2度にわたりウィンブルドンを制したペトラ・クビトバ(チェコ)が自宅でナイフを持った男に襲われ、左手の手術を受けることを強いられた。 手術は3時間45分を要した。クビトバが負った負傷は深刻なものだが、テニスをプレーできなくなると考える理由…

 2度にわたりウィンブルドンを制したペトラ・クビトバ(チェコ)が自宅でナイフを持った男に襲われ、左手の手術を受けることを強いられた。

 手術は3時間45分を要した。クビトバが負った負傷は深刻なものだが、テニスをプレーできなくなると考える理由はどこにもない、と彼女のスポークスマンであるカレル・テイカル氏は話している。

 しかしながら、クビトバは少なくとも3ヵ月はフルに練習することができないため、全豪オープンはもちろんシーズンのかなりの部分を棒に振ることになるという。

 テイカル氏はクビトバは左手の腱と5本の指、2本の神経に損傷を受けたと言い添えた。

 クビトバは火曜の朝に東チェコのプロステヨフで起きた暴行を生き延びたのは幸運だったと考えている、と言う。

「身を守ろうとして、左手をひどく負傷してしまった。まだ体が震えているけれど、生き延びたのは幸運だった」とクビトバはツイッターに投稿。「怪我は深刻なもので専門家の診断を受けなければならないけれど、私は強い人間であり、この困難とも闘ってみせる」。

 より早い時間帯に出たチェコ・フェドカップのフェイスブック上の声明で、クビトバは「私に起きたことは間違いなく愉快なことではないけれど、もう過去のこととなった。私は最良の手当てを受け、愛する人々と連絡を取っている。最悪の事態はもはや去った」と言っていた。

 この怪我がクビトバのプレーにどのような影響を与えるかは、今のところはっきりしていない。テイカル氏は彼女は「その状態とキャリアの未来のために手術を受けた」とし、この事件を不法侵入(押し込み強盗)と表現した。警察によれば暴行者は35歳の男で、事件の現場から逃走し、いまだ逮捕されていない。警察は捜査を開始したという。

 クビトバは同国のルーシー・サファロバ(チェコ)とともに、この日のチャリティイベントへの参加を予定していた。

「本当に恐ろしいこと」と、サファロバはチェコのラジオを通してコメントした。「このような事件は私たち皆にとってショッキングなこと。本当にひどいことだわ」。

 1993年、モニカ・セレス(アメリカ)がハンブルグの大会のコートチェンジの際に背後から刺されたとき、セレスはキャリアの絶頂期にいた。男はコートサイドに近づいてナイフでセレスを刺し、肩甲骨の付近に深い傷を残した。セレスは27ヵ月後にツアーに復帰し、1995年全米オープンで決勝に至ったが、この出来事は彼女の心に消えない傷を残した。

 このこととは関係なく、クビトバはより早い時期に負った足の故障のため、来月の男女混合チームによるホップマンカップを棄権していた。(C)AP