11月19日~22日、中国・鄭州で「ITTFファイナルズ」が行われた。

例年はITTFワールドツアーの獲得ポイント上位選手が参加する「ITTFワールドツアー・グランドファイナル」が年末に開催されるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大によって多くのツアーが中止となったため、対象を世界ランク上位16名にし、大会名を変更したうえで開催となった。

種目は男子シングルス、女子シングルスの2種目。

日本から男子は張本智和(木下グループ/世界ランク4位)、丹羽孝希(スヴェンソン/同13位)、女子では伊藤美誠(スターツ/同2位)、石川佳純(全農/同9位)が選出。また各国4名の出場制限により、世界ランクでは17位以下の佐藤瞳(ミキハウス/同17位)、加藤美優(日本ペイントホールディングス/同22位)も出場となった。参戦予定だった平野美宇(日本生命/同11位)は腰痛のため出場を辞退している。

グループリーグはなく、すべてトーナメント方式で行われ、日本勢は6人中3人が初戦で中国選手に当たる不運な組み合わせ。丹羽が林高遠(同5位)、佐藤が王曼昱(同5位)、加藤が陳夢(同1位)に敗れ、初戦敗退となった。

W杯のリベンジを果たされた石川佳純 PHOTO:@ITTFWorld

また張本と石川は韓国勢にまさかの敗北。石川は前週に行われた女子ワールドカップで完勝している韓国のカットマン、ソヒョウォン(同23位)と当たり1-4で敗退。相手の果敢な攻めにリズムを崩され、前回は完璧だったカット打ちでもミスが目立った。

同様に張本も前週の男子ワールドカップ3位決定戦で下したチャンウジン(同18位)と再戦。ゲームカウント3-1とリードし、第5ゲームも10-8とマッチポイントを迎えていたが、開き直って強気の攻めを見せたチャンに押されてゲームを失うと、第6、第7ゲームも落とし、悔しい逆転負けを喫した。

先にマッチポイントを握りながらも逆転負けを喫した張本智和 PHOTO:@ITTFWorld

次々と日本選手が敗れる中、ひとり気を吐いたのは伊藤。初戦で香港の杜凱栞(同15位)を下すと、続く準々決勝では中国の王芸迪(同12位)を撃破。

過去1勝3敗と伊藤にとっては苦手とする相手だったが、サーブで相手を崩してからの速攻プレーが冴えわたり、フルゲームの末に勝利をおさめた。しかし、続く準決勝の王曼昱には0-4で完敗。176cmの長身から繰り出されるパワードライブに押され、決勝進出は果たせなかった。

日本勢最高のベスト4に入った伊藤美誠 PHOTO:@ITTFWorld


【各種目メダリスト】
●男子シングルス
優勝:馬龍(中国)
準優勝:樊振東(中国)
ベスト4:許昕(中国)、チャンウジン(韓国)


●女子シングルス
優勝:陳夢(中国)
準優勝:王曼昱(中国)
ベスト4:孫穎莎(中国)、伊藤美誠(日本)


【日本選手の結果(最終ラウンドの対戦記録)】
●男子シングルス
張本智和【1回戦敗退】3-4 チャンウジン(韓国)
丹羽孝希【1回戦敗退】0-4 林高遠(中国)

●女子シングルス
伊藤美誠【ベスト4】0-4 王曼昱(中国)
石川佳純【1回戦敗退】1-4 ソヒョウォン(韓国)
佐藤瞳【1回戦敗退】0-4 王曼昱(中国)
加藤美優【1回戦敗退】2-4 陳夢(中国)