最後の一枠争い、桐蔭学園が延長3-2で桐光学園撃破 第99回全国高校サッカー選手権の神奈川県大会は28日、三ツ沢球技場で…

最後の一枠争い、桐蔭学園が延長3-2で桐光学園撃破

 第99回全国高校サッカー選手権の神奈川県大会は28日、三ツ沢球技場で決勝が行われ、桐蔭学園が延長の末に3-2で桐光学園を破り、3年ぶり10回目の全国大会出場を決めた。他の都道府県大会は終了済み。最後の一枠が埋まり、すべての出場校が決定した。桐蔭学園は、12月31日の1回戦で東福岡(福岡)と対戦する。

 2度追いつかれる苦しい試合を勝ち切り、桐蔭学園の主将・中島駿乃介(3年)は「点を取っても踏ん張り切れずに取り返されて甘さが出たが、最後はしっかり粘って勝ち切れて良かった。東福岡は有名でとても強いチームだと思いますけど、全国で簡単に勝てるとは思っていません。相手が有名でチームの士気は上がるし、油断もないと思うので、良い準備をして全国優勝という目標に向かっていければいいと思います」と、出場権をつかみ取った全国大会でのさらなる飛躍を誓った。

 桐蔭学園は、先発の半分にあたる5人が2年生。要所を締める3年生と、個の特徴を生かす2年生がうまく噛み合った。試合の立ち上がりは、FW立石宗吾(2年)がゴールを奪った。前半6分、右サイドからのパスを受けると、迷わず前に進んでシュート。「ボールをもらったら、すぐにゴールへ向かうことは常に意識しています。(周りに良い状態の)味方がいれば(パスでも)いいですけど、自分が決めるという思いでやっています。なかなかチャンスは来ないだろうと思っていたので、思い切って足を振ったら、入ったので良かったです」という一発でチームに勢いを与えた。

 後半の立ち上がりにセットプレーから空中戦で競り負けて同点ゴールを許したが、直後に今度は3年生が苦境を救った。右DF中島のフィードに10番の長澤圭剛(3年)が抜け出してゴールを奪い、再び勝ち越した。それでも、後半15分には桐光学園のコンビネーションアタックを防ぎきれず、またも同点。終盤は、桐光学園のパワープレーに苦しめられたが、主将の中島が味方に声をかけて相互のカバーリングを機能させて耐え凌いだ。

指揮官は選手を称賛「思いを実現させたことに感動しました」

 80分では決着がつかず、試合は延長にもつれ込んだが、最後は2年生が決定的な仕事をやってのけた。延長前半の終了間際に縦パスを受けた立石が反転からドリブルを仕掛け、相手のファウルを誘発してPKを獲得。空中戦で奮闘していたDF青木祐人(2年)が決勝点を奪った。

 延長後半に入ると、桐光学園は町田ゼルビア加入が内定しているDF奈良坂巧(3年)を前線に上げてパワープレーを強めたが、守り切った桐蔭学園が延長を終えて3-2で勝利を収めた。八城監督は「非常に厳しい試合でしたが、彼らの勝ちたい気持ちが感じられる良い試合でした。(3年生は)全国に出たいという強い気持ちで入学して来てくれて、自分たちの思いを実現させたことに感動しました」と選手を称賛。さらに「大きな舞台の経験がなく、まだ精神的にも技術的にも未熟なところがある。もっと鍛えて成長して全国大会に臨みたい」と勝って兜の緒を締めた。

 3年生の意地と2年生の勢いによる競争で、まだチーム力は増しそうだ。全国大会では初戦から厳しい相手となるが、昨季のインターハイ王者である桐光学園を倒した力は、十分に通用するはずだ。主将の中島は「攻撃が上手い選手がそろっている。得点は絶対に取れると思うので、残りの2、3週間で守備のトレーニングをしていきたい」と課題を挙げた。場内インタビューでも「全国優勝が最終目標」と言い切った。激戦区の神奈川を制してつかんだ最後の一枠から日本の頂点を狙う。(平野 貴也 / Takaya Hirano)