マロニー弟がアンドレ・ウォードに感謝「どれほど犠牲払ったか理解してくれた」 ボクシングの元世界2階級制覇王者アンドレ・ウォード氏(米国)が、無効試合判定に泣いた前WBA世界スーパーフライ級正規王者アンドリュー・マロニー(オーストラリア)を支…

マロニー弟がアンドレ・ウォードに感謝「どれほど犠牲払ったか理解してくれた」

 ボクシングの元世界2階級制覇王者アンドレ・ウォード氏(米国)が、無効試合判定に泣いた前WBA世界スーパーフライ級正規王者アンドリュー・マロニー(オーストラリア)を支持している。14日(日本時間15日)の王者ジョシュア・フランコ(米国)戦では、相手の負傷により無効試合となったアンドリュー。有効打を主張し、海外メディアや識者も判定に異議を唱えていた。海外メディアが報じている。

 現役時代は「神の子」の異名で32戦無敗の戦績を誇るウォードは、米スポーツ専門局「ESPN」で解説者を務める。海外のボクシング専門メディア「ファイトニュース.com」は「ウォードはマロニー側につく」と記事を掲載。アンドリューが語った内容をこう紹介している。

「試合が終わってすぐにアンドレが『君は勝利を奪われたんだ』と話してくれた。彼はリプレーを何度も見て、相手のダメージが有効打によって生まれたものだと言ってくれた。だから上を向いてチャンスを得ようと話してくれた」

 ウォードはスーパーミドル級とライトヘビー級を制し、権威ある米専門誌「ザ・リング」のパウンド・フォー・パウンド(PFP)でかつて1位に君臨していた。海外識者やメディアからも間違いを指摘する声が多く上がった一戦。そんなレジェンドから寄り添う言葉をもらったアンドリューは、こう続けている。

「アンドレは彼の弁護士に電話してくれて、『私たちは彼を助けなきゃいけない。レフェリーたちは彼に対してミスを犯したんだ』と言ってくれた。そして今、彼の弁護士が僕たちを手助けしてくれている。本当に感謝しているよ。アンドレ自身も選手だったから、僕がどれほどの犠牲を払ってきたのかをよく理解しているんだ」

抗議の手続きは進行中、海外メディア「書類を仕上げた」

 アンドリュー陣営は、試合を管轄したネバダ州アスレチックコミッションに抗議を申し入れる予定とされている。同選手をプロモートする米興行大手・トップランク社CEOのボブ・アラム氏は、来春にアンドリューの母国・オーストラリアで第3戦を用意する計画を海外メディアに明かしていた。記事では抗議の手続きが進んでいるとしている。

「提訴手続きのため、マロニーとマネージャーのトニー・トーリ氏、双子の兄のジェイソンはアラム氏のいるトップランク社のオフィスを月曜(16日)に訪ねた。そこで、ネバダ州のアスレチックコミッションに送る書類を仕上げたという」

 井上尚弥(大橋)に敗れたジェイソンの双子の弟アンドリュー。6月に王座奪取を許した相手とのダイレクトリマッチとなったフランコ戦は、初回に相手が右目付近を負傷した。3回途中のドクターチェックで続行できないと判断されて試合終了。有効打ならアンドリューの勝利だったが、20分超のビデオ判定で偶然のバッティングに。無効試合で王座奪還はならず、試合後のアンドリューは涙をためながら左ジャブによる有効打だと訴えていた。

 記事では、アンドリューが「ボブ(アラム氏)は彼の怪我が有効打からできたものと示す映像を持っている。それを見て、僕も判定を覆す自信がついた」と言及。物議を呼んだ試合の行方はどうなるのだろうか。(THE ANSWER編集部)