11月13日、日本代表はロシアワールドカップにも出場したパナマ代表と戦い、1-0と勝利を収めている。 背番号17を付け…

 11月13日、日本代表はロシアワールドカップにも出場したパナマ代表と戦い、1-0と勝利を収めている。

 背番号17を付けた久保建英(ビジャレアル)は先発で出場し、後半27分に交代で退くまでプレーした。ポジションは3-4-2-1のシャドーだった。1トップの南野拓実の背後で、攻撃の一翼を担っている。位置取りの自由はあったものの、同じ左利きの三好康児が右で、久保は左寄りだったと言えるだろう。

 久保の最適のポジションはいったいどこなのか?



パナマ戦に先発、後半27分に浅野拓磨と交代した久保建英

 パナマ戦の前半、森保一監督が率いる日本は、システムを運用することができていなかった。前回の欧州遠征でカメルーン、コートジボワール戦もそうだったが、バックラインと前線が間延びし、いたずらに相手にペースを渡していた。プレスはかからず、ビルドアップもできない時間が続いた。

 必然的に、久保がボールを触る時間は限られていた。目立ったのは開始直後のFK、左足で橋本拳人の頭に合わせたキックと、前半終了前に左サイドでボールを受け、ひとりを外して左足で浮かせたボールを南野拓実に通したシーンだけだろう。あとはコンビネーションがずれ、互いの距離感も悪く、満足にパスは通らなかった。

 しかし、後半になってラインがコンパクトになって、組み立てができるようになると、久保は"らしさ"を見せる。

 後半13分、バックラインから中盤の遠藤航にパスが入り、遠藤は前線の南野に通し、落としたボールを久保は前を向いて受ける。すかさず左へ展開すると、原口元気が折り返し、室屋成のシュートにつながった。

 久保はライン間に入ってボールを受け、瞬間的にフリーになる巧者ぶりを見せた。コンビネーションの速さと精度も白眉。そして、この場面は先制点のPKにつながる伏線となった。

 後半16分、やはりバックラインからのボールを遠藤がセンターサークル付近で受け、縦パスを久保につける。ラインの間に入り込んでいた久保は、ボールの勢いを生かして前を向き、左アウトサイドで走り込む南野の前に流し、GKに倒されるシーンを作り、PKにつながった。

 自分の居場所を見出し、攻撃を創り出す能力は出色だ。

「久保は同じ左利きのダビド・シルバ(レアル・ソシエダ、スペイン代表として数々のタイトルをもたらした攻撃的MF)にプレーキャラクターが似ている。ライン間での動きに優れ、トップスピードでボールを運べる。今は成長の段階で、私は彼のプレーに満足しているよ」

 そう分析しているのは、ビジャレアルのウナイ・エメリ監督だが、パナマ戦のプレーはまさにその一端だった。前線でコンビネーションを使い、攻撃の渦を作り出す現代的なトップ下と言えるか。

 実はレアル・マドリードのジネディーヌ・ジダン監督も、久保をクロアチア代表の攻撃的MFルカ・モドリッチのバックアッパーとして考えていると言われる。サイドアタッカーにはむしろ単純な走力やインテンシティを要求。久保はプレーセンスを生かせる前線と中盤の間が最適ということか。

 もっとも、久保はチームが与えたシステムの中で答えを導き出し、確実に適応できる。高い位置で味方がボールを持つことができれば、ポジションに関わらず、チームに貢献できるだろう。言わば、ポジションの枠から解き放たれた選手だ。

 まだ10代で、プレーの幅は広がりを見せ続ける。

 パナマ戦の後半20分には、1対2で対応してきた相手に対し、間合いのずれを生かし、2人の間を割って入っている。完全に抜け出したドリブルは、剣豪の切っ先のように艶やかだった。背後からファウルで止められ、イエローカードを誘発した。

 サイドを切り裂くドリブラーとしても、十分に世界のトップクラスなのだ。
 
 その2分後には、久保はシューターとしての矜持も見せている。敵陣内で相手のミスからボールを拾うと、ゴール前を横切りながら、ひとりをかわし、もうひとりに立ちはだかれるも、自らズレを作ってシュートコースを生み出している。単独で打ち切ったシュートはディフェンスに当たって、力なくGKに収まったが、フィニッシュまでたどり着くしぶとさを見せた。

 FC東京、マジョルカ、そしてビジャレアルと、久保はシューターの風体も感じさせてきた。ゴールに近づいても精度が落ちない、ゴールゲッターとしての側面を持つ。これは簡単なことではなく、例えば、レアル・マドリードのヴィニシウス・ジュニオールはリーガトップのドリブラーだが、ゴールに近づくにつれ、プレーが曖昧になり、決定力不足を露呈している。

 久保の最適のポジションとは--。

 現時点では、オーソドックスな4-4-2、もしくは4-2-3-1の右サイドが一番、計算は立つだろう。だが、戦術を正しく運用しているチームなら、FWであれ、サイドアタッカーであれ、インサイドハーフであれ、あるいはシャドーであれ、どこでも正解なのかもしれない。