新型コロナウイルス感染拡大の影響により、開幕が延期になっていた卓球の「Tリーグ2020-2021シーズン」が17日に開幕。女子開幕戦は日本生命レッドエルフvs木下アビエル神奈川。両チーム2勝で迎えたビクトリーマッチで木下アビエル神奈川・木原…

新型コロナウイルス感染拡大の影響により、開幕が延期になっていた卓球の「Tリーグ2020-2021シーズン」が17日に開幕。女子開幕戦は日本生命レッドエルフvs木下アビエル神奈川。

両チーム2勝で迎えたビクトリーマッチで木下アビエル神奈川・木原美悠が日本生命レッドエルフ・早田ひなを破り、木下アビエル神奈川が開幕戦に勝利した。

<第1マッチ>前田・赤江ペア 2-1 長崎・木村ペア

日本生命レッドエルフ 前田美優/赤江夏星ペア Photo:Itaru Chiba

昨シーズン、1位、2位の両チームは、本来ならば今年3月のプレーオフファイナルで優勝を争う予定だったが、コロナウイルスによりプレーオフは中止。同カードとなった今回の開幕戦は、対戦が叶わなかったプレーオフの分も含め、絶対に負けるわけにはいかない一戦だ。

しかしながら、日本生命レッドエルフは東京五輪代表の平野美宇が腰の故障により欠場。同じく東京五輪代表、木下アビエル神奈川の石川佳純も、19日からのITTFファイナルズ(中国)に参戦のため不在という、両チームベストメンバーではない状態での戦いとなった。

第1マッチのダブルスは、日本生命レッドエルフが前田美優/赤江夏星、木下アビエル神奈川長崎美柚/木村香純というカード。木下アビエル神奈川は、2019ワールドツアーグランドファイナル女子ダブルス王者の長崎美柚/木原美悠のペアで手堅くいくかと思われたが、今シーズンから加入の現役大学生Tリーガー、木村香純を起用する予想外のオーダーで臨んだ。

第1ゲームから一進一退の展開。初出場の木村は固さもなく台上プレー、ラリーでもミスのない堅実な立ち上がり。一方の日本生命ペアも中盤からはコンビネーションの良さを見せ、10-10の場面では前田が絶妙なコース取りで第1ゲームを奪った。
そのまま前田/赤江が第2ゲームも3-0とリードし、木下アビエルのタイムアウト後もリードを維持し、7-4。ここで大事をとってタイムアウトをとった日本生命ベンチだったが、これによって息を吹き返したのは相手の長崎/木村。4本連取で逆転すると、最後も長崎がチキータレシーブを決めて、第2ゲームを奪い返す。

6-6からスタートの最終第3ゲームは、木下アビエルペアが2本先取するも、前田/赤江が6-8からの5本連取で鮮やかな逆転勝利。相手に流れが傾きかねない展開だったが、経験に勝る日本生命ペアがなんとか勝利をもぎとった。

<第2マッチ>ユ モンユ 0-3 木原美悠

木下アビエル神奈川・木原美悠 Photo:Itaru Chiba

日本生命レッドエルフが1-0とリードし、第2マッチはユー・モンユー vs 木原美悠。

ユー・モンユーのリーチの長さを生かした両ハンドドライブに苦しみ、リードを許した木原だったが、7-8から回り込みフォアドライブ、バックフリックなどアグレッシブなレシーブなどで4本連取し、逆転で第1ゲームを奪う。

これで力みが取れた木原は、第2ゲームも多彩なサーブ&積極的なレシーブで相手を翻弄。ユー・モンユーは最後の最後まで木原のサーブの回転を見極めることができず、レシーブミスを連発する。第3ゲームも展開は変わらず、終始主導権を握った木原がストレートで勝利。木下アビエル神奈川が第2マッチを奪い、1-1のタイに戻した。

<第3マッチ>早田ひな 0-3 木村香純

木下アビエル神奈川・木村香純 Photo:Itaru Chiba

第3マッチは、日本生命レッドエルフのエース、全日本女王の早田ひなが登場。Tリーグ新加入の木村香純と対戦した。

序盤、まだ試合感がつかめていない早田に対し、ダブルスに続く2試合目ということで落ち着いてプレーできていたのは木村。緩急をつけたドライブで早田のミスを誘い、第1ゲームを奪取した。

第2ゲーム、ここから挽回していきたい早田だが、先に両サイドに振られ、得意の豪快なドライブを打つ展開に持ち込むことができない。木村はミスのない両ハンドと巧みなコース取り、そして台上プレーで早田を翻弄していく。
木村が2ゲームを連取し、シーソーゲームとなった第3ゲームは、10-10で早田がフォアドライブを放つも木村がカウンターで打ち返し、試合終了。

第1マッチのダブルスでは惜しくも敗れた木村だったが、この第3マッチは格上の早田に対してストレート勝ちという見事な白星でシングルスのデビュー戦を飾った。

<第4マッチ>森さくら 3-1 浜本由惟

日本生命レッドエルフ・森さくら Photo:Itaru Chiba

木下アビエル神奈川が2-1とリードし、第4マッチは森さくら vs 浜本由惟。

ここで負けるわけにはいかない日本生命レッドエルフは昨シーズンのMVP、森が序盤からエンジン全開。持ち前の強力な両ハンドドライブで浜本を攻め立て、第1ゲームを奪うと、第2ゲームも浜本の武器である投げ上げサーブをバックドライブで積極的にレシーブ。バック対バックのラリーでも得点を重ねて、2ゲームを連取する。

第3ゲームも森の猛攻は止まらず、3-0となったところで浜本がタイムアウト。ベンチの指示でここから浜本が巻き込みサーブに切り替えたことで、徐々に流れが変わっていき、7-2から一気に逆転し、ゲームを奪い返す。

互角の展開となった第4ゲーム、浜本の緩急をつけたドライブに若干タイミングを狂わされた森だったが、終盤は我慢のプレーで押し切り、3-1で勝利を決めた。

<ビクトリーマッチ>早田ひな 0-1 木原美悠

日本生命レッドエルフ・早田ひな Photo:Itaru Chiba

これで2-2となり、ビクトリーマッチに突入。勝負を決める最終マッチは、早田ひな vs 木原美悠という注目のカードとなった。

序盤でリードしたのは木原。変化のわかりにくい巻き込みサーブで早田のレシーブミスを誘い、自分のレシーブでは積極的にフォアドライブを振って得点。2試合連続で負けるわけにはいかない早田も意地を見せ、中盤に力強いドライブ連打などを見せるがなかなか点差は縮まらない。結局、リードを保った木原が最後はフォアストレートへの強打を決めて勝利をおさめた。

開幕戦からデッドヒートとなった女子Tリーグの2強対決は、木下アビエル神奈川が3-2でライバルの日本生命レッドエルフを撃破し、幸先良いスタート。

今日2勝をあげた木原も「今日初戦から良いプレーができたので良かったです。今日の試合で成果を出せることを楽しみしていました。今年こそ、3rdシーズンチャンピオンを掴みたいです!」とコメント。木下アビエル神奈川は悲願の初優勝を果たせるのか、今シーズンの戦いぶりに注目だ。

開幕戦に見事勝利した木下アビエル神奈川 Photo:Itaru Chiba

【2020年11月17日】
日本生命レッドエルフ 2-3 木下アビエル神奈川

■第1マッチ
前田美優/赤江夏星 2-1 長崎美柚/木村香純
11-10/9-11/11-8

■第2マッチ
ユ モンユ 0-3 木原美悠
8-11/4-11/5-11

■第3マッチ
早田ひな 0-3 木村香純
7-11/8-11/10-11

■第4マッチ
森さくら 3-1 浜本由惟
11-5/11-4/8-11/11-6

■ビクトリーマッチ
早田ひな 0-1 木原美悠
7-11