「スポーツ界の名珍場面総集編」―7月、わずか7秒の瞬殺劇が波紋を呼んだ 2020年も12月を迎えた。スポーツ界は新型コロナウイルスの影響を受けたが、感動を与えるスーパープレーから思わず笑う珍事まで、記憶に残るシーンも誕生。「名珍場面2020…

「スポーツ界の名珍場面総集編」―7月、わずか7秒の瞬殺劇が波紋を呼んだ

 2020年も12月を迎えた。スポーツ界は新型コロナウイルスの影響を受けたが、感動を与えるスーパープレーから思わず笑う珍事まで、記憶に残るシーンも誕生。「名珍場面2020」と題し、今年を振り返る。今回は海外の女子ボクシングで生まれた史上最短7秒KOだ。7月に行われた試合で、セニエサ・エストラーダ(米国)がミランダ・アドキンス(米国)にわずか7秒でKO勝ち。衝撃的な瞬殺劇の瞬間を海外メディアが続々と動画付きで公開したが、実力差のあるマッチメークに対して波紋も広がっていった。

 ゴングが鳴り、前に出たエストラーダ。アドキンスのガードの上から強烈なコンビネーションで3発打ち込んだ。最後の左フックが顔面を捉えて足元をぐらつかせると、すかさず連打。左ボディーでガードを下げさせ、顔面にラッシュをかました。そのまま仰向けに卒倒したアドキンス。目が開かず、失神している様子だった。

 試合時間わずか7秒という衝撃の決着。勝者への称賛の一方で、実力差のあるマッチメークには波紋が広がった。米スポーツ専門局「ESPN」のダン・ラファエル記者は自身のツイッターに「私は今までいくつかのミスマッチを目撃してきたが、この女子ボクシングの試合は文字通りの酷さだった」と投稿。「DAZNニュース」のアンドレアス・ヘイル記者も「これは公平な試合ではない」と評していた。

 試合自体が無謀との指摘が上がっていたカードは、ロシアでも波紋を呼んだ。ロシア放送局「ロシアトゥデー」は「『これは酷い試合だ』 女子ボクサーが相手を7秒で破壊した。この残酷なKOは史上最短記録だった」との見出しで記事を掲載。「エストラーダがルーキーのアドキンスを破壊。この絶望的なミスマッチとも言える試合で、エストラーダは7秒で相手を倒したのである」と報じている。

 試合前までデビュー以来18戦18勝だった28歳のエストラーダに対し、5戦5勝ながら42歳のアドキンスとは実力差があったことは否めない。WBC公式サイトによると、エストラーダは3月に別の対戦相手との試合を予定していたが、新型コロナウイルスの影響により、試合はキャンセル。代わって組まれたのが、アドキンス戦だったという。(THE ANSWER編集部)