巨人の野上亮磨投手が10日、1億2000万円減の推定年俸3000万円で来季の契約を更改した。野球協約で定められた減額制…

 巨人の野上亮磨投手が10日、1億2000万円減の推定年俸3000万円で来季の契約を更改した。野球協約で定められた減額制限は、年俸1億円以上の選手は40%減。それを大幅に上回る80%減という厳しい査定となった。

・今すぐ読みたい→
1億円プレイヤーの日本ハムファイターズ「大田泰示」!巨人が活かせなかった彼の素質とは? https://cocokara-next.com/athlete_celeb/taijiohta-quality/



 「何もできていない。1年間ケガばかりだったので…」と大幅ダウンを粛々と受け入れた野上。昨年秋のフェニックス・リーグでアキレス腱断裂の重傷を負った。キャンプではリハビリに明け暮れ、2軍で実戦復帰できたのは6月。西武から移籍3年目で、初めて1軍登板がなかった。

 自由契約や移籍などを除き、同じチームに残りながら80%以上の減額となるのは、史上10人目。では最大の減額率だった選手は誰なのか。

 最も厳しい減額率だったのは、2015年オフの巨人・杉内俊哉投手。年俸5億円から4億5000万円減の5000万円で更改した。

 杉内は2012年からの4年総額20億円という大型契約でソフトバンクからFA移籍。その契約が切れたタイミングだった。

 2014年までは毎年2桁勝利を挙げ、チームのリーグ3連覇に大きく貢献していた。だが勤続疲労も重なり、2015年は股関節痛で7月に戦線離脱。10月には過去に前例がないという右股関節の大手術を受けていた。

 復帰の見込みが決して大きいわけではない、という状況もあり、厳しい減額となった。実際に2016年以降、引退を決断した2018年シーズンまで、3年間一度も1軍マウンドに立つことは叶わなかった。

 杉内に次ぐ厳しい減額率が、2002年オフのヤクルト・伊藤智仁投手で、88%ダウン。年俸8000万円から7000万円減の1000万円で更改した。既に右肩の手術を3度も受けており、2001はわずか1試合、2002年は1軍登板なし。球団からは引退勧告を受けていたが、本人が現役続行を強く希望し、当時最大減額率となる減俸を受け入れた。

 だが、伊藤もその後1軍のマウンドに戻ってくることはなく、2003年限りでユニホームを脱いだ。

 球団側も復活の見込みが薄いからこそ、それだけ大きな減額率に踏み込めるのだろう。それだけに復活への道のりは容易ではない。

 ただ、野上が手本とすべき身近な成功例が、減額率第3位にいる。

 昨オフの巨人・中島宏之内野手は、年俸1億5000万円から87%にあたる1億3000万円減の2000万円で更改した。巨人移籍1年目の2019年は43試合の出場で、打率・148、1本塁打、5打点に終わっていた。

 「何もできなかったなというのが一番」と悔しさをにじませた中島。「下がるのは当然。またチャンスをもらえた。何とか貢献したい」とその思いをバネにオフから厳しいトレーニングを怠らなかった。

 今季はかつての勝負強さが戻り、主に一塁手として下位打線でチームの首位快走を支えた。若いチームでベテランとしての存在感を示し、100試合に出場して打率・297、7本塁打、29打点。リーグ2連覇になくてはならない存在となった。

 野手としては市場最大減額率という屈辱を、結果で見返した中島。当然、このオフには昇給が見込まれている。身近にいる成功例を見本とし、野上も西武時代にみせたクレバーな投球をもう一度取り戻してもらいたい。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

・今すぐ読みたい→
1億円プレイヤーの日本ハムファイターズ「大田泰示」!巨人が活かせなかった彼の素質とは? https://cocokara-next.com/athlete_celeb/taijiohta-quality/