ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)が最多の20回ずつ、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が17回のグランドスラム優勝を誇る現在のテニス界では、他の選手の多くが一度も頂点に立てずにいる。そんな一人について、同胞が勝て…

ロジャー・フェデラー(スイス)とラファエル・ナダル(スペイン)が最多の20回ずつ、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が17回のグランドスラム優勝を誇る現在のテニス界では、他の選手の多くが一度も頂点に立てずにいる。そんな一人について、同胞が勝てない理由を語った。ウェブメディアTennis World USAが報じている。【動画】ツォンガのベストショット10選!

近年、才能ある選手たちを輩出してきたフランスでは、ジョーウィルフリード・ツォンガ、ジル・シモン、ガエル・モンフィス、リシャール・ガスケが世界ランキングのトップ10に入ったことがある一方、その中の誰一人としてグランドスラム優勝を経験していない。その理由についてシモンが語っている。

「ツォンガは僕らの中で最もグランドスラム優勝に近いところまでいった。決勝まで進出したこともあるし、準決勝には何度か進んでいる。彼は最高の選手を打ち破ったけれど、フェデラー、ナダル、ジョコビッチを連続で倒すことはできなかった」

シモンの言う通り、グランドスラムでのツォンガはビッグ3との連戦で泣かされている。準優勝を果たした2008年の「全豪オープン」では、準決勝でナダルに勝ったものの、決勝でジョコビッチに敗れた。ベスト4となった2010年の同大会では、準々決勝でジョコビッチを倒すも、準決勝でフェデラーに屈した。同じくベスト4に入った2011年の「ウィンブルドン」では、準々決勝でフェデラーを下したが、準決勝でジョコビッチに阻まれた。ビッグ3の一人を破っても、次の試合ですぐに別の一人と当たり、そこで力尽きているのだ。

そんなツォンガは、キャリアを通して何度か、バックハンドが弱点だと批判されてきた。シモンは、こうした継続的な批判がツォンガのパフォーマンスに影響しているように感じている。

「ジョーがバックハンドの改善にもっと取り組んでいれば、グランドスラムで優勝できたと言いたいんだろう。それは違うね。なにせ、彼が一番グランドスラム優勝に近づいたのは2008年の“全豪オープン”決勝でジョコビッチと対戦した時だ。その時、彼は失敗を犯した。どんな失敗だったか?あるポイントでのボレーだ。だとしたら、本当にバックハンドが問題だったのかな?苦手なショットにばかり注目することで、周りが彼を弱らせてしまったように思う。弱点に取り組むとなかなか成長しないから、自信がすり減ってしまうのさ」

(テニスデイリー編集部)

※写真は「ウィンブルドン」でのツォンガ

(Photo by Rob Newell - CameraSport via Getty Images)