負傷箇所を狙われたスミス「俺の最大の武器が封じられた」 ボクシングのカネロこと世界4階級制覇王者サウル・アルバレス(メキシコ)は、19日(日本時間20日)にWBA世界スーパーミドル級スーパー王者カラム・スミス(英国)に3-0で判定勝ちした。…

負傷箇所を狙われたスミス「俺の最大の武器が封じられた」

 ボクシングのカネロこと世界4階級制覇王者サウル・アルバレス(メキシコ)は、19日(日本時間20日)にWBA世界スーパーミドル級スーパー王者カラム・スミス(英国)に3-0で判定勝ちした。激闘により、スミスは左上腕を負傷。試合後には異様なほど腕が大きく腫れ上がる画像が話題を呼んでいたが、カネロは試合中に笑いながら「痛むか?」と相手に聞いていたという。英紙「ザ・サン」が報じている。

 カネロが強烈な拳を叩き込んだ。ガードを固めながらロープにもたれるスミスに対して強打を連発。スミスの左上腕は試合後に異様なほど大きく腫れ上がった。パンチを着弾させた決定的瞬間の画像付きで海外メディアが報じる中、同紙も「カラム・スミスはカネロ・アルバレスが上腕三頭筋を故意に狙ったとして非難した」の見出しで記事を掲載。英専門メディア「ボクシング・ソーシャル」のインタビューで、スミスはこう話しているという。

「あれは意図的だ。初回から狙ってきた。俺は陣営に話したんだ。『奴は俺の腕を狙ってくる。どの右フックも俺の腕を目がけてやってくる』と。そして4回に俺はまた『腕がイカれている』と話した」

 身長191センチ、リーチ198センチのスミスの武器の一つは左フック。リーチはカネロに19センチ上回っていたが、優位に立てなかった。「俺の最大の武器である左フックを封じられてしまった。それが奴らの計画だったかどうかは分からないが、それが効いた形になった」と振り返っている。

スミスは言い訳にせず「もし俺の両腕が万全だとしても…」

 さらにスミスは試合中にカネロから話しかけられたという。「12回だった。奴は腫れを見て笑いながらこう言ったんだ。『痛むか?』とね。完全に俺のベストショットを封じられたよ」。あえて負傷箇所を狙うのも戦術の一つ。左上腕を狙われ続けたことを明かしたスミスだが、直接的な敗因にはしなかったようだ。

「これは言い訳ではない。なぜなら、もし俺の両腕が万全の状態だったとしたら勝っていたのかというと、多分そうではないからだ。でも、万全だったらあの夜、もう少し良い試合ができたとは思う」

 カネロは王者同士のビッグマッチを制し、団体内の王座統一に成功。2020年を締めくくった。来年、PFPトップに君臨する王者はどんな試合を見せるのだろうか。(THE ANSWER編集部)