全勝対決。見所は多岐にわたった。

 まず、前半15分。序盤に10点リードを奪ったヤマハが、得意のスクラムからマイボールを失う。自陣22メートル線上での1本だった。

 瞬時の駆け引き。勝負はがっぷりと組み合う前から始まっていたようで、サントリーのHO青木佑輔はこう満足できた。

「(最初の)ヒットでアドバンテージが取れて、そのままいいプレッシャーをかけられました」

 間もなくWTB中靏隆彰がインゴールを割るなどし、サントリーは7-10と追い上げる。ここから、徐々に持ち味を発揮する。

 CTBヴィリアミ・タヒトゥアの突破などで前進するヤマハに対し、SH流大主将はこう対抗した。

「ハードワーク。そこで上回る」

 前半18分頃に自陣22メートル線付近左で球に絡むなど、FLジョージ・スミスが密集戦で躍動。20分過ぎには、ラックの脇を抜け出したSH矢富勇毅を22メートル線上でLOジョー・ウィーラーが捕らえる。近くのCTBスティーブン・ドナルドも付随し、ヤマハのペナルティを誘う。FLスミスの述懐。

「プレッシャーがかかるなか、チームでいいパフォーマンスができた」

 1対1の衝突があった場所へ、すぐに援護射撃を放つ。サントリーはその意志を攻撃でも貫き、グラウンドの左右いっぱいにパスをつなぐ。

 その延長線上でヤマハの守備ラインが乱れると、SO小野晃征がさらにひずみを突いた。自らのランで32分、40分のトライを演出し、21-17と勝ち越した。

「前を観て判断しただけ。空いた時はしっかりと行く」

 後半9分、殊勲のSO小野はペナルティゴールを決める。24-17。きっかけはヤマハのオフサイドの反則だ。サントリーのサポートが重なった接点へ、ヤマハの防御が横入りしたと判定された。

 敗れたSO大田尾竜彦は、守備時の肉弾戦をこう捉えていた。

「うちが勝っている部分(接点)もありましたけど、そこに人数と労力をかけているので(球を)出されると(次以降の局面で)足が止まり始める…という感じはしました」

 サントリーが加点する一方、後半にヤマハが奪ったスコアは30分の7点だけだった。

 敵陣の深い位置でのラインアウトは、途中から前衛に入った身長200センチのLOウィーラーの圧力からか相次ぎ捕球を失敗する。投げ手のHO日野剛志副将は、反省した。

「(サインを出す)コーラーに(敵の立ち位置の)情報を伝えていれば、組み立ても変わったかな…」

 かくして、1つひとつの競り合いが濃い物語を編む激戦は、サントリーに軍配が上がる。勝った沢木敬介監督の総括が、全てを物語った。

「お互いのカラーが出た、レベルの高い試合だったと思います」

 勝者は2位のヤマハに勝点3差をつけ単独首位に立った。しかし、敗れたHO日野副将も前を向く。

「大事なのは、切り替え」

 年明けの残り2節で王者が決まる。2017年、勝った沢木監督の言う「レベルの高いゲーム」がどれだけ繰り広げられるか。(文:向 風見也)