エキシビションでジョーンズJr.圧倒も判定は引き分け ボクシングの元世界3団体ヘビー級統一王者マイク・タイソン氏は28日(日本時間29日)、米ロサンゼルスのステープルズセンターで元世界4階級制覇王者ロイ・ジョーンズJr.氏(ともに米国)とエ…

エキシビションでジョーンズJr.圧倒も判定は引き分け

 ボクシングの元世界3団体ヘビー級統一王者マイク・タイソン氏は28日(日本時間29日)、米ロサンゼルスのステープルズセンターで元世界4階級制覇王者ロイ・ジョーンズJr.氏(ともに米国)とエキシビションマッチを行った。2005年6月11日以来、5649日ぶりのリング復帰を飾り、結果は引き分けだった。

 アイアン・マイクがリングに帰ってきた。現役時代を彷彿とさせる黒のトランクスのタイソンが序盤から積極的にプレッシャーをかける。ウィービングしながら距離を詰めて豊富な手数を繰り出していく。2回以降もタイソンは積極的に踏み込み、緊迫感のある攻防が続く。

 タイソンは時折鋭いボディーブローを放つが、あからさまに嫌がるジョーンズJr.がクリンチに逃げる展開が続く。ジョーンズJr.の攻撃が単発な一方で、タイソンは54歳とは思えないほど、終盤まで動きが落ちない。最後まで攻勢の手を緩めることなかった。内容は圧倒していたが、参考としてWBCが認定した元王者3人によるリモート採点の結果、ドローだった。

 15年ぶりのリング復帰。決着はドローだったが、試合後の表情は晴れやかだった。ドローの判定には「いいですよそれで。引き分けでもいいよ。みんなが喜んでくれたのならそれでいい」と判定は素直に受け入れた。

 一方でジョーンズJr.に対して「オレのパンチが効いたに違いない。お前はよく持ちこたえたよ」とコメント。さらには「3分でやっていたけど、この2分は3分のように長かった。またこういうのをやろう。今日は8ラウンドを戦い抜けたことに喜びを感じている。10ラウンドいけたらいきたいけど、長い時間を戦えてよかった。打たれたら打ち返すのがプランBだった」とも振り返っていた。

 インタビュアーが最後は息も絶え絶えだったジョーンズJr.ばかり心配することに対し、タイソンはジョークっぽく「俺のことも心配してくれ。俺は15年ぶりだぞ」と笑い、「15年ぶりだぞ。これは十分大変なんだ。みんなを励ますために試合に出た。これだけ体力を戻したことを見てほしい」と胸を張っていた。(THE ANSWER編集部)