プロ初黒星デュボア、試合後に眼窩底骨折&神経損傷が判明 英ロンドンで28日(日本時間29日)に行われたボクシングのヘビー級注目マッチで、23歳のダニエル・デュボア(英国)がロンドン五輪スーパーヘビー級銀メダリストのジョセフ・ジョイス(英国)…

プロ初黒星デュボア、試合後に眼窩底骨折&神経損傷が判明

 英ロンドンで28日(日本時間29日)に行われたボクシングのヘビー級注目マッチで、23歳のダニエル・デュボア(英国)がロンドン五輪スーパーヘビー級銀メダリストのジョセフ・ジョイス(英国)に10回KO負けした。多数のジャブを被弾し、左目を大きく腫らしてプロ初黒星。左ジャブでダウンしたシーンの動画が話題を集めていたが、試合後の検査で眼窩底骨折と神経損傷の怪我を負っていたことを米メディアが報じている。

 フィニッシュブローはジャブだった。10回、リング中央で対峙した両者はジャブをさし合った。直後にデュボアが膝をついてダウン。そのまま立ち上がることをせず、10カウントとなった。試合を通じて多数のジャブを被弾。左目は大きく腫れ上がり、視界はふさがれていた。

 米専門メディア「ボクシングシーン.com」は「試合後、デュボアは眼窩底骨折と目の周りの神経が損傷していることが明らかとなった」と報道。「デュボアによると、10回のジャブは彼の視界に大きな衝撃を与えたという。彼の左目の視界が真っ暗になってしまったとのことだ」とつづっている。

 記事によると、デュボアは脳へのダメージによるダウンではなく、ジャブが目に当たったことで自ら膝をついたという。「デュボアの決断にはボクシングファンの間で大きな議論を呼んだ」と説明し、「ケル・ブルックの眼窩底骨折を手術した外科医のリカルド・モハメド・アリ氏は、ジョセフ・ジョイスとの戦いを止めたダニエル・デュボアの決断を支持している」とした。

担当医師は危険性をアピール「視力喪失の恐れがある時は試合中止を」

 ファンから様々な意見が上がった選手の判断。これを医師は尊重しているという。さらに「リカルド・モハメド・アリ氏によると、あのまま試合を続行していた場合、デュボアは引退に追い込まれるほどの怪我をしたと確信している」と説明。同医師はこう語っている。

「多くの手術を担当してきた身として話したいことは、骨折をしたり、視力喪失の恐れがあったりする場合は試合を中止するべきだということだ。間違いなくキャリアを終えてしまう怪我に繋がるからだ」

 試合翌日の30日夜、デュボアは「公明正大な形で勝利したジョセフ・ジョイスに敬意を表したい。今、俺は退院して、骨折が治ることを待っている段階だ」とコメントを発表したという。次世代のチャンプ候補と目されていたホープ。老獪な35歳のテクニシャンに敗れたが、まだキャリアは始まったばかりだ。(THE ANSWER編集部)