こんにちは、車いすテニスプレーヤーの田中愛美です。前回に引き続き、車いすテニス…
こんにちは、車いすテニスプレーヤーの田中愛美です。
前回に引き続き、車いすテニスのルールについてです。
今回は通常のテニスにはない、「クラス分け」についてご紹介していきます。
車いすテニスには3つのクラスがあります。
通常のテニスと同じく「男子」「女子」でまず分かれていますが、さらにもう一つ、男女混合の「クァード」という車いすテニス特有のクラスがあります。
このクラスは四肢(両腕・両脚)の内の三肢以上に障害のある選手のために用意されたクラスです。
簡単に言うと、脚だけではなく手も不自由な選手たちも同じ条件で戦うためのもの。
ですので男子・女子クラスでは使えない、「電動車いす」も使用可能になっています。
また、握力のない選手が多いため、ラケットと利き手をテーピングで固定して競技を行う選手も多いのが特徴です。
クァードクラスではスピードやパワーよりもテクニックが重要になってくるため、男子クラスや女子クラスにはない駆け引きは見ていてハラハラすることも…。
特に私はアメリカのデビッド・ワグナー選手が大好きで、彼は障害が軽くなく、テーピングでラケットも固定して、胸あたりから下は動かせないので走るのは遅いですが、絶妙なタッチで相手を翻弄し、3セットマッチの試合で接戦になった時は疲れるからとセカンドセット0‐6で落として休憩してでもファイナルセットを取りに行く勝負師。
クアードクラスはまさに「職人」!といった選手が多数いるのでお気に入りの選手を探してみるのも楽しいと思います。
電動車いすではトップに唯一いるアメリカ人ニック・テイラー選手の試合を見たときの衝撃は忘れられません。なんと足でサーブのトスをあげて打ち、ほぼ全てのボールをフォアハンドでしか取らないのです!
「え、それなら簡単に勝てそう…」と一見思うのですが、これがなかなか穴のないプレーをするので攻略難易度は星四つほど(田中調べ)。
私の一番のお気に入りプレーは「あ、追いつきすぎて時間余っちゃった」ダブルアクセルショット。打つ直前に2回転するので初めて見た時は声を出して驚いてしまいました…。
Congratulations to 🔟-time UNIQLO Wheelchair Doubles Masters quad champions Nick Taylor & David Wagner.
They gain another accolade after being named winners of @Paralympics IPC Athlete of the Month poll for November, with 64% of the public votes!#UNIQLO #WheelchairTennis Tour pic.twitter.com/7g1VhOgu55
— Wheelchair Tennis (@ITFWheelchair) December 13, 2017
デビッド・ワグナー選手(写真左)とニック・テイラー選手(写真右)
クアードクラスの魅力はまだまだ語りきれませんが、なんとなくご理解いただけたでしょうか?
ぜひ、選手の障害のレベルに合わせたプレーも楽しんで見てくださいね。