11月21日、神奈川県川崎市・とどろきアリーナにてブレイクダンス日本一を決める頂上決戦「第2回全日本ブレイキン選手権」が行われ、全国各地をレペゼンするBBOY & BGIRLが集結し熱いバトルを繰り広げた。無観客試合、JDSF BREAKI…
11月21日、神奈川県川崎市・とどろきアリーナにてブレイクダンス日本一を決める頂上決戦「第2回全日本ブレイキン選手権」が行われ、全国各地をレペゼンするBBOY & BGIRLが集結し熱いバトルを繰り広げた。
無観客試合、JDSF BREAKING YouTubeチャンネルにてライブ配信が行われた今大会をFINEPLAY編集部がレポート! 各カテゴリで火花を散らし戦った国内トップレベルのBBOY & BGIRLのバトルダイジェストをお届けする。
優勝者たち:写真左からBBOY Raion、BGIRL Yuika、BBOY tsukki、BGIRL AMI、BBOY Shigekix photo by AYATO.
オンライン予選、ブロック選手権を勝ち抜いた猛者がとどろきアリーナに集結! 無観客試合、ライブ配信を実施
「第2回全日本ブレイキン選手権」には8月から行われていたオーディション形式のオンライン予選を経てブロック本戦トーナメントを勝ち抜いた、各地をレペゼンするBBOY & BGIRLが集結。
高校生を除く18歳以上のオープン部門、中学1年生〜高校3年生のユース部門で、BBOYとBGIRL別々に競技を行い、それぞれのカテゴリで日本一を決する仕組みとなっている。
また、小学生のジュニア部門は「JOC ジュニアオリンピックカップ」として開催。川崎市・ラゾーナ川崎プラザルーファ広場で行われた「Breakdance Dream Cup 2020」の上位者によるトーナメントを行い、頂点を決した。
今大会ではブロック本戦トーナメントを踏襲し、無観客試合で開催。競技中以外のマスク着用、消毒、検温の徹底など厳重な感染対策のもとに大会を実施。
バトルの様子はJDSF BREAKING YouTubeチャンネルにてライブ配信されており、振り返り配信で当日の様子が視聴可能だ。
BBOY Ryo-spin photo by AYATO.
BGIRL AYUMI photo by AYATO.
4ラウンド制、新たなジャッジメントシステムを導入
2019年の第1回大会から新フォーマットとして4ラウンド制、JDSF独自の「アブソリュートジャッジングシステム」(絶対評価審判方式)が導入されている。
これは従来WDSFが主催する世界選手権などで導入されていた、相対評価方式「トリビュームシステム」をもとにJDSFが独自に発展させた評価方式で、「技術」(40点)「表現」(30点)「構成/完成度」(20点)「バトル」(10点)の4つのポイントで勝敗を決する評価基準だ。
大会中にMC KENSAKUが表現した「スポーツブレイキン 」という言葉に象徴されるように、今大会のバトルフォーマットはこれまでのカルチャーとしてのブレイキンよりも「スポーツ」としての側面が大きくフォーカスされたものとなっており、今後のワールドスタンダードを創造しようというJDSFの意志が感じられる大会となった。
とりわけ4ラウンド制に対してBBOY & BGIRLたちは皆一様に「キツかった」と感想を口にした。大会を通じての踊り切るスタミナが要求され、いかにそこに照準を当てて調整できたかが、今大会の勝負の命運を分ける分水嶺となった。
新しいジャッジシステム photo by AYATO.
「第2回全日本ブレイキン選手権」オープン部門ではBBOY Shigekix & BGIRL AMIが優勝
オープン部門BBOYではBBOY KOHE1、BBOY Shigekix、BBOY shoya、BBOY TOA、BBOY LANDALL、BBOY Ryo-spinの6名が出場。
セミファイナルでは2018年「ブエノスアイレスユースオリンピック」銅メダリストのBBOY Shigekixと日本最高峰のブレイキンクルーであるfoundnationに所属し、九州をレペゼンするBBOY Ryo-spinが激突、ともに世界で活躍するBBOY同士の戦いとなる。両者一歩も譲らずの激しいバトル展開となるがBBOY Shigekixが勝利。勢いに乗ったBBOY Shigekixが決勝でもTOAに勝利しBBOY日本一の称号を手にした。
オープン部門BGIRLではBGIRL ANNASTY、BGIRL AMI、BGIRL KYOKA、BGIRL AYUMI、BGIRL AU、BGIRL yu-naがしのぎを削り合う。
ファイナルは「Red Bull BC One 2019」世界2位の経歴を持つBGIRL AYUMIと「WDSF 世界ブレイキン選手権」金メダリスト・BGIRL AMIの対決となる。BBOY同様ハイレベルな戦いが繰り広げられたが、軍配はBGIRL AMIに上がった。新進気鋭のBGIRL AMIは生ける伝説ともいえるBGIRL AYUMIを打ち倒し、そのブレイキンキャリアをまた一歩不動のものとした格好だ。
BBOY Shigekix photo by AYATO.
BGIRL AMI photo by AYATO.
「第2回全日本ブレイキン選手権」ユース部門ではBBOY tsukki & BGIRL Yuikaが日本一に
ユースBBOYではBBOY HoctSkee、BBOY RYOGA、BBOY HIRO10、BBOY tsukki、BBOY ISSIN、BBOY FUMAがオープン顔負けのバトルを繰り広げる。
ファイナルではBBOY tsukkiとBBOY ISSINの対戦。勝負は拮抗するかと見えたがBBOY tsukkiがラストムーブを見事決め切り勝利、優勝を勝ち取った。
ユースBGIRLではBGIRL KAEDIE、BGIRL Yuika、BGIRL YUINA、BGIRL KONOHA、BGIRL DORI、BGIRL RIKOがユース日本一をかけて戦った。
ファイナルでは沖縄をレペゼンするRIKOとブロック予選で同郷のBGIRL HONOKAAを倒し全国へと駒を進めているBGIRL Yuikaが対戦。
「いつもよりパワームーブを多めに取り入れた」と語り、今回の新ジャッジシステムへの対応に意欲を見せたBGIRL Yuikaが勝利、優勝を果たした。
BBOY tsukki photo by AYATO.
BGIRL Yuika photo by AYATO.
「JOC ジュニアオリンピックカップ」ではBBOY Raionが王者の称号を獲得
「JOC ジュニアオリンピックカップ」では、パワームーブ主体で攻めるBBOY Raionとバランスの良さが持ち味のBBOY Yu-shinがバトル。大人が顔負けの頂上決戦を制したのはBBOY Raion。
試合後に「年下には負けたくなかった」と語った通り、気合の入ったスタイルでバトルを制し日本一に輝いた。
BBOY Raion photo by AYATO.
選手コメント
BBOY Shigekix
良かったところ、改善すべきところは常にあります。結果は優勝ですが、そういう時こそ反省点を見逃してしまいがちなので、これから動画を見返したりしながら次につなげていきたいと思います。
4ラウンド制や新しいシステムに対しては、しっかり理解して準備をしようと考えて練習を行なってきました。そのため今日はもしかしたら普段の練習よりはリラックスしてバトルに臨むことができたのではないかと思います。
今年は大会がなく、露出できる場所がないという状況が続いていたので、大会が再び開催された際に周りに対して進化した姿を見せたいと思っていました。
今回の大会を通じて、4ラウンド最後まで1ラウンド目と変わらない精度で踊ることができるように引き続きクオリティを高めていきたいです。
BBOY Shigekix photo by AYATO.BBOY Ryo-spin
初めてのシステムでバトルをしてみて、ぶっちゃけしんどかったですが今後こういうバトルが増えていくと思うので、課題も見つかり良い経験になりました。
いつものバトルではフリースタイルで踊っていましたが、今回のバトルでは新しいジャッジシステムも踏まえて、動きやネタについては意識してバトルに臨みました。
新型コロナウィルス感染症の流行が収束してまた大会に臨む際に、新しい動きを出せるようにいろいろ挑戦していきたいと思います。
来年、再来年に向けて良い結果を残していけるようにこれからも頑張ります。
BBOY Ryo-spin photo by AYATO.BGIRL AMI
この大会で優勝できて嬉しいです。日本一ということにこだわっているわけではありませんでしたが、関東大会に出場して本戦に出場できなかったBBOY & BGIRLと自分自身をレペゼンして優勝できたことを誇りに思います。
4ラウンドをやる機会はなかなかないので、それに向けて集中して練習してきた成果が出せて良かったです。
ダンスにはいろんなスタイルがあり、アートとしての側面も大きいと考えています。近年ではスポーツ化に対するさまざまな意見もありますが、自分を表現できる機会が増えるということは喜ばしいことだと思いますし、もっと自分の踊りを多くの人に見てもらうためにも、これからもひとつひとつ目の前の大会に対して頑張っていきたいと思います。
BGIRL AMI photo by AYATO.BGIRL AYUMI
久しぶりの大会ということもあり、いつものコンペティションとは違う雰囲気でしたが、それも新鮮ですごく楽しかったです。
新しいシステムについては、それに合わせようとするよりもいつも通りの私の良さを表現しようと思って踊りました。
大変な時期であったからこそ、自分を見つめ直すこともできましたし、オンラインバトルなどの新しい取り組みにも積極的に参加し、充実しています。
再び以前のように大会が開催できる日を目指して、これからも頑張ります。
BGIRL AYUMI photo by AYATO.BGIRL ANNASTY
今回の大会に出場して、とても楽しかったです。準備期間はハードにやってきたので、本番では勝利を目指しつつもいつも通り楽しんで踊れるように意識していました。
新しい点数のシステムについての準備は年単位で必要だと思ったので、今回の大会については目標を絞って、バランスを保ちながら自分の長所を伸ばすようなトレーニングを行なってきました。
これまで続けてきたものを継続して、どこまで自分の限界を越えられるか、これからも挑戦し続けていきたいです。
BGIRL ANNASTY photo by AYATO.BBOY tsukki
今までしたことないムーブをやってきて、めちゃくちゃしんどかったんですが、雰囲気も良くて自分も盛り上がって楽しくできました。
決勝はキツかったです。あんなに回ったことは他のバトルでもなかったのですが、最後しっかりエアーを決められたのは嬉しかったです。来年も挑戦して優勝したいです。
新しいシステムのことを意識しながら、特にスタミナを強化する練習に取り組んできました。試合中でも同じムーブは避けてバトルでの動きを構成するように考えていたのですが、その成果が出せて嬉しいです。
これからももっと進化して、イベントで観客を沸かせられるように練習に取り組んでいきたいと思います。
BBOY tsukki photo by AYATO.BGIRL Yuika
優勝できて嬉しいです。今回の新しいシステムに合わせて、いつもよりパワームーブを多めに入れたりと工夫してバトルに臨みました。4ラウンドは結構キツかったですね。これからについても練習を増やしていく必要性を感じました。
来年1月からはD.LEAGUEも始まりますし、ユース最後の年となるので、オープンのBBOY & BGIRLにできるだけ近づくことを意識して練習を頑張っていきたいと思います。
BGIRL Yuika photo by AYATO.BBOY Raion
優勝できてホッとしています。年下には負けたくないという気持ちで今回のバトルに臨みました。
他のカテゴリのバトルを見ていて、自分はまだまだだなと思いましたし、もっと頑張りたいと思いました。
夢はオリンピック出場、そのためにもこれから年上のBBOY & BGIRLにガンガン勝っていけるように頑張っていきたいです。
BBOY Raion photo by AYATO.
「第2回全日本ブレイキン選手権」結果
オープン部門BBOY
優勝:BBOY Shigekix
2位:BBOY TOA
3位:BBOY Ryo-spin
BBOY Shigekix photo by AYATO.オープン部門BGIRL
優勝:BGIRL AMI
2位:BGIRL AYUMI
3位:BGIRL ANNASTY
BGIRL AMI photo by AYATO.ユース部門BBOY
優勝:BBOY tsukki
2位:BBOY ISSIN
3位:BBOY HoctSkee
BBOY tsukki photo by AYATO.ユース部門BGIRL
優勝:BGIRL Yuika
2位: BGIRL Riko
3位:BGIRL Yuina
BGIRL Yuika photo by AYATO.
「JOC ジュニアオリンピックカップ」結果
優勝:BBOY Raion
2位:BBOY Yu-Shin
3位:BBOY Ko-taro
BBOY Raion photo by AYATO.
THE MOMENTS of 「第2回全日本ブレイキン選手権」「JOC ジュニアオリンピックカップ ブレイキン選手権」
BGIRL AMI photo by AYATO.
BBOY tsukki photo by AYATO.
BGIRL Riko photo by AYATO.
BGIRL Yuika photo by AYATO.
BGIRL AMI photo by AYATO.
BGIRL AU photo by AYATO.
BBOY shoya photo by AYATO.
BBOY TOA photo by AYATO.
BGIRL ANNASTY photo by AYATO.
BBOY tsukki photo by AYATO.
BBOY ISSIN photo by AYATO.
BGIRL AMI photo by AYATO.
BBOY Shigekix photo by AYATO.
開催概要
大会名称:第 2 回 全日本ブレイキン選手権
大会説明:日本全国各地で開催されたブロック選手権により、勝ち上がったブロック代表が川崎市に集結し、 2020 年度の全日本チャンピオンを決定する国内選手権大会。
開催日:2020 年 11 月 21 日(土)
カテゴリ:
ユース (中学 1 年生〜高校 3 年生) BBOY(男子) 部門
ユース (中学 1 年生〜高校 3 年生) BGIRL(女子)部門
オープン (高校生を除く 18 歳以上) BBOY(男子)部門
オープン (高校生を除く 18 歳以上) BGIRL(女子)部門
ジュニア(小学生) 部門
※ジュニア部門は JOC ジュニアオリンピックカップとして開催
配信:JDSF BREAKING YOUTUBE チャネル
開催場所: 川崎市とどろきアリーナ (〒211-0052 神奈川県川崎市中原区等々力 1-3)
主催:公益社団法人日本ダンススポーツ連盟 ブレイクダンス本部
共催:川崎市
後援:スポーツ庁(申)・神奈川県(申)・(公財)日本スポーツ協会(申)・(公財)日本オリンピック委員会(申)
協賛:Bay FM・Xperia
photo by AYATO.
interview by Shin Akiyama
text by 金子修平
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