テニスの世界ランキング28位のブノワ・ペール(フランス)は、その才能と同時に集中力のなさやラケット破壊、髪をピンクに染めるなどの奇行で知られている。彼の優先順位は、他の選手たちと少し違っているのかもしれない。Tennis World USA…

テニスの世界ランキング28位のブノワ・ペール(フランス)は、その才能と同時に集中力のなさやラケット破壊、髪をピンクに染めるなどの奇行で知られている。彼の優先順位は、他の選手たちと少し違っているのかもしれない。Tennis World USAが報じた。【動画】ペールの仰天ショットトップ10!

現在31歳のペールの自己最高ランキングは18位、これまでに3度優勝したことがある。だが彼はトップ5やトップ10の選手たちほどハードなトレーニングはしないし、テニス以外のいろいろなことを優先して普通に人生を楽しんでいる。

ロジャー・フェデラー(スイス)やラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)を讃えながらも、ペールは絶対に彼らのようなやり方は選ばない、彼から見ればあまりにも真剣にやり過ぎだと語った。

ペールは自分にはトップ10に入れる素質があることはわかっているが、そのために練習コートで長時間をかけてその素質を磨くことをよしとしない。彼は自分のキャリアに十分に満足している。トップ20に入ったことがあり、ツアーレベルで数度優勝したことがある、という実績は、彼よりはるかに努力している選手たちでも簡単にできることではないのだ。

先日のインタビューでペールは、ゴルフやお酒を楽しんだり、踊りに行くこと、友人たちと世界中の面白い場所に旅ができることを幸運だと感じていると語った。「ラファエル・ナダルや、ロジャー・フェデラー、ノバク・ジョコビッチをすごく尊敬してるし、彼らのやってることは素晴らしいと思うけど、羨ましくはないよ」

「僕にはトップ10に入れる才能があるとよく言われるよ。だけどそこまで真剣に練習する気になれない。彼らほど体を鍛えるなんて絶対できない。そんな犠牲を払う気はないんだ。テニスの技術だけなら、僕は彼らと同じレベルかもしれない。でもトップ10選手になるには、肉体的にも精神的にももっとがむしゃらでなきゃだめなんだ、僕にはそれがない」

「グランドスラムで優勝することは僕の目標じゃない。それより、トップ30にいて、人生を楽しみたいんだ。世界一になるためにすべてを犠牲にするより、好きな時にゴルフをして、好きな時に酒を飲みたい。引退すればいくらでもできるだろう、今はテニスに集中すべきだってみんなに言われるだろうけどね」

「確かにツアーには、テニスばかりでまったくリラックスすることがない選手がいっぱいいる。彼らの人生にはテニスしかなくて、そこから解放されることはないんだ。だから引退すると、空虚な気持ちになる。僕は引退しても、酒も、踊りも、ゴルフもある」

「僕の人生は素晴らしいよ、多くの人が羨むだろう。金を稼いで、楽しんで、旅行して、世界で一番幸せな男さ。幸運だと思うよ。世界一になるために何も犠牲にする気はない。2019年に僕はミコノス島へ行った、イビサ島にも行った。人生最高の瞬間を友人たちと分け合った。40歳になってからそうしようとは思わない」とペールは語った。

(テニスデイリー編集部)

※写真は2019年「全仏オープン」でのペール

(Photo by Tim Clayton/Corbis via Getty Images)