シューズ選びで最も重要視すべきはより「安全」であることテニスシューズって、どの…
シューズ選びで
最も重要視すべきは
より「安全」であること
テニスシューズって、どの程度大事なのだろうか?
2020年ももうすぐ年末。今こそ、シューズに目を向けてみよう。
テニスの中で、フットワークが重要なのは無論のこと。それはハードだろうが、クレーだろうが、オムニだろうが同じ。ただ、プロや上級者における重要度を考えると、身体能力が高い方は別として、それに“該当しないテニス愛好者”にどれだけ重要なのか? と思うかもしれない。
いや、むしろ重要なのは、“該当しないテニス愛好者”の方だと言える。
「瞬時の動き出し」、「バランス」、「ホールド性」、「耐久性」、「デザイン」、「衝撃吸収性」…、テニスシューズに求められる要素は様々ある。よく<一般プレーヤーのニーズを実現>なんて、ありがちなフレーズがあるが、ものによっては、これは危険だったりもする。その一例がフィット性だ。“足に当たらないシューズ”を日本人は快適と思いがちだが、4Eなど幅広のシューズの場合、足が左右にブレてしまうし、同様にかかとがフィットしないモデルなんかを履くと前後にブレてしまう。<ダッシュがしやすい!>だなんてモデルが、単にヒールドロップ(=かかとの高さ−つま先部の高さ)を、極端に大きくしただけなんてものもある。これらのシューズを履いていると、最悪の場合、ねんざなどのケガにつながる。被害者は、消費者である我々一般プレーヤーである。
<安全なシューズ>
それこそ、ウイルソンにとって最もプライオリティーが高い要素である。だからこそ【#ウイルソンシューズは楽じゃない】=でも、安全であるということだ。その特徴は、①ラストとE・2Eのみにしていること ②ヒールドロップは6mmか9mmにしていること ③テニスで最も重要な前足部のパフォーマンスを重視(フォア・フット・サポート)という3つのことを頑なに守っている。そして、安全性、高い精度を求めるからこそ、同じグループで、アウトドアシューズで高い評価を得ている「サロモン」と共にシューズ作りをしているわけだ。もちろん、ただ<安全>でさえあればいいわけではない。その上で、パフォーマンスの高さも求められるわけだ。
【関連記事】だから、ウイルソン のシューズはオススメしません!?
【関連記事】【ラッシュプロ3.0】【アンプリフィール】安定性重視モデルが<打球を変える!>
--{「#初速が変わるシューズ」とは?}--
より良いボールを打つための
もう一つの選択肢
「#初速が変わるシューズ」
前回、ご紹介したのはウイルソンの安定性重視モデル<スタビリティ・モデル>に属する「ラッシュプロ3.0」「アンプリフィール」だった。ボールを打つ際、軸・体勢が崩れていないかは現代テニスにおいて最も重要なポイントだ。だからこそ、しっかり止まれる・安定して止まれる・静止エネルギーをスイングに転化できる“#打球が変わるシューズ”は、支持を集めているわけである。
さて、今回ご紹介したいのは“#初速が変わるシューズ”機動性重視モデル<モビリティ・モデル>である。テニスで重要なのは、前述したとおり、<軸・体勢が崩れていないか>である。そのために、しっかり止まれるということは重要だが、もう一つ言えるのは、一瞬でも早く打点に入れること。そのために、重要なのは移動スピードであり、特に大事なのが一歩目の速さである。
そのために用意されたモデルが、「ケイオス3.0(KAOS 3.0)」「ケイオス 3.0 SFT(ケイオス 3.0 SFT)」である。
ホールド性を高めた上で
リフト形状、ソール、シャンクが
最速の一歩目を生み出す
「ケイオス」は元々<人間本来の素足感覚><第2の皮膚>というコンセプトを元に作られた。ウイルソン・フットウエアの代名詞と言える「フォア・フット・サポート」が採用されていることは言わずもがなだが、<素足感覚>を再現するために、アッパーに部分ごとに着圧を変えたスキンガードを採用。これがカッコよかった! という人も少なくないだろう。だが、3.0ではこれがさらに進化した。「エンジニアード・メッシュ+フューズド・スキンガード」となり、さらに強力に足をサポートし、ホールドするものになったのである。また、その仕掛けは表だけでなく、内側にも秘密がある。「センシフィット(SENSI FIT)」が、内側外側にそれぞれ4本ずつ搭載されているのだ。これがシューレースと連動することで、より自分の足に沿ったサポートとなる。
先ほどヒールドロップの話をしたが、最新の「ケイオス」では、9mm(つま先:6mm、かかと:15mm)となっている。ラッシュプロの6mmよりは大きいが、他のブランドのモデルの中では、それでも小さい数値である。機動性重視のモデルなのに、なぜ小さいのか? 安全性を保つためである。
それでは、どのように<初速が変わる>のか?
重要なのは2つのテクロジーだ。一つが「トゥ・リフト&ヒール・リフト」で、アウトソールのつま先部、かかと部が反り上がっている形状になっている。他のスポーツと比較した場合、テニスが特徴的なのは360度方向に動くということ。その踏み出し時に、加速させる役目を担っているのが、このテクノロジーである。
その動き出しと共に連動するのが、アウトソールのフレックス・グルーブと独自構造のシャーシー(シャンク)である。フレックス・グルーブとは、屈曲溝のこと。前足部に3本横に入ったフレックス・グルーブが、蹴り出しをスムーズにし、独自構造のシャンクによって足全体が動く設計となっている。だから、一歩目の動き出しが早いのだ。
さらに、激しい機動の中でも足が安定するように、中足部にはインナーブーティー「エンドフィット(ENDOFIT)」が設けられていて、重要なかかと部分には、「オーソライト・メモリーフォーム(ORTHOLITE MEMORY FORM)」を採用。こちらは圧力に応じて形状が変化するため、着用者のかかとにぴったりフィットするようになっている。また、これだけのテクノロジーが入っているのに、315g(27.0cm)と軽いのもすごい。
ざっとテクノロジーの説明をしたが、同モデルのパフォーマンスは、足を入れてみないとわからない。一歩目が速くなる。できれば、ショップなどで、足入れをして確かめてみてほしい。あなたもきっと、その違いを感じるはずである。
--{「ケイオスSFT」はどんなモデル?}--
より激しいプレーをする方のために
作られた「ケイオスSFT」
さて、「ケイオス3.0」、「ケイオス3.0 SFT」の違いは、どこにあるのか? 「ケイオス3.0 SFT」は、より機動性を高めたモデルと言える。
違いは、まずセンシフィットの本数が格子状に8本(ケイオス 3.0では4本)張り巡らされた「クロスラップド・センシフィット(CROSS-WRAPPED SENSIFIT)」が一つ。これが、足のホールド性をさらに高めてくれる。また、サーフェスを問わず、足をスライドさせるようなプレーヤーのために、拇子球部の上、内くるぶしの上に耐摩耗に優れたパッド「メディアル+ヒール・ドラッグ・パッド(MEDIAL+HEEL DRAG PAD)」を搭載している。
最大の注目は、「クイックレーシングシステム(QUICKLACING SYSTEM )」の採用だ。これはサロモンの特許テクノロジーで、靴ひもを結ぶ必要がなく、瞬時に調節可能。細いのに、激しく動いても緩まないと言うのだから、ぜひ試してみたいテクノロジーである。

前回の「安定性重視モデル」<スタビリティ・モデル>、今回の「機動性重視モデル」<モビリティ・モデル>、あなたはどちらが好みだろうか。どちらを選ぶのかはともかく、重視してほしいのは【安全なシューズ】である。ケガをしては、大好きなテニスもできなくなってしまう。
だからこそ、正しい履き方も今一度、見直して欲しい。せっかくのベストフィットモデルも、履き方一つで意味がなくなってしまうので。


次回(2020/11/25更新)は「地球のため、テニスのためにウイルソン進める“小さなこと”続報」について。乞うご期待!!
★[Wilson Web Magazineバックナンバー(2011年1月号~2020年3月号)]
https://wwm.tennisclassic.jp/archive/backnumber/index.html