ライバル国メディアが特集「キヒラは唯一無二のチャンピオンに」 フィギュアスケートの全日本選手権は27日、長野・ビッグハットで女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位だった紀平梨花(トヨタ自動車)が154.90点、計234.24点を…

ライバル国メディアが特集「キヒラは唯一無二のチャンピオンに」

 フィギュアスケートの全日本選手権は27日、長野・ビッグハットで女子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)首位だった紀平梨花(トヨタ自動車)が154.90点、計234.24点をマークし、2度目の優勝を連覇で飾った。安藤美姫以来17年ぶりとなる日本女子2人目の4回転ジャンプに成功した18歳にフィギュア大国ロシアメディアも注目。ロシア選手権で3連覇を飾ったシェルバコワのライバルになると注目している。

 3回転アクセルに続き、4回転サルコーという新たな武器を手にした紀平。代表に内定した世界選手権(スウェーデン)でもメダル候補として脚光を浴びている。

 キラ星のごとく新星が登場するロシアとっても、紀平の存在は脅威のようだ。ロシアメディア「sportsdaily.ru」では「キヒラ――2021年世界選手権におけるシェルバコワの主要なライバル」と題した記事で特集を組んでいる。

「彼女は唯一無二の達成とともに日本のチャンピオンになった」。こんな書き出しで始まった特集では、ロシア選手権と同じタイミングで行われていた、全日本選手権の結果にも注目していた。

「同じ期間に2つの重要なフィギュアスケートの国の選手権が行われた。一番強いスケーターがロシアだけではなく、日本でも決定した」とし、過去10年世界選手権の女子シングルで両国がいかに多くのメダルを獲得したかに触れている。

1位ロシア(9個、金4、銀2、銅3)
2位日本(8個、金3、銀2、銅3)

4回転ジャンプ習得は「シェルバコワに戦いをしかけるための申請書だ」

 こうしたデータを紹介。そして「2021年の全日本選手権の女子シングルの覇者にリカ・キヒラがなった。18歳の彼女にとってこれは2年連続の優勝である。そして“たった”2つ目のチャンピオンの称号とは言わないだろう。サトコ・ミヤハラ、カオリ・サカモト、ワカバ・ヒグチ――日本における競争のレベルは、もしロシアの現実に劣るとしても、ほんの少しだ。だから余計に今回の勝利はキヒラにとってより貴重なもので、新年の本当のプレゼントである」と日本の現状を考慮しつつ、紀平の優勝の価値に触れている。

 さらに続けて、「キヒラは自身のキャリアにおいて初めて大会で4回転ジャンプを成功させた! もしキヒラが以前は、トリプルアクセルを素晴らしく跳ぶことによって勝利を得るスケーター、エリザベータ・トゥクタミシェワの日本バージョンだったとしたら、今はその彼女の武器にさらに4回転サルコーが加わったことになる。そしてこれはすでに2021年の世界選手権でシェルバコワに戦いをしかけるための申請書だ。シェルバコワとキヒラはその国のチャンピオンとして世界選手権に実際に出場する」とシェルバコワ×紀平のバトルにスポットを浴びせている。

 新たな武器を手にした日本の女王との対決に、フィギュア大国メディアもイメージを膨らませているようだ。(THE ANSWER編集部)