優位に試合を進めるも9回にKO負け「序盤から強打放ったことで…」 ボクシングのWBO世界ライト級14位の中谷正義(帝拳)は、12日(日本時間13日)に行われたWBOインターコンチネンタル同級王座決定戦で同級12位フェリックス・ベルデホ(プエ…

優位に試合を進めるも9回にKO負け「序盤から強打放ったことで…」

 ボクシングのWBO世界ライト級14位の中谷正義(帝拳)は、12日(日本時間13日)に行われたWBOインターコンチネンタル同級王座決定戦で同級12位フェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)に9回1分45秒KO勝ちを収めた。2度のダウンを奪われながらも大逆転。1年5か月ぶりの復帰戦を飾ったが、敗れたベルデホは「ナカタニは予想外のパンチを繰り出してきた」などと語っているようだ。米メディアが報じている。

 ベルデホも予期せぬ日本人の逆転KOだったようだ。中谷は初回、4回にそれぞれダウンを喫した。劣勢に立たされたが9回、相打ちで放った左ジャブでダウンを奪い、勢いに乗った。再開後に一気に距離を詰めると、強烈な右ストレートを一閃。顔面を捉えられたベルデホはリングに突っ伏すようにうつ伏せに倒れ、中谷の勝利が決まった。

 米メディアなどが実際の動画を公開し、反響を呼んでいた一戦。米専門メディア「ボクシングシーン.com」は「ナカタニに敗れたフェリックス・ベルデホは再戦に目を向けている」との見出しで記事を掲載。ベルデホのコメントを紹介している。

「最終的には敗れてしまったにも関わらず、俺はいま落ち着いているし、幸せな気持ちだ。なぜなら素晴らしい試合ができたからね」と殊勝な言葉を残しているベルデホ。敗因については「序盤から強打をどんどん放ったことで、終盤のスタミナが切れてしまった」と分析している。

再戦については「選択肢から外すことはしない」

 27歳のベルデホはアマで106勝、ロンドン五輪にも出場したアマエリート。2012年にトップランクからプロデビュー。将来の王者候補として脚光を浴びてきた。2018年に初黒星を喫し、再起後は4連勝を飾っていたが、中谷の前に屈した。

 対戦については「ナカタニは予想外のパンチを繰り出してきた。俺のコーチは『めちゃくちゃになる必要はない。お前は勝てるんだから』といつも言っていたが、俺はあまりその助言を聞くことができずに、パンチを打ち合うことに必死になってしまったんだ」と語っている。

 記事では「俺は(中谷との)再戦を選択肢から外すことはしない」とも話しているベルデホ。「俺には世界王者になる計画がある。この敗北でその道はさらに長くなってしまっただろう。しかし、何があっても俺はリングに戻ってくるし、また連勝を作りたい。この挫折で学ぶことができた」と敗戦を糧に成長することを誓っていた。(THE ANSWER編集部)