リオ五輪で日本代表選手が大活躍した2016年は、今年の漢字に「金」が選ばれるほど、メダルフィーバーに沸いた。だが、今年世界を席巻したのは五輪選手ばかりではない。野球日本代表「侍ジャパン」の各カテゴリーも、国際大会で大いに存在感を見せつけた。…

リオ五輪で日本代表選手が大活躍した2016年は、今年の漢字に「金」が選ばれるほど、メダルフィーバーに沸いた。だが、今年世界を席巻したのは五輪選手ばかりではない。野球日本代表「侍ジャパン」の各カテゴリーも、国際大会で大いに存在感を見せつけた。

■大学代表を先陣に各大会で優勝続出! U-15W杯は惜しくも銀メダル

 リオ五輪で日本代表選手が大活躍した2016年は、今年の漢字に「金」が選ばれるほど、メダルフィーバーに沸いた。だが、今年世界を席巻したのは五輪選手ばかりではない。野球日本代表「侍ジャパン」の各カテゴリーも、国際大会で大いに存在感を見せつけた。

 まず先陣を切ったのは大学代表だった。7月に開催された「第40回 日米大学野球選手権大会」でアメリカ代表と対戦。2勝2敗で迎えた第5戦を延長10回の末に破り、2大会連続18回目の優勝を果たした。横井人輝監督(東海大)が率いた大学代表メンバーはタレント揃いで、佐々木千隼(桜美林大-ロッテ)、柳裕也(明治大-中日)、濱口遥大(神奈川大-DeNA)、吉川尚輝(中京学院大-巨人)、大山悠輔(白鴎大-阪神)と、10月に行われたプロ野球ドラフト会議では5人が1位指名された。

 7月末から8月上旬に行われた「第3回 WBSC U-15 ワールドカップ」では、U-15代表が奮闘。鹿取義隆監督の下、トライアウトで選抜された20人が力を尽くして戦ったが、決勝戦でキューバに敗れて惜しくも準優勝に終わった。悔し涙こそ流す結果になったが、主将を務めた野口海音(松原ボーイズ)を中心に「侍ジャパン」に相応しい戦いを披露。最優秀投手には及川雅貴(匝瑳リトルシニア)、最優秀守備選手には田口夢人(栃木下野リトルシニア)が選ばれた。

■アジア制覇のU-18代表からはドラ1続出、女子代表は前人未踏のW杯5連覇

 甲子園の熱戦が終わった直後の8月末から9月上旬には、台中で「第11回 BFA U-18アジア選手権」が開催された。小枝守監督率いるU-18代表は、全勝で決勝へコマを進めると、前回覇者のチャイニーズ・タイペイを1-0で破り、2大会ぶりの優勝を飾った。10月のプロ野球ドラフト会議では、U-18代表の中から、堀瑞輝(広島新庄-日本ハム)、今井達也(作新学院-西武)、藤平尚真(横浜-楽天)、寺島成輝(履正社-ヤクルト)と4人のドラフト1位指名が出た。

 U-18代表が優勝決めた前日から韓国で幕を開けたのが「第7回 WBSC 女子ベースボールワールドカップ」だ。“マドンナジャパン”こと侍ジャパン女子代表は、前人未踏の5連覇というプレッシャーがのしかかる中、大倉孝一監督の指揮の下、全勝で決勝へ進出。ここでもカナダ代表を10-0で破る横綱相撲で、他国に圧倒的な力の差を見せつけながら、大会5連覇を飾った。投手陣の軸となった里綾実(兵庫ディオーネ)は史上初の2大会連続MVPを獲得。里は大会ベスト先発投手部門とのダブル受賞、川端友紀(埼玉アストライア)も大会ベスト二塁手部門を受賞した。

■プロアマ混成U-23代表はW杯初代王者、U-12代表はアジアを制す

 10月28日からはメキシコで「第1回 WBSC U-23ワールドカップ」が開催された。プロアマ混合編成となったU-23代表を率いたのは、巨人2軍監督を務める斎藤雅樹監督。スーパーラウンドで第2戦パナマに逆転負けしたが、第3戦でメキシコに3-2で勝利。決勝では、オーストラリアに10-3と大差をつけて初代王者に輝いた。MVPは打率.419、4本塁打と大爆発した真砂勇介(ソフトバンク)が受賞。左翼の真砂と並び、中堅を守った武田健吾(オリックス)がベストナインに輝いた。

 最後を締めくくったのは、今月9日から中国で行われた「第9回 BFA U-12アジア選手権」で優勝を飾ったU-12代表だ。トライアウトで選ばれた15人がチームとして結束し、仁志敏久監督の指揮の下、予選リーグから5連勝で金メダルを獲得した。キャプテンを務めた星子天真(弓削キング)はMVPと盗塁王をダブル受賞。最優秀救援投手には田栗慶太郎(戸尾ファイターズ)、ベストナインには山下真輝(諸木スワローズSS)が輝いた。

 アンダー世代の活躍で、日本はWBSC(世界野球ソフトボール連盟)が定める世界ランキングで、男女ともに堂々の1位を堅守。改めて、世界に日本の野球の強さを知らしめる形になった。

 今年は強化試合のみにとどまったトップチームは、来年3月に第4回WBCを控えている。今季奮闘した各カテゴリーの勢いに後押しされ、2大会ぶり3度目の頂点をつかみたい。