レッドソックスからFAとなっていた上原浩治投手と田澤純一投手が、来季からは別々のチームでプレーすることになった。上原はカブス、田澤はマーリンズと契約合意し、ボストンを去ることになったが、地元メディアは2013年のワールドシリーズ制覇に大きく…

レッドソックスからFAとなっていた上原浩治投手と田澤純一投手が、来季からは別々のチームでプレーすることになった。上原はカブス、田澤はマーリンズと契約合意し、ボストンを去ることになったが、地元メディアは2013年のワールドシリーズ制覇に大きく貢献した日本人コンビに感謝し、別れを惜しんでいる。

■世界一に貢献した日本人コンビとの別れ惜しむ、「素晴らしかったこと忘れない」

 レッドソックスからFAとなっていた上原浩治投手と田澤純一投手が、来季からは別々のチームでプレーすることになった。上原はカブス、田澤はマーリンズと契約合意し、ボストンを去ることになったが、地元メディアは2013年のワールドシリーズ制覇に大きく貢献した日本人コンビに感謝し、別れを惜しんでいる。

 ボストンの地元ケーブル局NESN(電子版)は「コウジ・ウエハラとジュンイチ・タザワが2013年のプレーオフで素晴らしかったことを忘れないでおこう」とのタイトルで特集を組んだ。

 レッドソックスが世界一に輝いた2013年、上原はクローザー、田澤はセットアッパーとして、獅子奮迅の活躍を見せた。上原は73試合に登板し、4勝1敗13ホールド、21セーブ、防御率1.09、101奪三振をマーク。田澤も71試合に登板して、5勝4敗25ホールド、防御率3.16、72奪三振の好成績だった。

 そして、2人が圧倒的な存在感を見せたのがポストシーズンだ。記事では、「2013年のシーズン、特にプレーオフを忘れないでおこう」として、その活躍を振り返っている。

「タザワの2013年は素晴らしかった。プレーオフ16試合のうち13試合に登板し、失点を喫したのは1試合のみ。26打者と対戦し、わずか被安打6、1四球、6三振を奪った」

 カージナルスと対戦したワールドシリーズでも、6試合中5試合に登板して無失点と活躍したが、地元ケーブル局が特筆したのは、タイガースを破ったリーグ優勝決定シリーズでの“大仕事”だ。

■リーグ優勝決定シリーズで躍動「彼ら抜きでは世界一を成し遂げられなかった」

「何よりも素晴らしい仕事ぶりだったのは、タイガースとのリーグチャンピオンシップシリーズ第3戦だろう。タザワは1-0でリードした8回裏1死からマウンドに上がった。彼はトリー・ハンターに安打を許し、一、三塁という場面になった。この重要な局面で打席にはミゲル・カブレラ。現在でも彼は脅威の存在だが、2013年当時、彼は全盛期真っ只中であり、この年は打率.348で2年連続のMVPに輝いた。タザワはカブレラに対しストレートを4球投じ、三振を奪った。全て空振りであった。(タザワは第5戦でもカブレラを再び打ち取ることとなる)」

 そして、メジャー最強打者を圧倒した田澤の後を継いで登板した上原も、タイガースの強打者を見事に打ち取る。

「続く打者はプリンス・フィルダー。ここでウエハラがマウンドに上がると見事、3球三振に仕留め、レッドソックスは窮地を脱した」

 上原は9回も3者凡退の快投。レッドソックスは7回にナポリのソロ本塁打で挙げた虎の子の1点を守りきって勝利し、2勝1敗とリードした。続く第4戦は落としたものの、その後2連勝でリーグ制覇。田澤と同じく5試合に登板し、6イニングを無失点に抑えて1勝0敗3セーブと躍動した上原はシリーズMVPに輝いた。

「彼ら抜きではレッドソックスは2013年のワールドシリーズ制覇を成し遂げられなかっただろう。この事実だけでも、覚えておく価値があるとは思わないか?」

 記事は、最後に2人に最大級の賛辞を送る形で締めくくられている。ボストンのブルペンを支えた日本人投手たちは、レッドソックスに確かな足跡を残して、新たな道を歩み始めた。