プロ野球界で「大谷世代」が存在感を見せ始めている。1994年生まれ(早生まれは1995年)のプレーヤーの中には、すでにチームに欠かせない戦力となった者も。大ブレークを果たし、今オフの契約更改で大幅アップを勝ち取った選手もいた。来季が高卒5年…

プロ野球界で「大谷世代」が存在感を見せ始めている。1994年生まれ(早生まれは1995年)のプレーヤーの中には、すでにチームに欠かせない戦力となった者も。大ブレークを果たし、今オフの契約更改で大幅アップを勝ち取った選手もいた。来季が高卒5年目となる「大谷世代」は、現時点でどのような評価を受けているのだろうか。

■高卒4年で中心選手に、存在感見せ始める「大谷世代」の来季年俸は?

 プロ野球界で「大谷世代」が存在感を見せ始めている。1994年生まれ(早生まれは1995年)のプレーヤーの中には、すでにチームに欠かせない戦力となった者も。大ブレークを果たし、今オフの契約更改で大幅アップを勝ち取った選手もいた。来季が高卒5年目となる「大谷世代」は、現時点でどのような評価を受けているのだろうか。

 世代の“主役”である日本ハムの大谷翔平投手は今季、投打で圧倒的なパフォーマンスを見せた。投球回、打席ともに規定に届かなかったものの、日本ハムを日本一に導く大活躍でリーグMVPを獲得。パ・リーグのベストナインでは投手、指名打者で史上初のダブル受賞を果たした。

 契約更改では、今季年俸2億円から7000万円増の2億7000万円でサイン。3億円には届かなかったものの、高卒5年目での2億7000万円はダルビッシュ(09年、2億7000万)に並んだ。来季チーム最高年俸2億8000万円の中田翔内野手には、1000万円届かなかった。

 広島の鈴木誠也外野手は、4400万円アップの年俸6000万円で更改した。打力が開花し、25年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献。アップ率275%はチームNO1だった。菊池涼介内野手とともにWBCに出場する野球日本代表「侍ジャパン」のメンバーに選出され、来季の1億円到達も視界に入ってきた。

 ロッテの田村龍弘捕手は今季、完全に定位置を奪取した。光星学院高(現八戸学院光星高)時代から定評のあった打撃でも進歩を見せ、6月には22試合出場でリーグトップの月間打率.400、1本塁打、13打点という好成績をマーク。大幅アップとなる2760万円増で、来季年俸は5000万円となる。田村と高校時代にチームメートだった阪神の北條史也内野手も、不調の鳥谷敬内野手に代わってシーズン途中から遊撃のレギュラーに定着。730万円アップを勝ち取った。

■藤浪は初のダウン、主な選手の今季成績と年俸推移は?

 一方、大谷とともに世代を引っ張ってきた藤浪晋太郎投手はプロ入り4年目にして初のダウンとなる1000万円減の年俸1億6000万円でサイン。ルーキーイヤーから続けていた2桁勝利もストップするなど苦しいシーズンを送った。今季は大谷と明暗が別れる形となったが、オフにはダルビッシュ、大谷らとの合同自主トレで体を鍛え上げるなど、巻き返しへの準備を整えている。昨季ブレークした中日の若松駿太投手は600万円減の3000万円、ドラフト1位で楽天に入団した森雄大投手も100万円減の850万円で更改した。

 今年のドラフト会議では、大学4年生となった「大谷世代」の多くの有力選手が指名を受けた。来季はプロ野球界を“席巻”する可能性もあるだけに、すでに各球団で活躍する選手の更なる飛躍にも期待したいところ。侍ジャパンU-23代表として活躍した真砂勇介外野手、笠原大芽投手(ともにソフトバンク)、武田健吾外野手(オリックス)らの台頭も予想される。

 今季1軍で活躍した主な「大谷世代」の選手の今季成績と年俸推移は以下の通りとなっている。(金額は推定)

◯鈴木誠也外野手(広島)1600万円→6000万円(△4400万円)
129試合出場、打率.335、29本塁打、95打点、16盗塁

◯藤浪晋太郎投手(阪神)1億7000万円→1億6000万円(▼1000万円)
26試合登板、7勝11敗、防御率3.25、176奪三振

◯北條史也内野手(阪神)730万円→2200万円(△1470万円)
122試合出場、打率.273、5本塁打、33打点、6盗塁

◯若松駿太投手(中日)3600万円→3000万円(▼600万円)
19試合登板、7勝8敗1ホールド、防御率4.06、85奪三振

◯大谷翔平(日本ハム)2億円→2億7000万円(△7000万円)
21試合登板、10勝4敗、防御率1.86、174奪三振
104試合出場、打率.322、22本塁打、67打点、7盗塁

◯田村龍弘(ロッテ)2760万円→5000万円(△2240万円)
130試合出場、打率.256、2本塁打、38打点、6盗塁