ITTFファイナルズ<11月19~22日/中国・鄭州> 大会初日の11月19日、女子シングルス1回戦で加藤美優(日本ペイントホールディングス/世界ランク22位)が世界ランク1位の陳夢(中国)と対戦し、2-4で敗れた。



今大会、出場予定だった平野美宇(日本生命/同11位)が腰痛のため欠場となり、その代わりに追加招待された加藤。相手の陳夢には2019年のT2ダイヤモンドで勝利しており、2度目の金星が期待された一戦だった。

第1ゲーム、以前よりも鋭さが増したバックドライブで攻めた加藤だが、8カ月ぶりの公式戦ということで多少固さもあったのかミスが出てしまう。一方、陳夢は手堅い両ハンドで加藤を両サイドに振って得点し、第1ゲームを奪う。

チキータや逆チキータなど多彩な台上テクニックを持つ加藤に対して、陳夢は第2ゲームの1本目からロングサーブを使うなどサーブで崩しにかかる。それに対して加藤もハーフロングサーブで相手のミスを誘い、ラリー戦でも無理せず粘り強く返球し、世界1位に対して食らいつく。そして11-11から陳夢が1本取ったところで中国ベンチがタイムアウト。次の1本はスピーディーな打撃戦となったが、陳夢のサイドを切る鋭いフォアドライブが決まり、加藤は第2ゲームを僅差で落とす。

陳夢 PHOTO:@ITTFWorld

第3ゲーム、1本目で見応えのあるラリー戦を制した加藤。サーブでは相手のフォア側にボールを集め、ドライブレシーブにはカウンターで応戦。陳夢は加藤のサーブの回転が見極められず、中途半端なレシーブが続いた。中盤に加藤が6本連取し、8-2とリードを広げ、9-6で加藤がタイムアウト。そのまま11-7で逃げ切った。

第4ゲームは甘くなった加藤のレシーブを陳夢がドライブで狙い打ち、ラリーになってもミスがなく、6本で加藤を退ける。

しかし加藤も意地を見せる。第5ゲームはスタートで加藤が4-0とリード。らしくないミスが続き、3-0となった時にはクールに戦ってきた陳夢が珍しく大きな声をあげ、イラついた表情を見せたが、そこからきっちり4本連取で4-4。しかし今度は加藤がアグレッシブなスマッシュで連取し、7-4。再び陳夢が3本連取で追いつく、という見応えのある展開に。最後は逆チキータでミスを誘った加藤が11-8でゲームを奪取した。

第6ゲームは、先週の女子ワールドカップ覇者として初戦敗退は避けたい陳夢が、さらにギアを上げて一気に加藤を攻める展開に。積極的に3球目強打を仕掛け、得点した時には豪快なガッツポーズ。陳夢の気迫に押されたのか、加藤は防戦一方となってしまい、4-11で敗れた。

【ITTFファイナルズ】
<女子シングルス1回戦>
加藤美優 2-4 陳夢(中国)
6-11/11-13/11-7/6-11/11-8/4-11