敷田審判員が「eBASEBALL プロリーグ」のゲスト解説に

 一般社団法人日本野球機構(NPB)と株式会社コナミデジタルエンタテインメント(KONAMI)が共催するプロ野球eスポーツリーグ「eBASEBALL プロリーグ」が5日に開幕した。3シーズン目となる今季も厳しいプロテストを通過したトッププレーヤーたちが1球団4人のチームを結成。プロ野球同様に、セ・パ両リーグに分かれて日本一の座をかけて争う。

 昨季までは会場のファンの前でプロプレーヤーたちが卓越した技術を披露し、熱戦を繰り広げていたが、今季は全ての試合が無観客でのオンライン配信に。毎回、豪華なゲストを迎えて熱戦の様子を届けている。「セ・パe交流戦 後節」では、「卍ポーズ」で野球ファンからもお馴染みの敷田直人審判員がゲスト解説として登場する。解説をするのは初めてだという敷田審判員にインタビュー。これまで約1400試合に出場してきた敷田審判員から見た「eBASEBALL プロリーグ」や印象に残った試合、さらに知られざる審判員のオフとは――。

「普段はグラウンドで審判をやっていて、解説をしたことがないですから、何をしゃべっていいのかわかりませんでした。『審判の目線で話してもらえたら』ということだったので、挑戦してみることにしました」と今回のゲスト解説について振り返った敷田審判員。

 プロプレーヤーたちの真剣勝負に「選手たちの熱い思いを感じることができて面白かった」と圧倒された様子。「すごく熱い戦いで、プレーヤーの皆さんの真剣な戦いが伝わってきました。正直、実際のプロ野球のシーズンではあまり見たことのない選手が『eBASEBALL プロリーグ』の試合に出場をしていたり、打順に関しても実際の試合とは違うように組まれていたりする。そこが新鮮でおもしろかったですね」と能力重視かつ5イニング制の「eBASEBALL プロリーグ」ならではの戦術に驚きを口にしていた。

 敷田審判員は2001年にデビューし、これまで1395試合に出場。現役の選手でも1400試合以上に出場しているのは16人しかいない。数多くの試合を間近で見てきた敷田審判員に、これまで一番印象に残っている試合を聞いてみると、「私も現役なので、現役のプレーヤーの話をするのは難しい」と前置きをした上で“メモリアル”な試合について話してくれた。

「すごく覚えているものは元中日・山本昌投手の200勝の試合(2008年8月4日、ナゴヤドーム)。タイミングがすごくよかったので、印象に残っています。今年で言えば、巨人・坂本勇人選手の2000安打は球審で立ち会わせていただきました。ソフトバンク・周東佑京選手が連続盗塁試合を13試合に伸ばしたときも、二塁でセーフという判定をしました。ああいうものが記憶に残っていく試合なんだと思います」

審判員のオフの過ごし方は? 「いろいろな出来事をみんなで再確認」

 プロ野球選手のオフといえば自主トレやイベント出演などで知られているが、審判員たちはオフにどんな過ごし方をしているのだろうか。

「シーズン中に起こったいろいろな出来事をみんなで再確認します。『こうした方がよかった』と思う判定がシーズンを通して出てくる。より良い判定をできるようにという話をする日があったり、自分で身体を動かしてトレーニングをする日もあったりします。長い試合は5時間を超えてグラウンドに立ち続けることもあるので、それに耐えられる体力を持っていないといけないと考えています」

 ストイックな敷田審判員だが、2018年6月17日の西武-中日戦(メットライフドーム)で左膝にファウルチップを受け、グラウンドに突然倒れ込むアクシデントも。搬送された先の病院では「迷走神経反射」の診断を受けたという。

「お医者さんいわく、人は痛みで気を失うことがあるそうなんです。痛かったのですが『中断せずに続けられる』という思いで試合を続けていました。でも、意識が遠のくような感覚になってきて、後ろにひっくり返ってしまいました。

 両チームのトレーナーの方々が駆け寄ってきてくれたのですが、私自身の意識はもう戻っていて。膝の痛みで気持ち悪くなって倒れたけど、目が覚めたらなんでもなかったような感じだったので、『試合を続けてやります』と言ったのですが、トレーナーさんの方に『倒れ方がひどかった。担架がくるからじっとしていて』と言われ、控えの審判に交代しました。控えの審判は各試合で1人だけ。その審判がグラウンドに出るのは1年にあるかないかくらいのすごくレアなケースです。あの日は迷惑をかけてしまったなと思っています」

 敷田審判員がゲスト解説で出演するのは、25日の「セ・パe交流戦 後節」。審判員という立場から「eBASEBALLプロリーグ」を盛り上げている。「負けたチームの選手が涙を流しているのを目にしました。選手たちもすごく熱い戦いをしていましたし、今後もっと参加してくれる人が増えて、オフシーズンの楽しい大会になればいいなと思います」と視聴者にメッセージを送っていた。(安藤かなみ / Kanami Ando)