ともに12戦全勝。今季のトップリーグ事実上の優勝決定戦となったヤマハ発動機ジュビロ対サントリーサンゴリアスの一戦は12月24日、静岡・ヤマハスタジアムでおこなわれ、サントリーが41-24で制し、全勝を守った。

 互いにスクラムに関してはプライドを持つチーム同士の決戦は、ファーストスクラムが明暗を分けた。
 ヤマハが10-0とリードした前半14分。自陣ゴールを背にした場面でサントリーが反則。ヤマハはスクラムを選択する。ヤマハのマイボールスクラム。
 組み合った瞬間、黄色い塊が渾身の押し。ボールはヤマハ側からサントリー側にこぼれた。すかさずFLジョージ・スミスが縦を突いてBKに展開、WTB中靏隆彰がゴールを陥れた。ヤマハ側が選択したスクラムからのターンオーバー、トライ。
 サントリーが7-10と盛り返した。

 開始4分にヤマハがSO大田尾竜彦のパントからWTB伊東力がトライ。得意の形で先制していただけに、スクラムでのターンオーバーが、その後に与えた心理的な影響は大きかった。後半はほぼサントリーが主導権を握り、41-24で快勝した。

 試合後、ヤマハの清宮克幸監督は「あそこのマイボールスクラムでボールを奪われなければ、その後の試合展開は大きく違っていた」と振り返り、「相手のテクニシャンぶりに、うちの若い選手が力を出せなかった」と、経験値の差を挙げた。

「あのときは、上からプレッシャーをかけられて、うちの形で組めなかった」とはヤマハの左PR山本幸輝。
 明暗は1列にくっきり分かれた。 
「ファーストスクラムは、この1年僕らがやってきたことが出た。ターンオーバーできたのは、8人でまとまって押せたから」と語ったのは、サントリーのHO青木佑輔だ。
 対面の日野剛志は悔やむ。
「そのあとは修正できたのに、最初の1本が…。強い相手に対してミスをするとこうなる」

 殊勲はサントリーの3番、明大から加入して1年目の須藤元樹だ。173センチ、110キロの四角い体型。同ポジションには日本代表・畠山健介も控えるが、沢木敬介監督が「純粋に強い。ヤマハの一番の武器に対抗するため」と、強さを買って抜擢した。隣のベテランHO青木が驚く。
「僕もビデオで元樹のスクラムを研究しました。サイズは大きくないのに、大きな選手の組み方で組める。あれは天性。自分が小さいとは思ってないかも(笑)」
 ルーキーは謙虚に、だが胸を張る。
「それが僕の仕事なので。大事な場面でそれが出来たのはよかった。でも満足度としては5割」(須藤)

 サントリーは元オーストラリア代表FLジョージ・スミスが随所でターンオーバーを勝ち取り、11月に加入の元ニュージーランド代表SO/CTBスティーブン・ドナルドも攻守に働いた。
 これで総勝点はサントリーが60、ヤマハが57となり、サントリーが首位に立った。サントリーの残り試合は東芝、神戸製鋼。ヤマハは近鉄、トヨタ自動車。最終節まで熾烈な勝点争いは続きそうだ。(取材:森本優子)