日本の正月の風物詩「箱根駅伝」は青山学院大の3連覇という偉業で終幕したが、区間を設定してタスキをつなぐかのようにゴールを目指すという意味では、とても似ている国際競技がある。自転車レースの「ツール・ド・フランス」であり、現在開催中の「ダカール…
日本の正月の風物詩「箱根駅伝」は青山学院大の3連覇という偉業で終幕したが、区間を設定してタスキをつなぐかのようにゴールを目指すという意味では、とても似ている国際競技がある。自転車レースの「ツール・ド・フランス」であり、現在開催中の「ダカールラリー」だ。
1日ごとに「エタップ」と呼ばれる区間を設定し、スタートからゴールまでの所要時間を計測。全日程を終えて総合時間が最も少なかった選手が総合優勝となる。
世界最大の自転車レース、ツール・ド・フランスのルールを知っている人は多いと思う。そのエンジン付きバージョンとも言えるのが、ダカールラリーだ。フランス語で「つなぐ」という意味のリエゾンという移動区間を含めて、未開地の町から町へと走り抜けていく。
どちらも発案はフランス人。実は、主催社も同じ。ASO(アモリー・スポール・オルガニザシオン)だ。フランスのパリ郊外に拠点を置くメディアグループで、一般紙の「パリジャン」、スポーツ紙の「レキップ」、サッカーマガジンやヴェロマガジンを発行している。
「パリ~ルーベ」といった伝統ある自転車レースのほかに、ダカールラリーやパリマラソン、ゴルフのフランスオープン、乗馬の世界選手権など国際的なスポーツイベントを運営している。近年では、毎年10月に開催される「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」も主催する。
かつてはスポーツ新聞社。ツール・ド・フランスは1903年、スポーツ新聞の「ロト」が新聞拡販キャンペーンとして始めた。その後、「ロト」は「レキップ」と名前を変え、大会の運営会社を別に設立。ツール・ド・フランス株式会社という名称を経て、実業家のアモリー氏が運営を担うようになった。
ご存知のように、発足時は「パリ~ダカールラリー」と呼ばれた。フランスの首都パリからセネガルの首都ダカールまで、アフリカ大陸を走るモータースポーツだった。
アフリカには多くのフランスの旧植民地があるが、この大会は敵対する勢力のテロ攻撃などにさらされたり、貧困国だけに強盗の被害が多発した。その対策としてパリを出発することを取りやめ、さらには舞台を南米大陸に移すことになった。
2017年のダカールラリーは、現在開催真っ只中。2009年に南米大陸に舞台を移して以来、初めてパラグアイが開催国に加わり、アルゼンチンとボリビアを合わせて3カ国を駆けめぐる。
レースは、1月2日にパラグアイの首都アスンシオンをスタート。アルゼンチンに入国し、ボリビアでは標高4000メートル超のアンデス山脈を越える。12ステージをこなして1月14日にアルゼンチンの首都ブエノスアイレスにゴールする。クラスは自動車のほか、カミオン(トラック)、モト(二輪)、クワッド(四輪バギー)がある。
こうしたステージレースは、刻一刻と展開が変わっていく駅伝好きな日本の人たちの興味を引く部分である。
ツール・ド・フランスでは全日程をBSチャンネルが生中継し、出場選手を輩出するような実績も残すようになった。かつては、「パリダカ」という愛称で親しまれたダカールラリーも、日本の一般の人にまで知られるようになり日本人参加者も増えてきた。
未開地を走るだけに取材は困難を極めるが、近年は多額の資金を有する企業が超小型カメラを駆使してインターネット中継を敢行。参戦チームにスポンサーするレッドブルなどが、レース展開をリアルタイムで届けてくれる環境が整ってきた。
ダカールラリーが、どのようなレースなのかちょっとのぞいてみよう。
ダカールラリーRedBull Contentpool
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