アルゼンチンの女子1部リーグで初めてトランスジェンダーの選手がプレーした。 男性として生まれたマラ・ゴメスは、性転換手術…

アルゼンチンの女子1部リーグで初めてトランスジェンダーの選手がプレーした。

男性として生まれたマラ・ゴメスは、性転換手術の後、アルゼンチンの女子アマチュアリーグでプレー。1月に女子1部リーグのビジャ・サン・カルロスに加入したものの、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の影響でリーグ戦が延期されたことや、出場資格の問題があり、デビューは先延ばしになっていた。

ゴメスは、アルゼンチンサッカー協会(AFA)に対し、自身の血液サンプルを提出。テストステロンの数値が、国際オリンピック委員会(IOC)が定めるトランスジェンダーアスリートのためのパラメーター内にあることを示すなどして交渉を続けた結果、4日にAFAからリーグ戦参加の承認が下りた。

そして、迎えた7日のラヌース戦に出場。試合は1-7で敗れたものの、試合後には対戦相手のラヌースから自身の名前の入ったユニホームを贈られ、感極まる場面もあった。

試合後、ゴメスは『ESPN』のインタビューに応対。周囲への感謝を口にした。

「はじめは、サッカーは私にとってセラピーであり、トップディビジョンでプレーすることを夢見たり考えたりすることは不可能だと思っていました」

「数年前、このことについて話したり議論したりすることは考えられませんでしたが、今では新しい道が開かれています。これは大きな成果です。クラブ、チームメート、コーチングスタッフに、ドアを開けてくれたことに心から感謝しています」

「全員が最初から尊敬の念を示してくれています。私はコミュニティを代表するだけでなく、社会の一員でもあり、多くの人々の参考になったと自負しています。」

さらに、試合後に多くのお祝いのメッセージを受け取ったというゴメスは自身のSNSを更新。これまでの苦悩を振り返っている。

「それは魔法ではなかった、贈り物ではなかった、簡単ではなかった。戦い、苦しみ、そして悲しみがあった。死と傷ついた心の端に人生があった。過去を取り戻すために多くの障害を克服しなければならなかった……これはまだ始まったばかりです。今日私は呼吸し、私の魂は私の体に戻ります」

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