ホンダとレッドブルで育成ドライバーを務める角田裕毅(20)が6日、バーレーンサーキットでF1第16戦サヒールGPとの併催で行われたF2選手権最終戦でレース1優勝、レース2で2位の連続表彰台を果たし、シリーズランキング3位が確定。F1に参戦…

 ホンダとレッドブルで育成ドライバーを務める角田裕毅(20)が6日、バーレーンサーキットでF1第16戦サヒールGPとの併催で行われたF2選手権最終戦でレース1優勝、レース2で2位の連続表彰台を果たし、シリーズランキング3位が確定。F1に参戦できるスーパーライセンスの発給要件を満たし、来季のF1昇格が確実になった。

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F2でランキング3位が確定した角田裕毅(ホンダ提供)


 アルファタウリ・ホンダと契約を結ぶ見通しで、F1参戦が決まれば、日本人では2014年の小林可夢偉(当時ケータハム)以来7年ぶりとなる。同チームとは11月に伊イモラサーキットで旧型車でプライベートテストを行い、ライセンス発給条件の走行経験300キロ以上をクリア。来季はピエール・ガスリー(フランス)とコンビを組む公算が大きい。

 角田は最終戦後に「最後にいい形のレースができて、結果としてランキング3位となり、目標であるスーパーライセンスの条件をクリアできたことはとてもうれしいですし、これまでサポートしてくれたチームや関係者の皆さんには、とても感謝しています。そして、応援してくださったファンの皆さんにも感謝しています」とコメント。F1最終戦後にアブダビで行われる公式合同テストにも参加する予定で、お膳立ては整った。

 スーパーライセンスポイントは2016年から導入された。15年にマックス・フェルスタッペン(オランダ)が史上最年少の17歳166日でF1デビューを飾ったのを契機に、F1ドライバーのさらなる若年化や経験不足が指摘されたことから、レース経験を明確に数値で表すべく、ポイント制による発給基準を策定した。

 過去3年間に必要なポイントは40点。F2は年間ランキング3位以内に入れば、40点を取得でき、一発で条件を満了する。F3や米インディカー、フォーミュラE、世界耐久選手権(WEC)も対象で、日本のスーパーフォーミュラは王者に25点、スーパーGTには20点が与えられる。

F2最終戦での角田裕毅の走り(ホンダ提供)


 日本人ではトヨタでWECに参戦した元F1の中嶋一貴、小林可夢偉、スーパーフォーミュラの山本尚貴らも規定のポイントを満たしており、理論上はF1車両を300キロ以上走らせれば、スーパーライセンスを手にすることができることになっている。角田にとっては順風満帆かといえば、そうではない。アルファタウリを含めたレッドブル陣営にホンダのパワーユニットが供給されるのは2021年まで。ホンダは来季でF1活動を終了することを発表しており、角田が2022年もF1を継続する場合は他メーカーのパワーユニットで参戦することになる。ホンダの後ろ盾は続くとしても、実力でライバルたちを蹴落としてシートを死守しなければならなくなるわけだ。

 そんな考えは杞憂(きゆう)かもしれない。今年のF2での活躍をみれば、大舞台でも十分に通用できそうなのは明らかだからだ。今季は参戦1年目ながらシーズン3勝を挙げて表彰台には7度立った。海外にレースの舞台を移して2年だが、英語でのコミュニケーションも問題なさそうだ。

 ホンダの撤退発表で日本でのF1人気に陰りが見える恐れもあったが、新進気鋭の角田がモータースポーツ界の救世主となる。

[文・写真/中日スポーツ・鶴田真也]

トーチュウF1エクスプレス(http://f1express.cnc.ne.jp/)


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