリーンに滑れたことには満足していますが、いずれにせよこれは自分の一番ミニマムです。いくつかの理由でルッツ以外の4回転ジャンプを跳べません」と語っていたという。健康状態が万全ではなかったにも関わらず、素晴らしい演技を見せた16歳に、プルシェンコ氏はこうもつづっている。

「偉大なタチアナ・タラソワ氏をはじめ、多くのコーチやプロフェッショナル、技術的なスペシャリスト、ジャッジが正しく言ったように――君は昨日、誰にも負けなかった! 私たちは誰にも負けなかった! スポーツにおける競争の人生――それは長い距離における競争です! 戦いは始まったばかりです!」

 ロシアの重鎮タチアナ・タラソワ氏らの名前を出し、励ましの言葉をつづっているプルシェンコ氏。実力を発揮しきれたとは言えないようだが、トルソワの懸命の演技はコーチの胸を打ったようだ。(THE ANSWER編集部)