11月17日、卓球の「Tリーグ2020-2021シーズン」がついに開幕。リモートマッチとはなったものの開幕戦として男子の木下マイスター東京対琉球アスティーダの一戦が行われ、4-0で木下マイスター東京が勝利をおさめた。昨シーズンの1位と2位…

 11月17日、卓球の「Tリーグ2020-2021シーズン」がついに開幕。リモートマッチとはなったものの開幕戦として男子の木下マイスター東京対琉球アスティーダの一戦が行われ、4-0で木下マイスター東京が勝利をおさめた。

昨シーズンの1位と2位の対戦となったこのカード。大黒柱の水谷隼を擁する木下マイスター東京は、若きエースの張本智和が国際大会参戦のため不在。一方の琉球アスティーダは、宇田幸矢と戸上隼輔という明治大ルーキーコンビの移籍で戦力がアップ。戦前の予想では「琉球有利か」という声も聞かれていたが、それとは真逆の展開が待っていた。

木下マイスター東京 Photo:Itaru Chiba


鍵となる第1マッチのダブルスで、琉球アスティーダはさっそく宇田/戸上ペアを起用。木下マイスター東京は、ダブルスのスペシャリスト田添健汰と今季からTリーグに参戦の及川瑞基のペアリング。

攻撃力&コンビネーショでは、以前からペアを組んでおり、なおかつ右利き&左利きというペアリングの琉球ペアに分があるが、巧さに勝る木下ペアが相手に強打をさせないストップ戦術で試合を有利に進める。コースの読みも冴え渡り、第1ゲームのラストも宇田の強烈なチキータレシーブを及川がフォアドライブで狙い打ってゲームを奪取。第2ゲームも台上プレーで田添/及川が相手を翻弄し、勝利をあげた。

不利と思われたダブルスで勝利し、かなり有利な状況になった木下マイスター東京は一気に相手をたたみ掛けていく。

水谷隼 Photo:Itaru Chiba


第2マッチは、水谷隼対平野友樹。第1ゲーム、長短を混ぜたサーブで7-3と水谷がリードを広げるも、ここから平野が見応えのある打撃戦を制して、5本連取で7-8と逆転。しかし、試合巧者の水谷は8-8からの巧みな流しフリックなどで4連続ポイントを重ねて、逆転し返して第1ゲームを奪った。

2-0と水谷がリードした第3ゲーム目も、9-4と水谷リードから平野が5本連取で追いつく展開になったが、やはり競り合いに強いのは水谷。最後は打球点の早いバックハンドを平野のフォアサイドに決めて、粘る平野を退けた。

第3マッチは、及川瑞基対宇田幸矢。現・全日本王者として意地を見せたい宇田だが、ダブルスに続き好調の及川が6-0とリード。

及川瑞基 Photo:Itaru Chiba


中盤に宇田も積極的な攻めを見せて9-9に追いつくも、ここから及川が2本連続でレシーブをチキータで攻めて、第1ゲームを辛くも逃げ切る。開幕戦ということで宇田は力んでしまったのか、要所でミスが出てしまい、逆にドイツのブンデスリーガでもまれてきた及川は落ち着いてプレーし、丁寧なコース取りとミスのない両ハンドドライブで終始リード。

第3ゲームの5-5では、ロビングでしのいでからの豪快なバックドライブで盛り返すスーパープレーも披露し、ストレートで宇田を下した。

木下マイスター東京の勝利が確定し、続く第4マッチは大島祐哉対吉村真晴。ここでも琉球の悪い流れは止まらず、第1ゲームで吉村が大量リードを奪うも、大島が7連続ポイントで大逆転。そのまま勢いに乗った大島が得意の回り込みフォアドライブなどで吉村を攻め、この試合も3-0で勝利した。

大島祐哉 Photo:Itaru Chiba


接戦になると思われた開幕戦。終わってみれば、木下マイスター東京のオールストレートでの完封勝ちという予想外の結果となり、貴重な勝ち点4をゲット。

キャプテンの水谷も「本当に今日が待ち遠しかったですね。今日という日を楽しみにしてきたので、勝てて良かったです。みんなストレートで勝つことができて、最高のスタートを切ることができました」と笑顔でコメント。

エース不在でも強さを発揮した2連覇中の木下マイスター東京。ついにスタートした3rdシーズン、3連覇を目指すこの絶対王者を倒すチームは現れるのだろうか。


【2020年11月17日】
木下マイスター東京 4-0 琉球アスティーダ

第1マッチ
田添健汰/及川瑞基 2-0 宇田幸矢/戸上隼輔
11-9/11-4

第2マッチ
水谷隼 3-0 平野友樹
11-8/11-9/11-10

第3マッチ 
及川瑞基 3-0 宇田幸矢
11-9/11-7/11-7

第4マッチ
大島祐哉 3-0 吉村真晴
11-9/11-9/11-4